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胸郭出口症候群とは
鎖骨の周辺で腕や手指に行く神経の束(腕神経叢)が、血管とともに圧迫されて起こる疾患です。
腕神経叢が圧迫されて発生する「圧迫型」、腕神経叢が過剰に引っ張られて発生する「牽引型」、それぞれが合わさって発生する「混合型」があります。

胸郭出口症候群の症状
- 手の指や腕がしびれる
- 手の指や腕の熱感または冷感
- 手の指や腕の脱力感
- 首や肩、肩甲骨周囲のうずくような痛み
- 手の握力低下、細かい動作がしにくい
胸郭出口症候群牽引型の原因
胸郭出口症候群牽引型では、あごを突き出した「なで肩」姿勢が特徴です。
肩甲骨にくっついている筋肉にアンバランスが生じると、肩甲骨の位置に左右差がみられます。

このように肩甲骨が異常な位置におかれたままでいると、腕神経叢が過敏状態となります。
神経の過敏な状態で、腕を下げていたり、重い物を持ったりすることで神経はさらに引っ張られて症状が出現します。

胸郭出口症候群圧迫型の原因
鎖骨のまわりで神経や血管が圧迫される原因は大きく分けて3つあります。
- 前斜角筋と中斜角筋の間で圧迫される斜角筋症候群
- 鎖骨と第1肋骨の間で圧迫される肋鎖症候群
- 小胸筋の後方で圧迫される小胸筋症候群
があります。これらをまとめて胸郭出口症候群圧迫型と呼ばれてます。

胸郭出口症候群の検査
問診や触診をていねいに行います。姿勢、筋力などを調べ、下記のテストで症状が現れる場合は胸郭出口症候群が疑われます。

胸郭出口症候群はどんな人がなりやすいの?
- 猫背で細い体形の人
- なで肩や首が長い人
- 筋肉が少ない、運動しない人
- 20歳後半~60歳くらいの女性
- 日常的に一定の姿勢を長時間続けている人
- 事故後の二次障害として起こることもある
胸郭出口症候群の治療
- 姿勢改善(KSバンド)・テーピング
- 電気治療
- 超音波療法
- ストレッチ・マッサージ
- 筋力トレーニング
- 徒手療法
肩甲骨の位置修正テーピング

(図;理論と実践! 治療的テーピングより引用)
胸部のストレッチ
ドアの枠を使い胸部の筋をストレッチします。

椅子の背もたれを使い丸まった背中を伸ばします。

肩甲骨のエクササイズ
肩甲骨を背骨に引き寄せるように動かします。
