野球肘とは
野球肘は繰り返される投球動作が肘の関節にストレスを与えることで、肘の軟骨・靭帯・筋肉や腱がいたんでしまう疾患です。スポーツ障害として多く見られます。

野球肘の分類
野球肘は傷んでしまう場所から内側型、外側型、後方型に分類されます。
小学生の野球肘は内側型がほとんどで、中高生になると外側型が起こることが多くなります。
野球肘の原因
成長期に投球動作を過度におこなうことによって肘へストレスがかかり発症します。
内側型野球肘とは
投球時に生じる肘の障害の多くは内側型です。
内側型は投球休止することで手術しなくても治る可能性が高いといわれています。
内側型野球肘の病態には、内側上顆炎や前腕屈筋群の筋肉の痛み、内側側副靱帯損傷、肘の骨の裂離骨折、骨端線離解、尺骨神経障害などが含まれます。
野球肘の症状
投球時に肘の内側が痛くなります。痛みの大半はアクセレレーション期(加速期)に発生します。

(図;www.nos-arts.comより引用)
野球肘の検査
痛みの場所、程度、投球のどのタイミングで痛みが出るか、肘の曲げ伸ばしがしっかりと出来るかなど関節をチェックします。
外反ストレステストなどの検査も行います。
野球肘が疑われる場合は専門医の診察を
内側型野球肘の発症ピークは11~12歳といわれています。
投手と捕手に圧倒的に多く、内側型野球肘が疑われる場合は専門医を受診しレントゲン検査をお勧めします。
野球肘と診断された場合は、医師の指示に従い投球動作を中止してください。
骨に異常があるのか、靱帯に損傷があるのか、筋肉に痛みがあるのかによってそれぞれ投球中止期間が異なります。
指導者の先生のご理解が必要になります。けして気合や根性で治る疾患ではありません。
医師の許可が出た場合は、腕の硬い筋肉のストレッチ、体幹・股関節・肩甲骨まわりの強化や柔軟性向上、
フォーム修正、ウォームアップやクールダウンの指導など競技復帰に向けてプログラムを組んで治療をすすめていきます。
医師によるその後の定期検診も大切です。
野球肘の治療法
- 急性期は患部の安静、投球の中止
- 超音波治療
- ストレッチ
- 筋力トレーニング
- テーピング
- 筋膜リリース
球肘になりやすいフォーム
危険なフォームとして、アクセレレーション期での肘下がりや身体の開きの早さなどが挙げられます。
これらのフォームでは肘の内側が投球方向を向くため、投げるときにボールから受ける反作用の力が、肘の外反する力になってしまいます。

投げすぎに注意

野球肘のセルフチェック

肘を押して痛みはありますか?


肘は左右差なく曲げ伸ばしできますか?


肘を捻って痛みはありますか?
