腓骨筋の痛みの原因や治療法
外くるぶし周囲の痛みを徹底解説

腓骨筋の痛みについて

骨筋の痛みに
しっかり対応します

腓骨筋の痛みは、足の外側や外くるぶし周囲に起こるトラブルで、スポーツや日常動作の中で繰り返し負担がかかることで発症します。ランニングや方向転換などでは特に酷使されやすく、痛みの原因や状態を正確に見極めるには専門的な知識や評価が必要です。

一見軽い違和感でも、放置すると慢性化や腱の損傷につながることもあります。足の外側に痛みや違和感がある場合は、早めに専門的な評価・治療を受けることをおすすめします。

デッドリフトとは

 足の外側や外くるぶし周囲に痛みがある

 歩く・走ると痛みが強くなる

 外くるぶしの後ろに腫れや熱感がある

 足を外側に動かすと痛みが出る

 足首が不安定で「グラつく」感じがある

 段差や不整地で足をひねりやすい

 外くるぶしの後ろで「パキッ」と音や引っかかり感がある

 動き始めや運動後に外側の痛み・だるさが出る

外くるぶしの構造

骨の構造

外くるぶし(外果がいか)とは、足首の外側にある「出っ張った骨」の部分のことで、すねの外側にある骨(腓骨ひこつ)のいちばん下にあたります。

まわりには靭帯じんたいけんがたくさん付いており、足首を安定させる役割があります。

さらに、この出っ張りのすぐ後ろ側を、足首を動かすための腱(腓骨筋ひこつきんの腱)が通っていて、歩いたり走ったりするときの動きにも深く関わっています。

外果とは
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外くるぶしの痛みの分類

  1. 腓骨筋腱炎ひこつきんけんえん腱症けんしょう
  2. 腓骨筋腱脱臼ひこつきんけんだっきゅう
  3. 腓骨筋腱断裂ひこつきんけんだんれつ
  4. 短腓骨筋腱付着部炎たんひこつきんけんふちゃくぶえん
  5. Os peroneumオスペロネウム症候群しょうこうぐん
腓骨筋腱障害の分類

腓骨筋腱炎

腓骨筋腱炎とは

長腓骨筋腱と短腓骨筋腱に繰り返し過剰な負荷が加わることで炎症や変性へんせいが起こる状態のことです。これらの腱は、外くるぶしの後ろを通って足を外側へ動かし、歩行時や方向転換時に足関節を安定させる重要な役割を担っています。

腓骨筋腱炎/腱症とは
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腓骨筋腱脱臼

腓骨筋腱脱臼とは

腓骨筋腱脱臼とは、外くるぶしの後方を通る長腓骨筋腱・短腓骨筋腱が、本来収まっている骨の溝(retromalleolar groove)から前方へずれる状態を指します。

腓骨筋腱脱臼
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腓骨筋腱断裂

腓骨筋腱断裂とは

腓骨筋腱断裂とは、外くるぶしの後方を通る長腓骨筋腱または短腓骨筋腱が部分的または完全に損傷する状態を指します。多くは縦方向に裂ける「縦断裂」として発生します。

腓骨筋腱断裂では、短腓骨筋腱の断裂が最も多くみられます。一方で、長腓骨筋腱のみが単独で断裂するケースは比較的少ないとされています。また、症例によっては長腓骨筋腱と短腓骨筋腱の両方が同時に損傷している場合もあります。

腓骨筋腱断裂とは
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腓骨筋腱付着部炎

短腓骨筋腱付着部炎とは

短腓骨筋腱付着部炎とは、短腓骨筋の腱が、第5中足骨に付着する部分で炎症を起こす疾患です。

いわゆる「使い過ぎによる痛み(オーバーユース)」で起こることが多く、足の甲の外側が痛くなるのが特徴です。

短腓骨筋腱付着部炎とは
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Os peroneum症候群

Os peroneum症候群とは

Os peroneumオス・ペロネウムは、長腓骨筋腱の中に存在する種子骨です。足の外側、立方骨トンネル部に位置します。すべての人にあるわけではなく、全人口の約10~20%に見られ、通常は症状を引き起こしません。

Os peroneum症候群とはOs peroneum周囲で痛みや機能障害が生じる状態です。

次の病態を含みます。

  • Os peroneumの疲労骨折ひろうこっせつ
  • 分裂種子骨ぶんれつしゅしこつの痛み
  • 長腓骨筋腱断裂の合併
  • 腱の牽引による骨障害
Os peroneumとは2
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インソール

足部のアライメント異常や歩行時の負荷の偏りがあると、腓骨筋腱に過剰な牽引力や摩擦が繰り返し加わり、炎症や腱の変性が生じやすくなります。

インソール療法は、足部のアライメントを整え、歩行やランニング時の荷重バランスを改善することで、腓骨筋腱にかかる負担を軽減することを目的としています。外側への過度な荷重や踵の内反がみられる場合には、インソールによって足部の支持性を高めることで腱へのストレスを分散させることができます。

靴の見直し

  • 履き慣れない靴を避ける
  • 足に合った靴を選ぶ
  • 外側に不安定な靴は避ける
  • 硬すぎる靴・柔らかすぎる靴、外側が圧迫される靴は避ける
  • 中足部ちゅうそくぶが締め付けられた靴下は避ける
腓骨筋腱障害によくない靴

体外衝撃波

体外衝撃波たいがいしょうげきは療法は、患部に衝撃波を照射することで組織に微細な刺激を与え、局所の血流を改善させるとともに、組織の修復反応を促進する治療法です。腱障害では、慢性的な負荷によって腱組織の変性や血流低下が生じることがありますが、体外衝撃波によって細胞の代謝や血管新生が促進され、腱の治癒過程を助けると考えられています。

リハビリテーション

腓骨筋腱障害の保存療法では、炎症のコントロール → 機能回復 → 再発予防の段階でリハビリテーションを進めます。痛みの程度に合わせて段階的に負荷を増やすことが重要です。

腓骨筋のリハビリ

腓骨筋収縮トレーニング

バンドを中足部にかけ、足を外側へ開くように足部の外転・外返し(外反)運動を行います。
このとき、バンドの抵抗が足の真横からかかる位置になるように調整します。

運動中は、なるべく足趾に力を入れず、足首の動きで行うことを意識してください。

腓骨筋腱リハビリ①
腓骨筋腱障害のリハビリテーションを詳しく見る

テーピング

目的

  • 足首が外側へ倒れるのを防ぐ
  • 腓骨筋の機能をサポートする
腓骨筋テーピング

手順

土踏まずの頂点(アーチの一番高い部分)にテープの端を貼ります。

腓骨筋テーピング①

腓骨筋の走行に沿って外くるぶし方向へテープを貼ります。このときは、ほとんどテンションをかけずに軽く貼るようにします。

腓骨筋テーピング②

2本目のテープは、踵が外側へ倒れるのを防ぐためのものです。踵の内側から貼り始めます。テープをやや強めに引きながら踵を外反方向へ誘導し、外側へ回して貼ります。

腓骨筋テーピング③

3本目のテープは、足首全体の安定性を高めるためのテープです。足関節を包み込むように貼り、全体のサポートを強化します。

腓骨筋テーピング④

ストレッチ

開始肢位

椅子に座り、右足を体の手前に引き寄せます。右足関節を底屈・内反させ、右足の前足部の背面を床につけます。両手は右下腿の内側中央に置きます。

腓骨筋ストレッチ開始肢位

ストレッチ肢位

体幹を前に倒し、両手に体重を乗せながら右下腿を床方向へ押します。これにより、右足関節の底屈・内反をさらに強めて腓骨筋を伸ばします。ストレッチ中は、外くるぶしを床に近づけるように意識して行います。

腓骨筋ストレッチ肢位
麻多 聡史
院長

この記事を書いた人

アルコット接骨院院長
柔道整復師
フットケアトレーナーマスターライセンス、足爪補正士、テーピングマイスター、IASTMマニュアルセラピスト、FMS 、SFMA、FCS、BPL mentorship program修了、マイオキネマティック・リストレーション、ポスチュラル・レスピレーション、ペルビス・リストレーション、インピンジメント&インスタビリティ修了 脚の長さコーディネーター