前十字靱帯ぜんじゅうじじんたいとは

膝の関節の中にあって太ももの骨とすねの骨を結ぶ靱帯です。

すねの骨が前へずれたり内側に捻れたり、また膝が過剰に反るのを防ぐストッパーの役割をしています。

前十字靭帯とは
前十字靭帯とは

前十字靱帯損傷とは

前十字靱帯に強い力や捻る力が加わると、靱帯が損傷してしまいます。
損傷の形態には、完全断裂、部分断裂、弛緩等があります。

前十字靭帯損傷
前十字靭帯損傷とは

前十字靱帯損傷の症状

まず、受傷した際に、ぶちっと靭帯が切れた音が聞こえます。(pop音)

受傷直後は膝の腫れ痛みがあります。しかし、その後1~2週間ほどで歩けるようになります。

典型的な症状としては、膝の不安定感脱力感、そして膝くずれ(giving way)が起こります。

これは靭帯により膝を支えることができなくなったことで起こります。

膝を軽く曲げ伸ばしする程度であれば支障はありませんが、正座ができないなどの症状が起こることが多いです。

前十字靭帯損傷
前十字靭帯損傷の症状

前十字靱帯損傷の原因

原因は2つのタイプに分けられます。

①直接膝をぶつけるなどして起こる接触型(コンタクトタイプ)

②バスケットやサッカーでの切り返し、スキーでの転倒などの非接触型(ノンコンタクトタイプ)です。

非接触型では、膝が内側に入った状態(knee-in)で、捻るために受傷するケースがあります。

典型的な例では、つま先が外側を向いるときに(toe-out)、膝が内側に捻ることで損傷します。

前十字靱帯損傷の検査

前十字靭帯損傷では下記の

前方引出し現象、

ラックマンテスト(膝約20度屈曲位)、

ピボットシフトテスト(Nテスト)が陽性となります。

これらの所見が見られると、整形外科でレントゲン写真、関節穿刺(関節内出血の有無をみる)、MRIなどを行い診断がつきます。

前方引き出しテスト、ラックマンテスト、ピポットシフトテスト、Nテスト
前方引き出しテスト、ラックマンテスト、ピポットシフトテスト、Nテスト

前十字靱帯損傷の治療法

受傷直後では膝の痛みや腫れに対して患部の安静・アイシングが必要になります。場合によっては手術を検討します。

手術以外の方法としては、損傷の程度が低くスポーツに復帰する場合は、膝のぐらつきを抑えるためにテーピングを巻きます。

手術をするしないに関わらず、運動療法やリハビリテーションは必須です。

また、再発や受傷を予防するためにも膝が内側に入ったり体幹が外に倒れるのを予防するインソール療法も効果的です。

前十字靱帯損傷は放置しておいていいの?

前十字靭帯は関節の中にあるため、いったん断裂すると自然治癒することはありません。

放置していると、靱帯によって関節を制動できなくなるため、スポーツ時や階段を降りるときに膝くずれを起こすようになります。

さらにひどくなると次は半月板が傷んでしまいます。

さらに半月板が摩耗するとその下の関節軟骨の損傷もみられます。

前十字靱帯損傷の手術後の運動療法

前十字靱帯再建術後の運動療法は、靱帯の修復過程をもとに負荷量を変更しなければなりません。
ハーフスクワットやランニングなどの負荷の強い運動は術後12週以降が望ましいとされています。
術後12週以降、スポーツ復帰に向けての運動療法が始まります。

この運動療法は再断裂の予防を念頭においた動作の習得が必要であるため、いくつか注意点があります。
重心を後方に残したままスクワットなどを行ってしまうと、手術した部分に負担がかかってしまいます。
また膝が内側に入る動きもよくありません。



(図;関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーションより引用)

前十字靱帯損傷に対するテーピング

▼①膝の上下にアンカーテープ(黒)を巻きます。

アルコット接骨院で行う前十字側副靭帯損傷に対するテーピング
前十字側副靭帯損傷に対するテーピング① アンカー

▼②もう1本重ねます。

アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング
前十字側副靭帯損傷に対するテーピング② アンカー2本目

▼③スパイラルテープ(赤色)を巻きます。

アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング
前十字側副靭帯損傷に対するテーピング③ スパイラルテープ1本目

▼④反対側からスパイラルテープ(青色)を巻きます。場合によっては、スパイラルテープの数を変更します。

アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング
前十字側副靭帯損傷に対するテーピング④ スパイラルテープ2本目

▼⑤アンカーテープ(黒色)を巻いて完成

アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング
前十字側副靭帯損傷に対するテーピング⑤ アンカー