当院の筋膜リリースの流れ
痛みがある部分では、筋膜組織の癒着や肥厚がみられます。
筋膜の癒着や肥厚部分を特殊な器具を使って分解することで、ヒアルロン酸が排出され、筋膜組織間の正常な滑りを回復させます。
癒着や肥厚部分が改善するとわずかな発赤がみられます。血流が改善した証拠です。
即時的な効果があり、通常は施術後すぐに効果がみられます。
筋膜ってなに?
”筋膜”は筋肉を包む膜ですが、1つの筋肉だけを包んでいるわけではありません。
全身をくもの巣のように張り巡り、骨・臓器・筋肉・神経・血管と結びつき身体を内側から支えている重要な組織です。
(図;www.rolfing-bluelight.comより引用)
筋膜が障害されるとどうなるの?
筋膜は他の組織と連結しているため、障害されると他の部位に影響を及ぼします。
筋膜が障害されると、水分を失い柔軟性が乏しくなるため、全身タイツを引っ張られたような窮屈な状態になります。
癒着や瘢痕した筋膜はその部位だけでなく身体全体の構造にも影響を与えます。
たとえば筋膜の癒着が腰に起こった場合でも、首の動きが制限されこともあります。
IASTMってなに?
関節まわりでは、筋肉や靭帯などが硬くなり周辺の組織と癒着してしまうことがあります。
従来の治療法(消炎鎮痛剤・従来の電気治療)では、このような癒着による痛みの回復には効果が低いということがわかってきました。
リハビリテーションの先進国である欧米では、筋肉や靭帯などの癒着障害に対する治療として、IASTM Tools(Instrument-Assisted Soft-Tissue Mobilization)が台頭してきました。
IASTMは軟部組織の癒着障害を治療することができる全く新しい治療ツールです。
IASTMは中国伝統医学のカッサを発展させたものです。
筋膜の癒着を見つけ出し治療する特殊な金属機器を使用した治療テクニックです。
癒着した部分を解きほぐすテクニック(筋膜リリース)により、今までにない劇的な回復効果が期待できます。
当院では組織癒着の治療には、米国より取り寄せた最新の器具とテクニックを用いています。

なぜこんなに効くの?
出来上がった筋膜の癒着や瘢痕(かさぶたのように肥厚した部分)を一度分解します。
瘢痕や癒着した筋膜に、特殊な器具によって刺激を与えると、微細な炎症反応を引き起こします。
この炎症反応によって、瘢痕組織や癒着組織の再吸収を促し、正常な状態への治癒を促進します。
筋膜の癒着は手術、不良姿勢、繰り返しの損傷などが原因で発生します。それを分解することで完全な状態へ回復させます。

皮膚が赤くなりますが大丈夫です
浅筋膜の癒着をはがし、局所的な炎症反応や瘢痕組織が分解されることにより、下図のような皮膚の一時的な赤みをきたします。
瘢痕・癒着がある組織では、健常な組織よりも血管が少なく、また毛細血管が弱くなっており、施術により切れやすい状態にあります。
つまりトラブルのある組織は健康な組織よりも赤みを生じやすいといえます。この赤みはあざのように見えますが、瘢痕・癒着から解放された証です。
制限が解放されたことにより、組織の再合成や筋力の増強が進みます。
慢性的な筋膜の瘢痕・癒着により硬くなった筋肉や血管が、一気に解放されることにより一時的な腫脹・不快を感じることもありますが、「可動域が増加している」「症状が軽減している」という感覚があれば問題ありません。
なお、この皮膚の赤みは数日~1週間ほどで消えてしまいますので、ご安心ください。

どのくらいの頻度で治療を行えばいいの?
治療部位1か所に付き2~3分行い、全体で15~30分ほど行います。
その後、次の治療までに最低24時間以上は間隔を空けなければなりません。
通常ですと、週2回ほどを目安に行います。試合や練習がない日に行うのが理想です。

すごく楽になったけど再発するの?
筋膜の癒着・瘢痕・制限による痛みの場合は、IASTMセラピーにより劇的に改善が見込めます。
しかし、長期間にわたり筋膜に癒着や瘢痕、制限があると、脳の誤作動が起こり、筋膜が間違った形状を記憶してしまいます。
そのため、一度症状の改善が見られても、また同じように一部の筋膜に繰り返し負担がかかってしまうことがあります。
IASTMセラピーにより筋膜の制限から解放した状態を維持しつつ、特定の筋膜に負担がかからないように正しい動作を学習しなおす治療が必要になってきます。
例えるならば、長年の筋膜の癒着や瘢痕により、誤ったプログラム(動作やフォーム)を学習してしまったコンピューター(脳)を、正しいプログラム(体に負担がかからない理想的な動作やフォーム)に書き換える作業を行わなければなりません。
IASTMの適応疾患
- 内側上顆炎、外側上顆炎 (テニス肘・ゴルフ肘)
- 手根管症候群
- 首の痛み
- 足底筋膜炎
- 肩腱板炎
- 膝蓋腱炎
- 後脛骨筋腱炎
- かかとの痛み/アキレス腱炎
- DeQuervain症候群
- 手術後および外傷性瘢痕
- 筋筋膜痛と制限
- 筋骨格系の不均衡
- 捻挫/緊張から関連する慢性関節腫脹関連
- 靭帯捻挫
- 筋緊張
- 非急性滑液包炎
- RSD(反射性交感神経性ジストロフィー)
- 背中の痛み
- ばね指
- 股関節痛(人工関節)
- 腸脛靭帯症候群
- シンスプリント
- 慢性足関節捻挫
- 瘢痕(外科、外傷)
禁忌
次のような症状がある場合は、IASTMを施行できません。ご了承ください。
- 開放創、感染症、腫瘍
- ペースメーカー、内部除細動器、末梢挿入型中心静脈カテーテル
- 深部静脈血栓症
- 頚動脈洞
料金
※外傷によるもの、交通事故によるものは保険診療の適応になります。その他、慢性痛によるものは上記の金額が必要です。
服装について
なるべく患部の皮膚が出るような服装をご準備ください。
アンダーウェア、スポーツタイツなどの薄く皺になりにくい素材の上からでも施術は可能ですが、効果は若干下がります。