頚椎椎間板ヘルニアの原因と治療法

くびの構造

くびは7個の骨(頚椎けいつい)で構成されています。2番目の頚椎より下には、骨と骨の間に「椎間板ついかんばん」が存在します。
椎間板は骨と骨のあいだで衝撃を吸収するクッションのような役割をしています。
また、骨と骨のあいだには、脊髄から枝分かれした「神経根しんけいこん」が通っています。


(図;https://en.wikipedia.org/wiki/Cervical_vertebraeより引用)

 

頚椎椎間板ヘルニアとは

くびの椎間板の表面(線維輪せんいりん)が破れ、中身(髄核ずいかく)が飛び出した状態が頚椎椎間板けいついついかんばんヘルニアです。30~50歳代の方に多い疾患です。


(図;http://www.premierespineandsport.com/neck.htmlより引用)

 

症状

ヘルニアが飛び出す場所により、脊髄から枝分かれした「神経根」が圧迫される場合と、「脊髄」そのものが圧迫される場合と、大きく分けて二つのものがあります。

「神経根」が圧迫された場合

  • 片方の肩~背中、手の特定の領域に激しい痛みや放散する痛み
  • 数日間、首の寝違いとよく似た症状が首の後ろにみられ、これに引き続き手や肩への激しい痛みが生じる
  • 約2~3週間でピークを越え、鈍い痛みやしびれが残り、数週間から数ヶ月で軽快するという経過をとることが多い

「脊髄」が圧迫された場合

  • 両手のしびれ、力が入らない、感覚がなくなる
  • 両手で細かい動作(箸を使う動作・ボタンをかける動作・ページをめくる動作など)が徐々に出来にくくなる
  • 急速に両足がしびれたり、歩行が不自由になる

原因

あるひとつの原因で起きるわけではありません。
加齢、姿勢の悪さ、スポーツ動作、遺伝などいろいろな因子が影響して起こります。

 

どんな検査をするの?

問診や触診、くびの関節の動きの範囲、しびれや痛みの範囲、反射、筋力、徒手検査、姿勢などを詳しく調べます。頚椎椎間板ヘルニアが疑われる場合は、病院でレントゲン検査やMRI検査を行います。


(図;https://o.quizlet.com/より引用)

どんな治療があるの?

  1. 患部の安静
  2. 超音波・ハイボルテージ治療
  3. 肩甲骨周囲筋のリラクセーション
  4. ストレッチ・マッサージ
  5. 姿勢改善のための運動療法
  6. 脊髄を圧迫しているものは手術の可能性あり

 

ヘルニアが飛び出す場所によって症状が異なる

ヘルニアにより神経根が圧迫された場合、どの神経根が圧迫されたかによって症状が異なります。
出現する症状から、どの神経根が圧迫されているのかを推測できます。


(図;関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーションより引用)

 

姿勢改善のための運動療法

頭の重さは約5㎏もあるといわれ、重い頭を細いくびの骨で支えています。
横からみると、首の骨を支点にしたシーソーのように、「頭の重さ」と「くびの後ろの筋力」が釣り合っています。


くびを曲げたり伸ばしたりする「軸」(屈伸軸)が7番目の頚椎の前方に存在します。
よい姿勢の場合は、上で説明した「シーソーの支点にかかる力」が屈伸軸のすぐそばを通ります。
そのため、さほど筋肉の力を借りなくても頭をまっすぐに支えることができます。
頭が前に突き出た「猫背姿勢」や、くびの骨のまっすぐな「ストレートネック」になると、「シーソーの支点にかかる力」が屈伸軸よりもずいぶん前に移動してしまいます。
そのため、くびの後ろの筋肉は必死になって頭を支えようとして痛みをおこしてしまうのです。


(図;関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーションより引用)