【まとめ】スポーツによる膝のケガ5疾患 症状別にみる原因や治療法【金沢市アルコット接骨院のコラム】 

あなたの症状の特徴は?

症状が当てはまるものをクリックしてください。

膝の腫れや不安定感、膝崩れなど(前十字靭帯損傷)

膝が抜ける、着地の際に力が入らない(後十字靭帯損傷)

膝の腫れ、ひっかかりや痛み・正座ができない(半月板損傷)

膝の内側の痛み、腫れ、熱感、ぐらつき(内側側副靭帯損傷)

膝の外側の痛みや腫れ(外側側副靭帯損傷)

 

膝の腫れや不安定感、膝崩れなど  前十字靭帯損傷の原因や症状、治療法

前十字靱帯ぜんじゅうじじんたいってなに?

膝の関節の中にあって太ももの骨とすねの骨を結ぶ靱帯です。
すねの骨が前へずれたり内側に捻れたり、また膝が過剰に反るのを防ぐストッパーの役割をしています。

前十字靭帯とは
前十字靭帯とは

 

 

前十字靱帯損傷とは

前十字靱帯に強い力や捻る力が加わると、靱帯が損傷してしまいます。
損傷の形態には、完全断裂、部分断裂、弛緩等があります。

前十字靭帯損傷
前十字靭帯損傷とは

 

症状

  • 受傷した際に、ぶちっと切れた音が聞こえる(pop音)
  • 受傷直後は膝の腫れや痛み(その後1~2週ほどで歩行ができる)
  • 不安定感
  • 膝くずれ(giving way)
  • 脱力感
  • 正座ができない
前十字靭帯損傷
前十字靭帯損傷の症状

 

原因

原因は直接膝をぶつけるなどして起こる接触型(コンタクトタイプ)と、バスケットやサッカーでの切り返し、スキーでの転倒などの非接触型(ノンコンタクトタイプ)に分けられます。

非接触型では、膝が内側に入った状態(knee-in)で、捻るために受傷するケースが多いとの報告があります。典型的な損傷例では、つま先が外側を向いるときに(toe-out)、膝が内側に捻ることで損傷します。

 

どんな検査をするの?

前方引き出しテスト、ラックマンテスト、ピポットシフトテスト、Nテスト
前方引き出しテスト、ラックマンテスト、ピポットシフトテスト、Nテスト

前十字靱帯損傷の検査では前方引出し現象、ラックマンテスト(膝約20度屈曲位)、ピボットシフトテスト(Nテスト)が陽性です。
これらの所見が見られるようですと、整形外科受診を勧めます。
レントゲン写真、関節穿刺(関節内出血の有無をみる)、MRIを行い診断がつきます。

 

どんな治療があるの?

  1. 患部の安静・アイシング
  2. 手術
  3. テーピング
  4. 運動療法・リハビリテーション
  5. インソール療法

放置しておいていいの?

関節の中に存在するため、血行が乏しくいったん断裂すると自然治癒することはありません。
放置していると、靱帯による制動が効かなくなるため、スポーツ時や階段を降りるときに膝くずれを起こします。
この膝のグラグラを放っておくと半月板が傷んでしまいます。
さらに半月板が摩耗すると関節軟骨の損傷もみられます。

 

術後の運動療法

前十字靱帯再建術後の運動療法は、靱帯の修復過程をもとに負荷量を変更しなければなりません。
ハーフスクワットやランニングなどの負荷の強い運動は術後12週以降が望ましいとされています。
術後12週以降、スポーツ復帰に向けての運動療法が始まります。
この運動療法は再断裂の予防を念頭においた動作の習得が必要であるため、いくつか注意点があります。
重心を後方に残したままスクワットなどを行ってしまうと、手術した部分に負担がかかってしまいます。
また膝が内側に入る動きもよくありません。



(図;関節機能解剖学に基づく 整形外科運動療法ナビゲーションより引用)

 

テーピング

アルコット接骨院で行う前十字側副靭帯損傷に対するテーピング
前十字側副靭帯損傷に対するテーピング① アンカー

①膝の上下にアンカーテープ(黒)を巻きます。

アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング
前十字側副靭帯損傷に対するテーピング② アンカー2本目

②もう1本重ねます。

アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング
前十字側副靭帯損傷に対するテーピング③ スパイラルテープ1本目

③スパイラルテープ(赤色)を巻きます。

アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング
前十字側副靭帯損傷に対するテーピング④ スパイラルテープ2本目

④反対側からスパイラルテープ(青色)を巻きます。場合によっては、スパイラルテープの数を変更します。

アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング
前十字側副靭帯損傷に対するテーピング⑤ アンカー

⑤アンカーテープ(黒色)を巻いて完成

 

 

膝が抜ける、着地の際に力が入らない 後十字靭帯損傷の原因や症状、治療法

後十字靱帯こうじゅうじじんたいってなに?

後十字靭帯とは
後十字靭帯とは

膝の関節の中にあって太ももの骨とすねの骨を結ぶ靱帯です。
すねの骨が太ももの骨に対して後方にずれるのを防ぐストッパーの役割をしています。

後十字靱帯損傷こうじゅうじじんたいそんしょうとは

後十字靱帯に強い力が加わると、靱帯が損傷してしまいます。
損傷の形態には、完全断裂、部分断裂、弛緩しかん等があります。

後十字靭帯損傷
後十字靭帯損傷とは

 

 

症状

  • 膝の痛みや腫れは軽度であり、自覚症状も少ない場合がある
  • 膝の不安定性
  • 膝の皿の周りの痛み
  • 膝が抜ける、着地の際に力が入らない

 

原因

「膝が約90°に曲がっている状態で、すねの骨に前方からの衝撃がかかる」ことにより損傷します。

 

どんな検査をするの?

サギング徴候、グラビティテスト、後方引き出しテスト、リバースジャークテスト、後外側回旋不安定テスト
サギング徴候、グラビティテスト、後方引き出しテスト、リバースジャークテスト、後外側回旋不安定テスト

後十字靱帯損傷の症状は非常に目立ちにくく気づきにくいことが多くあります。
しかし、じわじわと慢性の膝関節痛や不安定感につながったり、腫れが出たり引いたりすることもあります。
この疾患に特徴的な所見がありこれらの所見が見られる場合は、整形外科受診を勧めます。
レントゲン写真、関節穿刺(関節内出血の有無をみる)、MRIを行い診断がつきます。

 

どんな治療があるの?

  1. 患部の安静・アイシング
  2. 運動療法・リハビリテーション
  3. テーピング・サポーター
  4. 超音波療法
  5. インソール療法
  6. 完全断裂は手術

 

リハビリでスポーツ復帰が可能!

軽症の場合は、手術せずに治療することができます。
なるべく早期から可動域と筋力低下を防ぐ運動療法を開始し、後方にぐらつきが強い場合は、支柱付きサポーターなどの着用も考えます。
膝の可動域と大腿四頭筋だいたいしとうきんの筋力が回復すればスポーツ復帰が可能といわれています。

 

膝の腫れ、ひっかかりや痛み・正座ができない(半月板損傷)の原因や症状、治療法

半月板ってなに?

半月板はんげつばんは膝関節にかかる衝撃を吸収するためのクッションの役割をする軟骨様の組織です。太ももの骨とすねの骨の間に存在します。内側・外側にそれぞれ1つずつあります。

半月板とは
半月板とは

 

 

半月板損傷とは

強く膝を捻ったときに、半月板を損傷します。損傷した際に膝の中で音がすることがあります。
また、高齢者では加齢により半月板が変性して、わずかな外力で損傷することもあります。

半月板損傷とは
半月板損傷とは

 

症状

急性症状

  • 膝関節の隙間の痛み
  • 引っかかり感
  • 膝くずれ
  • 膝が伸ばせない状態となる(ロッキング症状)
  • 断裂がひどいと激痛や可動域制限が起こり、歩行困難になる

慢性症状

  • 膝に水や血がたまる
  • 太ももの筋肉が萎縮

原因

①スポーツ外傷で生じる場合
荷重下でひねりが加わることで損傷します。

半月板損傷受傷機転
半月板損傷の受傷機転

②加齢により生じる場合
加齢により水分量の減少とともに半月板は変性します。わずかな外傷でも損傷することがあります。

 

 

どんな検査をするの?

前述の症状があり、ApleyアプレーテストやMcMurrayマックマレーテストで痛みが出る場合は、半月板損傷の疑いがあります。
一度、整形外科に受診して損傷の程度を確認することをお勧めします。
レントゲン写真、関節穿刺かんせつせんし(関節内出血の有無をみる)、MRIを行い診断がつきます。

アプレーテスト、マクマレーテスト
アプレーテスト、マクマレーテスト

 

どんな治療があるの?

  1. 患部の安静・アイシング
  2. 運動療法・リハビリテーション
  3. テーピング・サポーター
  4. 超音波療法
  5. インソール療法
  6. 医師の判断により手術も考慮

 

テーピング

膝にひねりが加わらないように、また不安定にならないようにテーピングで補強します。

アルコット接骨院で行う半月板損傷に対するテーピング
半月板損傷に対するテーピング① アンカー

①膝の上下にアンカーテープ(黒色)を巻きます。

アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング
半月板損傷に対するテーピング② アンカー2本目

②もう1本重ねます

アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング
半月板損傷に対するテーピング③ スパイラルテープ

③らせん状にスパイラルテープ(赤)を巻きます。

アルコット接骨院で行う前十字靭帯損傷に対するテーピング
半月板損傷に対するテーピング④ スパイラルテープ2本目

④反対側からスパイラルテープ(青)を巻きます。

アルコット接骨院で行う半月板損傷に対するテーピング
半月板損傷に対するテーピング⑤ アンカー

⑤アンカーテープ(黒)貼って完成。

リハビリ? 手術?

リハビリとしては、膝まわりの筋力訓練(特に太ももの筋力訓練)が有用です。
しかし、強い痛みがあったり、半月板が関節に挟まりこむ症状や関節に水がたまったりを繰り返す場合には、
漫然とリハビリを繰り返してゆくと、引っかかった半月板により軟骨の損傷などを引き起こすことがあるため、
医師の判断のもと手術を検討します。

 

本当に半月板の痛み??

痛みがない膝を調査した研究があります。痛みがないにも関わらず関節の変形や半月板の損傷が見られます。
「60歳以上では41.7%の方が断裂している」という研究結果もあります。
60歳以上の約半数に半月板の断裂があるにも関わらず、まったく痛みのない無症状の方もいらっしゃります。
このことは痛みの原因が半月板の損傷ではないことがあることを示唆しています。
半月板の治療と並行して膝の周りの筋肉や筋膜きんまくにもアプローチしていくとよいでしょう。

 

 

膝の内側の痛み、腫れ、熱感、ぐらつき(内側側副靭帯損傷)の原因や症状、治療法

内側側副靱帯ってなに?

内側側副靱帯ないそくそくふくじんたいは、膝の内側を支える主要な靱帯じんたいです。
長さ10cm、幅3cmほどの組織で、膝のぐらつきをおさえる役割をしてます。
膝が内側に入りながらすねの骨が外にねじれるのを強力に制動しています。

内側側副靭帯
内側側副靭帯とは

 

内側側副靱帯損傷とは

内側側副靱帯損傷はスポーツ中に多発し、膝の靱帯損傷のなかでは最も頻度が高い疾患です。
損傷の程度によってグレードⅠ~Ⅲに分類されます。
グレードによっては、初期に適切な固定をすれば修復しやすいといわれてます。

膝内側側副靭帯損傷グレード
膝内側側副靭帯損傷のグレード分類

グレードⅠ:動揺性はなく、靭帯部の圧痛や腫脹が主であるもの

グレードⅡ:膝を伸ばした状態では外反動揺性なし
30°曲げた状態では外反動揺性あり

グレードⅢ:膝を伸ばした状態でも、30°曲げた状態でも外反動揺性あり

 

 

症状

  • 膝の内側の痛み、腫れ、熱感
  • 膝のぐらつきや不安定感
  • 関節に血がたまる(急性期)
  • 水がたまる(慢性化)

 

原因

コンタクトスポーツ(ラグビーやアメフトなど)では、膝外側から内側へのタックルされるなどにより、膝の内側に外力がかかり内側に膝が入ったり、またはすねの骨が外側にねじれるように強制されたときに損傷されます。

直接外力が加わらないとき(ノンコンタクト)でも、スキーでの転倒時、ジャンプ着地時などでも発生します。

内側側副靭帯損傷
内側側副靭帯損傷の受傷機転
内側側副靭帯損傷受傷機転
内側側副靭帯損傷の受傷機転



どんな検査をするの?

内側側副靱帯損傷の有無を確認するには、外反がいはんストレステストを行います。
曲げた状態と30゜だけ曲げた状態とで2通り行うことが重要です。
伸ばした状態でも動揺が認められる場合は、より重症度が高く他の靱帯の損傷も合併していると考えられます。

膝関節外反ストレステスト
膝関節外反ストレステスト

 

どんな治療があるの?

  1. 患部の安静・固定・アイシング
  2. 超音波療法
  3. ストレッチ
  4. サポーター・テーピング
  5. 運動療法・リハビリ
  6. インソール療法
  7. 合併損傷の場合は手術

 

テーピング

内側側副靭帯損傷に対するテーピング
内側側副靭帯損傷に対するテーピング① アンカー

①膝の上下アンカーテープ(黒)を巻きます。

内側側副靭帯損傷に対するテーピング 
内側側副靭帯損傷に対するテーピング② スパイラルテープ

②らせん状にスパイラルテープ(赤)を巻きます。

内側側副靭帯損傷に対するテーピング
内側側副靭帯損傷に対するテーピング③ スパイラルテープ

③反対方向にスパイラルテープ(青)を巻きます。

内側側副靭帯損傷に対するテーピング
内側側副靭帯損傷に対するテーピング④ 内側に縦サポートとXサポート

④膝の内側に縦サポート、Xサポート(緑)を貼ります。

内側側副靭帯損傷に対するテーピング
内側側副靭帯損傷に対するテーピング⑤ アンカー

⑤アンカーテープ(黒)を巻いて完成。

 

靴合わせとインソール療法

内側側副靱帯を損傷しやすい方は、knee in – toe outといって膝が内側に入りやすい特徴的な歩き方や走り方をしています。
インソールでバランスを整えることで、悪い動きを良い動きに変えていきます。

詳しくは、オーダーメイドインソールの作製のページをご覧ください。

膝の外側の痛みや腫れ(外側側副靭帯損傷)の原因や症状、治療法

外側側副靱帯ってなに?

外側側副靭帯がいそくそくふくじんたいとは膝の主要な靱帯の一つです。
外側側副靭帯は膝の外側についています。
円筒状の靱帯で太さは5~7㎜程度です。

膝の外側側副靭帯とは
外側側副靭帯とは
膝の外側側副靭帯とは
外側側副靭帯とは

 

外側側副靱帯損傷とは

外側側副靱帯は他の膝の靱帯と比べると損傷されることは少ないものの、
膝を内側からタックルされたり、膝をひねった時、交通事故などで損傷します。
外側側副靱帯が単独で損傷するのはまれで、後外側支持機構こうがいそくしじきこうという領域の損傷を合併します。

外側側副靭帯損傷
外側側副靭帯損傷とは

症状

  • 膝の外側の痛みや腫れ
  • 膝を曲げ伸ばしでの膝の外側の痛み
  • 膝がO脚方向に不安定

 

原因

ラグビーやアメフトなどのコンタクトスポーツでは、膝を内側から外側へ押し込まれるような外力が加わったときに発症します。

外側側副靭帯損傷
外側側副靭帯損傷の原因

 

どんな検査をするの?

外側側副靱帯損傷の有無を確認するには、内反ストレステストを行います。
曲げた状態と30゜だけ曲げた状態とで2通り行うことが重要です。
伸ばした状態でも動揺が認められる場合は、より重症度が高く他の組織の損傷も合併していると考えられます。

外側側副靭帯損傷内反ストレステスト
外側側副靭帯損傷 内反ストレステスト

 

どんな治療があるの?

  1. 患部の安静・固定・アイシング
  2. 超音波療法
  3. ストレッチ
  4. サポーター・テーピング
  5. 運動療法・リハビリ
  6. インソール療法
  7. 合併損傷の場合は手術

 

テーピング

外側側副靭帯損傷に対するテーピング
外側側副靭帯損傷に対するテーピング① アンカー

①アンカーテープ(黒)を巻きます。

外側側副靭帯損傷に対するテーピング
外側側副靭帯損傷に対するテーピング② スパイラルテープ

②らせん状にスパイラルテープ(赤)を巻きます。

外側側副靭帯損傷に対するテーピング
外側側副靭帯損傷に対するテーピング③ スパイラルテープ

③反対向きのスパイラルテープ(青)を巻きます。

外側側副靭帯損傷に対するテーピング
外側側副靭帯損傷に対するテーピング④ 外側に縦サポートとXサポート

④膝の外側に縦サポート、Xサポート(黄色)を貼ります。

外側側副靭帯損傷に対するテーピング
外側側副靭帯損傷に対するテーピング⑤ アンカー

⑤アンカーテープ(黒)を巻いて完成。

 

靴合わせとインソール療法

外側側副靱帯損傷は、他の組織の損傷を合併することが多く、
痛みがとれた後も後遺症として身体のバランスを崩す例が多くみられます。
インソールでバランスを整えることで、悪い動きを良い動きに変えていきます。

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詳しくは、オーダーメイドインソールの作製のページをご覧ください。

 

Writter
麻多 聡史 アルコット接骨院院長、柔道整復師、オーソティックスソサエティ認定フットケアトレーナーマスターライセンス、ペディグラス社認定足爪補正士、3M社認定テーピングマイスター、Smart tools認定IASTMマニュアルセラピスト、FMS ,SFMA