強剛母趾とは

足の親ゆびの関節軟骨がすり減ってくる変形性関節症の一種です。
親ゆびの付け根に反復してストレスがかかるスポーツ(柔道やテニスなど)をしている人に多いといわれています。
症状が進むと関節が破壊されて歩くことが困難になることもあります。
外反母趾とは異なる病態です。

強剛母趾とは
強剛母趾とは

強剛母趾の症状

  • 軽症のうちは、つまさき立ちをしたり、ハイヒールを履いたときに足の親ゆびのつけ根に痛みを感じる程度
  • 進行していくと、歩行時の蹴り出しの際にも、痛みを感じるようになる
  • 最終的には、親ゆびの関節がほとんど動かなくなる
  • 外反母趾と違って、親指が「くの字」に曲がったりすることはない

強剛母趾の原因

人間は歩くときに、まずかかとで着地をして、重心を足の外側から小ゆびへと移動し、そこから指一本一本を着地させて、最後に親ゆびで蹴り出します。
この最後の蹴り出しで、親ゆびが地面から離れるとき、通常は親ゆびのつけ根の関節が60~70°曲がります。
しかし、強剛母趾では曲りが起こらないので、この部分に大きな圧力が加わります。
そのため、蹴り出しやつま先立ちのような姿勢が繰り返されると、関節部分に異常なストレスがかかり、関節の軟骨がすり減り、小さなトゲのようなものが生じます。
さらに進行すると関節の隙間が狭くなり、関節の動きが悪くなり、痛みが増していきます。

強剛母趾のメカニズムとは
強剛母趾のメカニズムとは

強剛母趾の検査

前述の症状に加え、病院でレントゲン検査を行います。

強剛母趾レントゲン
強剛母趾のレントゲン

強剛母趾は進行する

強剛母趾は進行性の疾患です。早期に発見し、病期に応じた適切な治療を行いましょう。

グレード1:軽度から中等度までの骨棘形成
関節裂隙は保たれている

グレード2:中等度の骨棘形成
関節裂隙の狭小化
軟骨下骨の硬化像

グレード3:著しい骨棘形成
関節裂隙の消失
ときに軟骨下骨嚢腫を伴う

強剛母趾進行分類
強剛母趾は進行していきます

強剛母趾の治療法

  1. 痛み止めの内服、貼付
  2. 関節内注射
  3. 靴合わせ・インソール療法
  4. 投薬・手術

強剛母趾に対する靴合わせ・インソール療法

蹴り出しの際に痛みを起こさないためには、登山靴のような底の硬いものが効果的です。

また、ロッカーバー構造のある靴を履くことで、親指を反らさなくても蹴り出しができます。

さらに、インソールにより中足骨頭を支えることで親ゆびが上向きに反ってしまうことを防ぎます。

靴のロッカーバー機能とは
強剛母趾にはロッカーバー機能付きの靴がおすすめ