成長期の膝の皿の痛み 有痛性分裂膝蓋骨の原因と治療法【金沢市のアルコット接骨院/疾患コラムvol.029】

金沢市小立野のアルコット接骨院です。
今回は成長期の男子にみられる膝の皿周りの痛みについてです。
膝の皿の上側、特に外側を痛がる場合は、有痛性分裂膝蓋骨の恐れがあります。
それでは、「有痛性分裂膝蓋骨」について詳しく説明していきます。

有痛性分裂膝蓋骨ゆうつうせいぶんれつしつがいこつとは

成長期におけるスポーツ障害の1つです。膝のお皿(膝蓋骨)が、2つ以上に分裂してしまっている状態をいいます。
お皿自体が成長(骨化)していく時に1つの骨になれず大小2つ以上に分かれてしまったものです。
男子に多くみられます。多くは痛みがないため、無症状のものはとくに治療の必要はありません。
しかし、過度のスポーツや打撲などが引き金となって、膝蓋骨の周囲に痛みが現れることがあります。

有痛性分裂膝蓋骨とは

 

症状

  • 膝蓋骨の外側もしくは下端の痛み
  • その部位を押さえると痛い
  • 痛みは運動で強くなり、安静にすると軽快する。

原因

原因は生まれつきのもの、スポーツ動作で膝蓋骨にくっついている筋肉(大腿四頭筋)によって繰り返し引っぱられることで負荷が蓄積したり、事故や転倒などの怪我で膝を強くぶつけた時に発症するケースもあります。

有痛性分裂膝蓋骨大腿四頭筋の牽引力

有痛性分裂膝蓋骨の分類

レントゲン検査をして分裂が膝蓋骨のどこにあるかでⅠ~Ⅲ型に分類されます。
このなかでⅢ型が最も多く全体の75%を占めていて、痛みが出やすいといわれています。

 

どんな検査をするの?

前述の症状があり、痛みを訴える部位を叩いて痛みが出ると、有痛性分裂膝蓋骨が疑われます。
病院でレントゲン検査をして分裂があると診断されます。

有痛性分裂膝蓋骨叩打痛

 

 

どんな治療があるの?

  1. 患部の安静・アイシング
  2. 超音波療法
  3. ストレッチ
  4. サポーター・テーピング
  5. 運動療法・徒手療法
  6. インソール療法
  7. 症状を繰り返す場合は手術

 

なぜ外側の痛みが多いの?

前述のように、分裂は膝蓋骨の外側の上の方に多くみられます。
さらにこの部位に分裂があると痛みを起こしやすい特徴があります。
実は膝蓋骨の外側の上の方というのは「外側広筋がいそくこうきん」という筋肉がくっついています。
この筋肉が分裂した部分を離解させてしまうために痛みが生じると考えられています。

有痛性分裂膝蓋骨外側広筋による牽引

 

しゃがむときに痛いのはなぜ?

外側広筋のさらに深層に、「中間広筋ちゅうかんこうきん」という筋肉があります。
この筋肉は太ももの骨の裏側まで及んでおり、この筋肉に柔軟性がないとしゃがみ込んだ際に痛みの原因となります。

中間広筋とは

 

 

徒手療法ってどんなことをするの?

まず始めに、分裂部に付着する外側広筋の硬さを取り除いていきます。
次に、外側広筋に連結する組織もそれぞれ硬さを取り除きます表層の組織が柔らかくなってきたら、
深層にある中間広筋の柔軟性を改善させます。


(図;関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーションより引用)

 

超音波療法

有痛性分裂膝蓋骨の症状改善には、外側広筋や中間広筋の柔軟性改善、滑走性改善が不可欠です。中間広筋はより深くにあるため超音波による深部刺激が効果的です。超音波の高速度ミクロマッサージで直接刺激を与えます。
外側広筋・中間広筋の柔軟性を改善させたり、過緊張の抑制などに効果があります。

(筆者;麻多 聡史  アルコット接骨院院長、柔道整復師、オーソティックスソサエティ認定フットケアトレーナーマスターライセンス、ペディグラス社認定足爪補正士、3M社認定テーピングマイスター、Smart tools認定IASTMマニュアルセラピスト、FMS ,SFMA)