弾発指だんぱつし(ばね指)とは

腱鞘炎けんしょうえんの一種です。腱鞘けんしょうに炎症が起こり、指を曲げ伸ばしする際に『コクン』とひっかかるような現象をいいます。
ある角度を過ぎるとバネのように屈伸します。

ばね指のメカニズム
ばね指のメカニズム

弾発指(ばね指)の症状

  • 指の付け根の痛み、腫れ、熱感
  • 指の曲げ伸ばしでひっかかり感がある
  • とくに朝起床時に症状が強く、指を使っていると症状が軽くなる
  • 悪化すると、指が動かない状態になる

弾発指(ばね指)の原因

指を曲げる筋肉の「けん」を、骨に押さえつけるためにバンドのような形をした「腱鞘」という部分があります。
指は、腱鞘のトンネルの中を腱がスムースに通過することで、きれいに曲げ伸ばしできています。
手を使いすぎるなど、何らかの原因で腱鞘に炎症が起こると、腱鞘が太く腫れてしまいます。
そうするとトンネルの内部が狭くなってしまい、その中を通過する腱がスムースに動けなくなってしまいます。

ばね指の解剖
指の腱鞘の構造

弾発指(ばね指)はどのような人に起こるの?

更年期の女性に多くみられます。
手をよく使う職業やスポーツの方にも多いのも特徴です。
妊娠中や産後の女性、糖尿病、リウマチ、透析とうせき患者にもよく発生します。
親指、中指によくみられます。

弾発指(ばね指)の検査

指の付け根に腫脹しゅちょう圧痛あっつうがあり、ばね現象があれば容易に見つけることができます。

ばね指の圧痛
指の付け根部分に圧痛や硬結が・・・

弾発指(ばね指)の治療法

  1. 患部の安静(スプリント固定)
  2. 体外衝撃波(圧力波)治療
  3. 超音波療法
  4. 温熱療法
  5. ストレッチ
  6. 関節可動域訓練
  7. 筋膜治療
  8. 痛みや炎症が強いものは病院で注射や内服など
  9. 治療の効果がみられないもの、再発を繰り返すもの、日常生活に支障があるものは手術

弾発指(ばね指)に対する体外衝撃波(圧力波)治療

拡散型体外衝撃波(圧力波)療法とは、圧力波(強い振動)を肥厚した腱鞘(A1プーリー)や腱そのものへ照射することで、腱鞘や腱実質部の滑走性が増し痛みや引っかかり、スナッピング、ロッキングといった症状が改善します。

基本的には4〜6回を1クールとして治療を行いますが、腱鞘の肥厚が高度の場合は長期に及ぶこともあります。

圧力波によって、腱鞘や腱実質の血流や組織代謝を増加させることで、ばね指のような慢性化した痛みを取り除くことができます。

弾発指(ばね指)に対する筋膜リリース

指の屈筋腱と腱鞘の間の滑走性を獲得するために、IASTM toolsという特殊な金属でできた器具を使います。
腱鞘周囲の炎症により癒着や肥厚してしまった部位を、効率的に改善できます。

最先端の筋膜治療 IASTM
詳細
iastm
屈筋腱と腱鞘の間の滑走性改善にはIASTMが大変有効です。