上腕骨内側上顆とは

下の図は腕の骨(上腕骨)です。
下の方が大きく膨らんでいます。
そのうち内側に出っ張っている方を、「内側上顆」といいます。
内側上顆には手首をまげる筋肉が付着しています。

上腕骨内側上顆とは
上腕骨内側上顆とは
上腕骨内側上顆に付着する筋
上腕骨内側上顆に付着する筋

上腕骨内側上顆炎とは

肘や手首の使いすぎによって筋肉に無理がかかると、肘の内側に痛みを起こします。
ゴルフのスウィングやテニスのフォアハンドなど、手首や肘を曲げたり捻じったりする運動の繰り返しにより肘の内側の腱に微少な断裂や変性を起こします。
使いすぎ症候群の代表的な疾患で20~60歳代によくみられます。
ゴルフ肘という名前がついていますが、野球選手やテニス選手にも見られます。

上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)の症状

  • 物を持ち上げたり、手に力を入れる動作時に肘の内側から前腕にかけて痛い

上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)の原因

加齢による筋力低下、運動前のストレッチ不足不適切なゴルフスウィングなどが要因になります。

肘の曲げ伸ばしを繰り返す職業の人に多く発症します。

内側上顆炎(ゴルフ肘)とは
内側上顆炎(ゴルフ肘)とは

上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)の検査

肘の内側の骨を押したり、叩いたりすることで痛みを確認したり、
下記の検査をして同じ場所に痛みが出れば上腕骨内側上顆炎が疑われます。

内側上顆炎(ゴルフ肘) 手関節掌屈テスト
内側上顆炎(ゴルフ肘) 手関節掌屈テスト

手関節掌屈テスト

内側上顆炎テスト前腕回内テスト
内側上顆炎(ゴルフ肘) 前腕回内テスト

前腕回内テスト

上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)の治療法

  1. 急性期は患部の安静
  2. 体外衝撃波(圧力波)治療
  3. 超音波治療
  4. ストレッチ
  5. 筋力トレーニング
  6. テーピング
  7. 筋膜治療
  8. ゴルフ肘バンド

上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)に対する体外衝撃波(圧力波治療)

体外衝撃波(圧力波)療法とは、圧力波(強い振動)を患部へ当てることで、炎症反応を生じさせ、それに対する身体の反応により組織を治癒させる治療法です。

同時に痛みの神経(自由神経終末)を麻痺させます。また患部周辺の細胞を活性化させ、肘の内側に付着する腱の組織の再生・治癒を促進させます。

ゴルフ肘のような慢性化した痛みの治療に最適な方法といえます。

上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)に対する筋膜リリース

肘関節や内側上顆のまわりには、筋肉や靭帯などが多く付着し、過剰に負荷を与えると組織が硬くなりその周辺の組織と癒着してします。
癒着を放っておくと、痛みを引き起こします。このような痛みには、従来の痛みの治療では効果が少ないことがわかってきました。
リハビリテーションの先進国である欧米では、筋肉や靭帯などの癒着障害に対する治療として、IASTM Tools(Instrument-Assisted Soft-Tissue Mobilization)がここ数年で台頭してきました。
当院では、IASTM Toolsを海外より取り寄せ、使用しています。

最先端の筋膜治療 IASTMのページ
詳しくはこちら
肘の痛みに対する筋膜リリース

上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)に対するストレッチ

指を伸ばし、手のひらを天井に向け、手をやや外側に捻るとよりつっぱり感がでてきます。30秒ほどかけてゆっくりと伸ばします。
痛みが出る場合は、すぐに中止してください。

内側上顆炎(ゴルフ肘) セルフストレッチ
内側上顆炎(ゴルフ肘) セルフストレッチ

ゴルフ肘バンド

痛い場所の4~5㎝指先側にパッドを当てそこで筋肉の収縮力を吸収することで患部を安静に保ちます。

内側上顆炎ゴルフ肘
内側上顆炎(ゴルフ肘) ゴルフ肘バンド

上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)に対する筋力トレーニング

ゴルフ肘エクササイズ

①痛みのある方の手を逆手にして、肘を曲げた状態で、フレックスバーが地面と水平になるように持ちます。

石川県金沢市アルコット接骨院ゴルフ肘エクササイズ
内側上顆炎(ゴルフ肘)に対するエクササイズ① 開始肢位

②手首を自分の方に曲げます。

石川県金沢市アルコット接骨院ゴルフ肘エクササイズ
内側上顆炎(ゴルフ肘)に対するエクササイズ② 手首を自分の方に向けて曲げます

③もう一方の手を、バーの上から手のひらが正面を向くように握ります。

石川県金沢市アルコット接骨院ゴルフ肘エクササイズ
内側上顆炎(ゴルフ肘)に対するエクササイズ③ このように持ちます

④痛みのある方の手は固定したまま、もう一方の手でバーを外側にねじります。

石川県金沢市アルコット接骨院ゴルフ肘エクササイズ
内側上顆炎(ゴルフ肘)に対するエクササイズ④ 片方の手を捻ります

⑤手首を動かさないようにして両肘を前方に伸ばします。

石川県金沢市アルコット接骨院ゴルフ肘エクササイズ
内側上顆炎(ゴルフ肘)に対するエクササイズ⑤ ゆっくり肘を伸ばします

⑥痛みのない方の手で固定しながら、バーが戻る力を利用してゆっくりと痛みのある手を緩めます。

石川県金沢市アルコット接骨院ゴルフ肘エクササイズ
内側上顆炎(ゴルフ肘)に対するエクササイズ⑥ 両肘を伸ばします

このエクササイズを1セット10~15回、1日に3セットのペースで行ってください。
簡単に15回3セットができるようになったら、次の強度のバーに進んでください。