
テニス肘の原因や治療法【金沢市アルコット接骨院】
上腕骨外側上顆とは
下の図は腕の骨(上腕骨)です。下の方が大きく膨らんでいます。
そのうち外側に出っ張っている方を、「外側上顆」といいます。
外側上顆には手首を上に持ち上げる筋肉が付着しています。

上腕骨外側上顆炎とは
筋肉が骨に付着する部分で微小断裂や変性が生じ、外側上顆に痛みをおこす疾患をいいます。
「テニス肘」ともよばれます。

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の症状
- 手や腕を使う動作で、肘の外側から前腕にかけて痛みが生じる
- 手のひらを下にして物を持ち上げると肘が痛い
- タオルを絞るといった動作で肘が痛い
- 安静にしているとほとんど痛くない
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の原因
加齢によって腱が変性することが基盤にあり、さらに仕事や日常生活で腕を使いすぎることで発症します。
「テニス肘」ともよばれていますが、実際にスポーツに関連するケースは5%以下といわれています。
テニスでは特にバックハンドのストロークが要因となります。
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の検査
肘の外側の骨を押したり叩いたりすることで痛みを確認します。
下図の検査をして同じ場所に痛みが出れば上腕骨外側上顆炎が疑われます。
握力を計測することも、治療の経過をみる参考となります。
外側上顆炎を検査するための代表的な3つのテストがあります。



上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の治療法
- 急性期は患部の安静
- 体外衝撃波(圧力波)治療
- 超音波療法
- ストレッチ
- 筋力トレーニング
- テーピング
- 筋膜治療
- テニス肘バンド
日常生活での注意点

手のひらを下にして物を持つ、肘だけを動かすのはNG

手のひらを上にして持つのはOK

手のひらを後ろに向けて持つのはNG
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)に対する体外衝撃波(圧力波)治療
圧力波(強い振動)を患部へ照射することで、痛みの神経を麻痺させます。また傷んだ短橈側手根伸筋腱周囲の硬くなった組織を一度破壊することで、細胞を活性化させ、組織の再生を促進します。
テニス肘のような慢性化した痛みを取り除くために最適な治療法です。

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)に対するストレッチ
中指をつかんで手首を手のひら側かつ小指側に向けて曲げます。
30秒ほどかけてゆっくりと伸ばします。

上のストレッチで痛みが出る場合は、痛いポイントより指先側の筋肉を指でしっかりと押さえて固定します。
その状態で体重を後方に移動します。
慣れてきたら少しずつ手の置く位置を前方にずらします。

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)に対する筋膜リリース
肘の外側上顆にはたくさんの筋肉が付着するため、その部分に炎症が起こると、他の筋肉や靭帯、皮膚などが硬くなり癒着してしまいます。
当院ではこのような癒着障害に対してアメリカより取り寄せた、IASTM Tools(Instrument-Assisted Soft-Tissue Mobilization)を使用して治療することがあります。
IASTMはこれまでの治療法では不可能だった癒着障害を治療できる全く新しい治療ツールです。
テニス肘バンド
痛い場所の4~5㎝指先側にパッドを当てそこで筋肉の収縮力を吸収することで患部を安静に保ちます。

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)に対するテーピング

(図;理論と実践! 治療的テーピングより引用)
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)に対する筋力トレーニング
①痛みのある方の手で、手首を起こした状態でフレックスバーを持ちます。

②反対の手で、手のひらが正面を向くようにバーの上端を持ちます。

③痛みのある方の手は固定したまま、上側の手でバーを外側にねじります。

④手首は動かさないようにして、両肘を前方に伸ばします。

⑤痛みのない手で固定しながら、バーの戻る力を利用してゆっくりと手の力を緩めます。

このエクササイズを10~15回を1セットとし、1日3セットのペースで行ってください。
簡単に15回3セットができるようになったら、次の強度のバーに進んでください。