肩の構造
肩の関節は、腕の骨(上腕骨)と肩甲骨で構成されます。
肩の関節を横から見ると、烏口肩峰アーチと呼ばれる「屋根」の下に上腕骨頭が位置するのがわかります。
肩を挙げる時には、この屋根の下を上腕骨頭がスムースに通過しなければなりません。

肩峰下インピンジメント症候群とは
肩を挙げたり動かしたりするときに腱板や滑液包などが肩甲骨の屋根の下をスムースに通過できずに、衝突したり挟まることを肩峰下インピンジメント症候群といいます。
肩峰下インピンジメント症候群の原因
肩峰下インピンジメント症候群の原因は大きく分けて次の2つがあります。
- 肩まわりの「つくり」に問題がある場合
- 肩まわりの「はたらき」に問題がある場合
肩まわりの「つくり」の問題というのは、肩のまわり自体の形が変わってしまうことです。
骨折などによる変形や加齢によって生じる変性(靱帯の肥厚、滑液包の癒着)などがあげられます。
形が変わってしまうことで、肩の隙間が狭くなって衝突を起こしやすくなります。
肩まわりの「はたらき」の問題というのは、五十肩などで肩まわりの筋肉が硬くなり正常なはたらきが出来なくなったり、肩甲骨の動きが不足することで起こったりします。
肩峰下インピンジメント症候群の症状
- 腕を挙げる時に肩がつまる感じがある
- 肩の動きに制限がある
- 肩の挙げ方がぎこちない
- 途中から痛みが出て、それ以上は挙げられない
肩峰下インピンジメント症候群の検査
問診では、痛みが出る当時の状況や痛みの状態を確認します。
視診・触診により、押さえて痛い場所、筋肉が痩せていないか、肩の動きなどを詳細に診ていきます。
また、下記のテストが陽性になると、肩峰下インピンジメント症候群が疑われます。
ニアーテスト
肩甲骨を固定しつつ、肩を内旋したまま、腕を前方から屈曲させる。痛みが出ると陽性。

ホーキンステスト
肘を直角に曲げ、肩を90°挙げた肢位から内側に捻る。痛みが出ると陽性。

肩峰下インピンジメント症候群の治療法
- 患部の安静
- 超音波療法
- 関節可動域訓練
- 筋力トレーニング・ストレッチ
- テーピング
肩峰下インピンジメント症候群に対するテーピング
こちらのページに詳しく記載してあります。
肩腱板損傷・腱板断裂のページをご覧ください。
キネシオテープという特殊なテープを用いてテーピングすることで、皮膚を持ち上げ筋肉との間に隙間を作りリンパの滞りを改善し、筋肉の正しい収縮をサポートします。
胸部のストレッチ
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胸郭出口症候群のページをご覧ください。
肩甲骨のエクササイズ
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