【まとめ】背中~わき腹の痛み 症状別にみる原因や治療法【金沢市アルコット接骨院のコラム】
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思春期の女子で背骨が弯曲している 脊柱側弯症の原因や症状、治療法
脊柱側弯症とは
前方からみて背骨が10度以上横に曲がる状態です。
多くの場合、脊柱のねじれを伴います。ほとんどは、成長期の子供に発症します。
症状
- 腰や背中の痛み
- 肺活量の低下
- 心理的ストレス
- まれに神経症状
脊柱側弯症の分類
脊椎側弯症は、「機能性側弯症」と「構築性側弯症」の2つに分類されます。
「機能性側弯症」は、生活習慣や姿勢の悪さ、左右の足の長さの違いなどから生じることもあります。
姿勢などを注意することにより改善される可能性があります。
一方、「構築性側弯症」は背骨自体に異常があり、ほとんどが原因不明です。
思春期特発性側弯症ってなに?
脊柱側弯症のほとんどが「思春期特発性側弯症」です。
10歳から成長が終了するまでの間に発症します。圧倒的に女子に多くみられます。
遺伝の関与が考えられていますが、今のところはっきりとした原因は分かっていません。
外見上の特徴
側弯症は早期発見が非常に重要な疾患です。
思春期の女子で、次にあげるような症状がみられる場合は早急に専門医を受診しましょう。
- 肩の高さが非対称
- 腰のくびれが非対称
- 体幹バランス不良
- 骨盤の傾き
- 肩甲骨部の出っ張り

どんな検査をするの?
正確な診断のためには、病院でのレントゲン検査が必要です。

また、「前屈検査」といって、立った状態で前かがみになる検査があります。
前かがみになった時に、背中や腰の盛り上がりに左右で違いがある場合に陽性となります。
レントゲンによる側弯度の計測
病院で行われるレントゲン検査では、「側弯度(コブ角)」が計測されます。
これは、側弯症の進行具合や治療方針を判断するのに役立ちます。

どんな治療があるの?
病院で行われるレントゲン検査では、「側弯度(コブ角)」が計測されます。
これは、側弯症の進行具合や治療方針を判断するのに役立ちます。

体幹装具による矯正治療
装具療法は側弯症に対する有効な治療です。一般的に骨成長が終了するまで装着します。
その後、少しずつ装具をはずす時間を延ばしていきます。
体操療法
体操の目的は、背骨の曲りとねじれを矯正することです。
また、側弯症の方は、体幹の筋力(とくに腹筋)が著しく低下しているため、腹筋の強化も大切です。
脇腹の痛み 肋間神経痛の原因や症状、治療法
肋間神経痛とは
肋間神経という背骨の間から出る神経に沿った痛みのことをいいます。

症状
- ほとんどの例で左右どちらかに発症し、痛みは肋骨の走行に沿って帯状に走るのが特徴
- 深呼吸や咳、体位の変化などで痛みが増強する
原因
肋間神経痛を起こす原因はさまざまです。
神経が骨や筋肉にはさまれたことにより生じる絞扼性神経障害が最も多くみられます。
悪い姿勢をとりつづけたり疲れがたまったりすることで突然起こります。症状は一時的であり、ほとんどがすぐに治まります。
他にはヘルペスウイルスに感染することによる帯状疱疹が肋間神経痛を起こす場合もあります。
肋骨に沿って帯状疱疹があらわれるとわかりやすいのですが、まれに疱疹が現れないこともあり注意が必要です。
痛みを感じる場所
- 背中
- 体の側面、あばら
- 心臓(のように感じる)
- 脇腹 (左脇腹、右脇腹)
- 脇の下
- みぞおち (胸の真ん中)
どんな治療があるの?
- 消炎鎮痛剤や湿布
- ベルトで固定
- 神経ブロック
- ハリ治療、低周波治療、漢方薬など

似たような症状に注意
肋間神経痛に似た症状が出る疾患に、狭心症や心筋梗塞、胃かいよう、胆嚢結石、肝臓や胸、腎臓などの異常があり、注意が必要です。
低周波治療
肋間神経痛には低周波治療が有効です。
電極の一対は第5~第9胸椎の内側と痛みの部位の前側に配置します。
もう一対は痛みの部位の上下に配置します。
刺激頻度は1~5Hz、時間は10~15分とし、治療は週2~3回行います。

何科を受診すればいいの?
典型的な肋骨に沿った痛み→整形外科
痛みが激痛のとき→内科
水泡(帯状疱疹・下図)→皮膚科
テーピング
キネシオテープという特殊な素材でできたテープを用いてテーピングを貼ることで、
皮膚を持ち上げ筋肉との間に隙間を作りリンパの滞りを改善し、痛みを和らげます。
ただし、疱疹がある場合は貼れません。
くしゃみなどであばらに響く 肋骨骨折の原因や症状、治療法
肋骨骨折とは
肋骨は12本あって、かごのような形をしており内臓を守る働きをしています。
肋骨の前の部分は軟骨で出来ており、柔軟性があります。
この肋骨が、なんらかの原因で折れてしまった状態が肋骨骨折です。

症状
- 骨折部位に一致した痛み、圧痛(押さえると痛い)、腫れ、皮下出血が現れる
- 骨折部を軽く圧迫した時に軋轢音(骨折部で骨がきしむ音)が生じることがある
- 寝返りを打つと肋骨部分が、激しく痛む
- 横を向くと痛いため横を向けない
- 深呼吸すると、激痛が走る
- 内臓の痛みのように感じることもある
- 咳やくしゃみをすると、肋骨部分にひびく
- 痛くて冷や汗がでる
原因
どこかにぶつけたなどの軽い力によるものと、交通事故や高いところからの転落などの大きな外力によるものがあります。
また、体を捻ることを繰り返すことで発生する(疲労骨折)こともあります。
高齢者では咳をするだけで骨折することもあります。
どんな人に多いの?
高齢者では骨粗鬆症のため骨がもろくなっているため、わずかな外力でも肋骨骨折を起こします。
どんな検査をするの?
触診と病院でレントゲン検査を行います。
レントゲン検査では骨折が判明しないこともあります。
また、肋骨の前方は軟骨でできているため、レントゲンではわかりません。
肋骨骨折のレントゲン
(図;teachmeanatomy.infoより引用)
どんな治療があるの?
- 患部の安静
- バストバンド固定
- 2週間ほどして痛みが治まったら軽いリハビリ
- 骨粗鬆症がある場合は、骨粗鬆症の治療
特徴的な姿勢

呼吸をするだけでも痛みが増強するため、痛みがある側に体を側屈させることで、胸郭があまり動かないようにする特徴的な姿勢をとることが多くみられます。
どのくらいで治るの?
①外傷による骨折の場合
骨折してから1週間後位経って、炎症が胸膜(肺の膜)まで及んでくると痛みが強くなります。
肋骨の下には肺があり、骨折自体の痛みよりも、この炎症が広がってくると激痛が走ります。
およそ4~6週で治りますが、何本かまとめて骨折している場合は、治癒が遅くなります。
②疲労骨折の場合
2~3週間程度の安静を保つことで痛みは軽減します。
その後、徐々にリハビリを始めます。
疲労骨折を起こしてしまう原因を見つけ出して、低下した筋力を戻したり、柔軟性を改善させたりなどの治療が必要です。
バストバンドの正しい巻き方
バストバンド(リブバンド)を装着する目的は、「胸郭の動きを抑えて、肋骨が動かないように固定すること」です。
正しく装着するには、「息を吐いて胸郭をもっとも縮小した状態で固定する」ことです。

1.息を軽く吸う
2.息を最後まで吐く
3.もう一息頑張って吐く
4.その状態のまま患部を覆うようにバストバンド(リブバンド)を巻く。
患部には伸縮性のないパッド部分が当たるようにする。
ただし、過度な締め付けは避ける。