有痛性分裂膝蓋骨の原因や治療法【金沢市アルコット接骨院】

成長期におけるスポーツ障害の１つです。膝のお皿(膝蓋骨)が、２つ以上に分裂してしまっている状態をいいます。
お皿自体が成長（骨化）していく時に１つの骨になれず大小２つ以上に分かれてしまったものです。
男子に多くみられます。多くは痛みがないため、無症状のものはとくに治療の必要はありません。
しかし、過度のスポーツや打撲などが引き金となって、膝蓋骨の周囲に痛みが現れることがあります。

原因は生まれつきのもの、スポーツ動作で膝蓋骨にくっついている筋肉（大腿四頭筋）によって繰り返し引っぱられることで負荷が蓄積したり、事故や転倒などの怪我で膝を強くぶつけた時に発症するケースもあります。

レントゲン検査をして分裂が膝蓋骨のどこにあるかでⅠ～Ⅲ型に分類されます。
このなかでⅢ型が最も多く全体の７５％を占めていて、痛みが出やすいといわれています。

前述の症状があり、痛みを訴える部位を叩いて痛みが出ると、有痛性分裂膝蓋骨が疑われます。また当院では超音波エコーを用いて分裂部がないか観察します。
場合によっては、病院でレントゲン検査をして分裂があると診断されます。

前述のように、分裂は膝蓋骨の外側の上の方に多くみられます。
さらにこの部位に分裂があると痛みを起こしやすい特徴があります。
実は膝蓋骨の外側の上の方というのは「外側広筋がいそくこうきん」という筋肉がくっついています。
この筋肉が分裂した部分を離解させてしまうために痛みが生じると考えられています。

外側広筋のさらに深層に、「中間広筋ちゅうかんこうきん」という筋肉があります。
この筋肉は太ももの骨の裏側まで及んでおり、この筋肉に柔軟性がないとしゃがみ込んだ際に痛みの原因となります。

まず始めに、分裂部に付着する外側広筋の硬さを取り除いていきます。
次に、外側広筋に連結する組織もそれぞれ硬さを取り除きます表層の組織が柔らかくなってきたら、
深層にある中間広筋の柔軟性を改善させます。

（図；関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーションより引用）