リトルリーガーズ・ショルダーの原因と治療法

骨の成長

子供の骨は、大人の骨とは全くの別物です。子供の骨はまだ完全な骨ではなく、軟骨なんこつの部分が残されています。
この軟骨部分は骨端軟骨こったんなんこつ骨端線こったんせん)といわれ、この部分で骨は成長します。成長期が過ぎると軟骨は完全な骨になり、これ以上骨は伸びなくなります。

リトルリーガーズ・ショルダーとは

成長期に、腕の骨(上腕骨じょうわんこつ)が完全な骨になる以前に軟骨に繰り返しストレスが加わることで、骨端軟骨(骨端線)が損傷される疾患です。

 

原因

野球の投球やバレーボールのアタック、バドミントンなど、腕を挙げてから力を入れて振り下ろす動作を繰り返すスポーツでよく起こります。
例えば投球動作でボールをリリースした直後からの腕の振り下ろし(フォロースルー)では、腕の遠心力により上腕骨自体が強く引っ張られます。
特にカーブボールを投げると肩にねじれの力も加わります。そのため、軟骨が少しずつ傷つき、だんだんと炎症を起こし、最終的には軟骨がずれた状態になります。

症状

  • 投球時に肩が痛い
  • 肩の付け根を触ると痛い
  • 肩にだるさ
  • 肩が動きづらい

どんな検査をするの?

問診や触診、関節の動きの範囲、体幹の柔軟性などを調べます。
リトルリーガーズ・ショルダーでは、上腕骨の骨端軟骨(骨端線)の部分に一致して強い圧痛(押さえると痛い)があります。
リトルリーガーズ・ショルダーが疑われる場合は病院でレントゲン検査やエコー検査を行います。


(図;関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーションより引用)

 

どんな治療があるの?

  1. 患部の安静(投球制限)
  2. 超音波療法
  3. ストレッチ
  4. 筋力トレーニング
  5. 筋膜リリース
  6. 投球フォームの修正

 

ストレッチのルール

  • 実施する際は20秒~30秒かけてゆっくり時間をかけて伸ばす。1部位につき2~3セット実施する。
  • 筋肉の伸張感がある範囲の強さで伸ばし、痛みが出ない範囲で実施する。
  • ストレッチング直後の運動は徐々にレベルをあげていく。

 

ストレッチする部位

  1. 肩の前方
  2. 胸部
  3. 肩の後方~下方
  4. 肩甲骨周囲
  5. 首~背中
  6. 股関節
  7. 体幹(特に回旋)

 

不良フォームの特徴

不良フォームの特徴として、次の項目が挙げられます。

  • 肘が下がっている
  • 体の開きが早い
  • 投球方向への体幹の回旋が少ない
  • 体幹の非投球側への側屈が大きい

これらの要因として、肩まわり、股関節、胸部の筋肉の硬さが考えられます。

肩甲骨の動きの重要性

リトルリーガーズ・ショルダーでは、

  • 肩まわりの筋肉のアンバランス
  • 肩甲骨の動きが悪い
  • 体幹の柔軟性がない

などの理由で、肩甲骨の向いた方向で腕をねじることが出来ていない症例が多くみられます。
肩甲骨の向いた方向で腕をねじれないと、骨端軟骨(骨端線)に過剰な負担がかかってしまいます。