短腓骨筋腱付着部炎

短腓骨筋腱付着部炎とは

短腓骨筋たんひこつきん」という筋肉があります。
この筋肉は、小趾しょうし(足の小指)の骨に付着します。
繰り返される骨とけんの付着部の引っ張る力によって腱の炎症が生じます。
これが短腓骨筋腱付着部炎たんひこつきんけんふちゃくぶえんの病態です。
陸上の選手や、履き慣れない靴を無理をして履いた場合などによく見られます。

短腓骨筋付着部炎とは
短腓骨筋付着部炎とは

短腓骨筋腱付着部炎の症状

  • 足の外側が痛い
  • 悪化すると歩くだけでも痛くなる

短腓骨筋腱付着部炎の原因

腱が引っ張り上げる力が加わると、骨の付着部をこの腱が引っ張り上げてしまいます。
そのせいで、痛みが生じることになります。

短腓骨筋付着部炎の痛みの部位
短腓骨筋付着部炎の痛みの部位

短腓骨筋腱付着部炎の治療法

  1. 患部の安静・アイシング
  2. 鎮痛処置:湿布や超音波治療など
  3. テーピング
  4. ストレッチ
  5. インソール療法

短腓骨筋腱付着部炎に対するテーピング

短腓骨筋の走行に沿ってキネシオテーピングを貼付します。
引っ張らずに貼るのがポイントです。

短腓骨筋腱炎テーピング
短腓骨筋付着部炎に対するテーピング

短腓骨筋のストレッチ

ふくらはぎに手を置き、足の甲を床につけます。
ふくらはぎに置いた手に体重をかけゆっくりとストレッチしていきます。

短腓骨筋のストレッチ法
短腓骨筋のストレッチ法

(図;IDストレッチング 第2版より引用)

靴合わせ・インソール

こちらのページに詳しく記載してあります。

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詳しくは、オーダーメイドインソールの作製のページをご覧ください。

腓骨筋腱炎ひこつきんけんえん

腓骨筋腱炎とは

短腓骨筋付着部炎の痛みの部位
短腓骨筋付着部炎の痛みの部位

腓骨筋ひこつきんとは、すねの骨の上方から外くるぶしの後ろを通り土踏まずまで伸びる長い細い筋肉です。
足首のネンザを繰り返すことで、外くるぶし周辺で腓骨筋に炎症が生じる疾患です。

腓骨筋腱炎の症状

  • 荷重時に外くるぶしの後ろが痛い
  • 足首を内側に捻ると痛みが強くなる
  • 外くるぶしの後方を押すと痛い
  • 外くるぶし周囲が腫れる
  • ふくらはぎ外側がつっぱる感じがする

腓骨筋腱炎の原因

主に足首のネンザをきっかけに発症します。
ネンザをしっかりと治療せずに放っておくと、ネンザを繰り返すことで足首に負担がかかり腓骨筋に炎症を起こし発症します。
ジャンプや切り替えし動作の多いサッカーやバスケットなどのスポーツで多く見られます。

腓骨筋腱炎の検査

ネンザなどの外傷の既往があり外くるぶし周辺に痛みがある場合、
腓骨筋を収縮してそれに対して抵抗を加えることで痛みを訴える場合は腓骨筋腱炎が疑われます。
その他、足首の不安定性も検査します。

腓骨筋ストレステスト
腓骨筋ストレステスト

腓骨筋腱炎の治療法

  1. 患部の安静・アイシング
  2. 鎮痛ちんつう処置:湿布や超音波治療など
  3. テーピング
  4. ストレッチ
  5. 靴合わせ・インソール療法

腓骨筋腱炎に対するテーピング法

以下の2つの目的でテーピング施行します。

  1. 腓骨筋の機能改善
  2. 足首が外側に倒れないようにする

▼土踏まずのてっぺんにテープの端を貼ります。

腓骨筋テーピング①
腓骨筋テーピング①

▼次に腓骨筋の走行に沿ってテープを貼ります。この時はほとんどテンションをかけずに貼り付けます。

腓骨筋テーピング②
腓骨筋テーピング②

▼テープの方向はこんな感じです。

腓骨筋の走行①
腓骨筋の走行① テープの方向
腓骨筋の走行②
腓骨筋の走行② テープの方向

▼2本目のテープは踵が外側に倒れないようにするためのテープです。踵の内側から貼り始めます。

腓骨筋テーピング③
腓骨筋テーピング③

▼テープをやや強めに引っ張りながら踵を外反させます。

腓骨筋テーピング④
腓骨筋テーピング④

▼3本面は足首全体を安定させるテープです。

腓骨筋テーピング⑤
腓骨筋テーピング⑤

▼距骨の真下を通るように小指の付け根までやや引っ張りながら貼ります。

腓骨筋テーピング⑥
腓骨筋テーピング⑥

▼腓骨筋腱炎の急性期の場合はリンパコレクションテーピングを行います。

腓骨筋腱炎(急性期)テーピング
腓骨筋腱炎(急性期)テーピング

腓骨筋腱脱臼

腓骨筋腱脱臼とは

腓骨筋腱脱臼とは
腓骨筋腱脱臼とは

外くるぶしのすぐ外側を走る筋肉を腓骨筋ひこつきんといい、それが骨にくっつく前に硬くすじばった部分を腓骨筋腱ひこつきんけんといいます。
腓骨筋腱は外くるぶしの後ろを走り急激に方向を変え、足のゆびの骨に付着しています。
急激に方向を変える場所であるため、腱は非常に不安定です。
そのため普段は腓骨筋支帯により上から抑えられていますが、急激に足首に力が加わると、この腓骨筋支帯ひこつきんしたいが切れてしまいます。
そうすると腱が前の方に乗り上げてしまうものを腓骨筋腱脱臼ひこつきんけんだっきゅうといいます。

腓骨筋腱脱臼の症状

  • 外くるぶし周辺の痛みと腫れ
  • 初回時は腱を押さえている支帯が破れるため、強い痛みと内出血が伴うケースもある
  • つま先を上げる動作で疼痛、不安定感などの症状
  • 反復性になると、手で押すだけでも腱がズレてしまう

腓骨筋腱脱臼の原因

原因は、何らかの力が働き、腓骨筋腱を支える役割をしている腓骨筋支帯が断裂してしまうことで、腓骨筋腱が本来ある場所からズレてしまうことです。
腱がズレやすい動作としては急な方向転換や急劇なストップ動作、踏ん張る動作が危険です。

腓骨筋腱脱臼の検査

腓骨筋ストレステスト
腓骨筋ストレステスト

本症は足関節捻挫とよく似た格好で受傷し、また症状もよく似ているために見逃されるケースが多くあります。
腫れと押さえて痛い部位が外くるぶしの後方にあることが捻挫との違いです。
腓骨筋を強く収縮させると、脱臼したり、脱臼しそうな不安感を訴えるなどの症状があると腓骨筋腱脱臼が疑われます。

腓骨筋腱脱臼の治療法

腓骨筋腱脱臼に対する治療は手術を行うケースが多いとされています。
しかし受傷後早期にギプスを使用し、治癒した事例も存在します。