肩峰下滑液包の役割
肩峰下滑液包というのは、肩の先のところにある肩峰と上腕骨の間にあるもので、中に液体の入った袋状の物質です。骨と筋肉の間の摩擦を減らす役割をしています。



肩峰下滑液包炎とは
肩峰下滑液包に炎症が起こった状態のことです。
血管や神経が豊富なので、炎症が起こると痛みを感じやすい部位でもあります。
肩の動きに制限がある五十肩とは区別されています。
しかし、炎症が長期間に及び、周囲の筋肉と癒着してしまうと、肩の動きの制限につながります。

肩峰下滑液包炎の症状
- 腕を上げると痛い
- 痛みで肩を動かすことが困難
- 徐々に痛みが現れる
- 夜中の痛み
- 特定の動作だけではなく、どんな動かし方をしても痛い
肩峰下滑液包炎の原因
60歳代ぐらいの方に起こりやすく、老化現象といわれています。使いすぎが原因で滑液包自体が炎症を起こしたり、肩に無理な力が加わって腱板が切れて滑液包内の液体が漏れ出したりすることで痛みが起こります。
肩峰下滑液包炎の検査
問診では痛くなった状況の確認、ケガの有無、痛みの状態などを確認します。
視診・触診により、押さえて痛い箇所、筋力の低下がないか、肩の動きの範囲などを確認します。

ダウバーン徴候
肩峰と大結節の間の痛い部分を指で押さえたまま、肩関節を90°まで外転させる。
外転に伴い、痛みが消失すれば陽性。
肩峰下滑液包炎の治療法
- 急性期には患部の安静、三角巾による固定
- 超音波療法
- 慢性期には温熱療法
- 関節可動域訓練
- テーピング
- 症状が強いものは、病院にて痛み止めや注射など
夜の肩の痛みに対する対応
こちらのページに詳しく記載してあります。肩腱板損傷・肩腱板断裂のページをご覧ください。
肩の痛みに対するテーピング
こちらのページに詳しく記載してあります。肩腱板損傷・肩腱板断裂のページをご覧ください。
腕の置き場所がわからない!!
腕の重さは片腕だけでも3~4キロも あります。炎症を起こした肩に3~4キロもの重りをぶら下げていては組織の修復が妨げられてしまいます。三角巾などを使って腕を吊り腕の重さを取り除くことも大切です。上着のポケットに親指をひっかけるだけでも肩にかかる腕の重さを軽減できます。痛みでガチガチに力が入っていると、循環を損ね2次的な問題を引き起こしてしまいます。「安静」とは「動かさない」ことだけではなく、「いかに力を抜いて楽にできるか」がポイントです。

立っている時
脇を少し開け、親指をポケットにひっかける。

座っている時
脇を少し開け、腕を下から支える。