踵骨下滑液包炎とは

まず「踵骨下滑液包」というものについて説明します。かかとの骨の下には滑液包(かつえきほう)という衝撃を吸収するクッションの役割をする組織があります。このクッションのことを踵骨下滑液包といいます。

この部分に繰り返し衝撃がかかったり、強い衝撃が加わったりすると炎症を起こすことがあります。この炎症により痛みなどを起こすことを「踵骨下滑液包炎」といいます。

踵骨下滑液包炎【金沢市のアルコット接骨院の疾患解説】
踵骨下滑液包炎とは

踵骨下滑液包炎の症状

かかとの骨の下の真ん中に腫れや痛みが特徴的です。靴を脱いで裸足で歩くとかかとがズキズキ痛みます。熱感を伴うこともあります。また、コリコリした腫瘤を触れることもあります。

踵骨下滑液包炎の原因

かかとに繰り返し衝撃がかかることで発症します。急にランニングを始めた人や中高年ランナー、サイズの合っていない靴を履いている人などにみられます。

踵骨下滑液包炎と足底腱膜炎との類似点

かかとが痛い疾患に、「足底腱膜炎(そくていけんまくえん)」がありますが、歩き出しや長時間の歩行が痛かったり、かかとの周りに押すと痛い部分があったりと踵骨下滑液包炎と足底腱膜炎はよく似ています。

違いは、踵骨下滑液包炎の場合は、かかとの骨の真下で痛みを感じやすい点で足底腱膜炎とは異なります。

足底筋膜炎と踵骨下滑液包炎の違い【金沢市のアルコット接骨院の疾患解説】
足底腱膜炎と踵骨下滑液包炎の違い よく似てるけど違います

踵骨下滑液包炎の検査

ランナーなどの繰り返し外力が原因であることから、かかとの骨の疲労骨折(ひろうこっせつ)との鑑別も大切です。

かかとの骨を横から叩いてみて骨にひびく場合は、病院でレントゲンやMRI検査が必要です。

踵骨下滑液包炎MRI
踵骨の疲労骨折の可能性もあるため注意が必要

踵骨下滑液包炎の治療法

かかとにかかる衝撃を減らすことで痛みも軽減します。パッド、テーピング、インソール等を使用してかかとを保護します。

どうしても歩かなければならないときは、靴のインソールのかかと部分をピンポイントでくり抜くことも効果的です。

炎症を抑えるには、超音波治療により炎症を抑え痛みを軽減できます。

足を地面につけないくらい症状が強い場合は病院で痛み止めなどの薬物療法を行います。

踵骨下滑液包炎に対するかかとの保護パッド

剣道選手に生じた踵骨下滑液包炎に対して作製したパッドについて詳しく記載してあります。下記の記事をお読みください。