大腿外側皮神経障害

大腿外側皮神経とは

大腿外側皮神経という、大腿の外側の皮膚の感覚を伝える神経の障害です。
この神経は、骨盤に入るところで折れ曲がり方向を変えるので、このポイントで上から靭帯で押さえられたり、ベルトなどで外から圧迫されやすいのです。
この神経は、筋肉に行く枝はないので運動のマヒは起こりません。

外側大腿皮神経とは画像
外側大腿皮神経障害とは

大腿外側皮神経障害の症状

  • 鼠径部そけいぶ(太ももの付け根)辺りから太ももの外側にかけての広い範囲の痛みやシビレ
  • 筋肉のマヒは一切伴わない
  • 鼠径部を指で押さえると症状が強くなる

大腿外側皮神経障害の原因

大腿外側皮神経が鼠径靭帯(骨盤の前面に張る靭帯)の下を通る際に絞めつけ、圧迫されることが原因でおこります。
締めつけの強いパンツやジーンズなどを履いたり、肥満や腫瘍による圧迫、股関節まわりの骨折や脱臼だっきゅうなどの外傷、妊娠などをきっかけに発症します。

大腿外側皮神経障害の検査

鼡径部を押さえると症状が再現される場合は、大腿外側皮神経の障害が考えられます。
また、大腿外側皮神経を伸張させることでも症状の再現がみられます。
きつめのジーンズを履いたなど原因を自覚していれば問題ないのですが、原因がはっきり思い当たらない場合は腫瘍による圧迫が考えられるので病院で検査が必要です。

FNSテスト画像
大腿神経伸展テスト

大腿外側皮神経障害の治療法

  1. 圧迫されている原因の除去
  2. 超音波療法
  3. ストレッチ
  4. 腫瘍によるものは手術

圧迫の原因を取り除く

長い時間座っていることは避けます。また、体重によって症状が出ることも多いため、減量が必要なこともあります。
きついズボンやポケットに沢山の荷物を入れる事も、症状を悪化させるため避けた方がよいでしょう。

神経の下にある腸腰筋ちょうようきん

「腸腰筋」という筋肉は大腿外側皮神経の下を走ります。
大腿外側皮神経はこの腸腰筋と鼡径靱帯に挟まれるような位置関係にあります。
そのため腸腰筋が硬くなったり緊張したりすると、大腿外側皮神経は逃げ場を失い、筋肉と靱帯の間で圧迫されてしまいます。

外側大腿皮神経と腸腰筋の関係
外側大腿皮神経と腸腰筋の位置関係

お尻のしびれの原因 上殿皮神経障害とは

お尻の皮膚感覚を伝える上殿皮神経じょうでんひしんけいが、骨盤の「腸骨稜」を乗り越える際に、腸骨とその表面に付着する筋肉を包む「筋膜」との間に挟まれ、神経が締め付けられることで発症します。
上殿皮神経障害は腰痛の12%ほどを占めるという説もあります。

上殿皮神経とは画像
上殿皮神経とは

上殿皮神経障害

上殿皮神経障害の症状

  • 腰の真中から7~8cm外側あたりの痛み
  • おしりの痛み、しびれ
  • 腰をひねる、反らす、しゃがむ、長時間の座位・立位・歩行で症状が強くなる

上殿皮神経障害の原因

原因は今のところ明らかにされていません。
比較的高齢者に多いことから、加齢による可能性がいわれています。

大腿外側皮神経障害の検査

骨盤の上縁で、背骨から 7㎝ほど外方に圧痛があることを確認します。
ここを押さえると放散するような痛みが出ることがあります。
また、腰をかがめたり反らせたりして痛みが出るか、長時間歩行して痛みが出るかなども重要な症状です。

上殿皮神経
上殿皮神経障害のしびれの場所

大腿外側皮神経障害の治療法

  1. 圧迫されている原因の除去
  2. 超音波療法ちょうおんぱりょうほう
  3. 腰背部ようはいぶの筋肉のストレッチ
  4. 筋膜リリース
  5. 症状が強いものは上殿皮神経ブロック注射