
外反母趾の原因
なぜ親指が曲がってくるのか
外反母趾は、足の親指が人差し指側へ曲がり、親指の付け根が内側に出っ張ってくる状態です。
「ハイヒールを履いたから外反母趾になる」と思われることがありますが、原因はそれだけではありません。
外反母趾は、足の形、関節のやわらかさ、年齢、遺伝、靴の影響、歩き方、足指の使い方など、いくつかの要因が重なって起こります。そのため、外反母趾を考えるときは、親指の曲がりだけでなく、足全体の形、靴の履き方、足裏の体重のかかり方まで見ることが大切です。
外反母趾はなぜ起こるのか
外反母趾では、親指だけが曲がっているように見えます。
しかし実際には、親指の付け根の骨が内側へ開き、親指が人差し指側へ押されることで変形が起こります。
このとき、足の横幅が広がり、靴の中で親指の付け根が圧迫されやすくなります。
また、親指でしっかり踏みにくくなるため、足裏の体重のかかり方が乱れ、足裏の胼胝や中足部の痛み、他の足指の変形につながることもあります。

外反母趾の原因は一つではありません
外反母趾の原因は、大きく分けると「足そのものの要因」と「靴や生活習慣の要因」があります。
足そのものの要因には、遺伝、加齢、女性に多いこと、関節のやわらかさ、足の形、扁平足、開張足などがあります。
靴や生活習慣の要因には、先の細い靴、ハイヒール、足に合わない靴、靴の中で足が前に滑る履き方、足指を使わない歩き方などがあります。
多くの場合、これらが一つだけではなく、複数重なって外反母趾が起こります。

遺伝や家族歴
外反母趾は、家族内でみられることがあります。母親や祖母に外反母趾がある場合、自分も外反母趾になりやすい傾向があります。
これは、足の骨格、関節のやわらかさ、足の形、歩き方の特徴などが似やすいためです。
ただし、遺伝があるから必ず外反母趾になるわけではありません。
靴の選び方や足指の使い方によって、痛みの出方や進行のしやすさは変わります。
女性に多い理由
外反母趾は男性にも起こりますが、女性に多い傾向があります。
その理由として、関節がやわらかい人が多いこと、筋力が低下しやすいこと、先の細い靴やパンプスを履く機会があることなどが関係します。
特に40〜50歳代以降では、足の筋力低下、体重のかかり方の変化、靴の影響が重なり、外反母趾の痛みを感じやすくなることがあります。

関節のやわらかさ
関節がやわらかい人は、足の骨格が不安定になりやすく、親指の付け根に負担がかかりやすくなります。
特に、足の横幅が広がりやすい人では、第1中足骨という親指の付け根の骨が内側へ開きやすくなります。
その結果、親指が人差し指側へ押され、外反母趾が進みやすくなります。
詳しくは「外反母趾と関節の柔らかさについて」のページをご覧ください。

扁平足・開張足
扁平足とは、土踏まずが低くなった状態です。開張足とは、足の横アーチが低下し、前足部の横幅が広がった状態です。
外反母趾では、この開張足が関係していることが多くあります。
前足部の横幅が広がると、親指の付け根の骨は内側へ、小指側の骨は外側へ広がりやすくなります。その結果、親指側では外反母趾、小指側では内反小趾やバニオネットが起こることがあります。
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足の形
足の指の長さや形も、外反母趾に関係することがあります。
たとえば、親指が長い足では、靴の中で親指の先や内側が圧迫されやすくなります。親指が靴に押され続けると、親指が人差し指側へ曲がる力が加わりやすくなります。
ただし、足の形だけで外反母趾が決まるわけではありません。靴の形、歩き方、足指の使い方などが重なることで、症状が出やすくなります。

先の細い靴
先の細い靴は、親指を人差し指側へ押し込みます。この状態で長時間歩くと、親指の付け根に負担がかかり、外反母趾の痛みが出やすくなります。
特に、親指の付け根の出っ張りが靴に当たると、赤く腫れたり、滑液包炎を起こしたりすることがあります。
外反母趾の方では、靴の横幅だけでなく、つま先の形が足に合っているかを見ることが重要です。

ハイヒール
ハイヒールでは、体重が前足部にかかりやすくなります。
さらに、足が靴の中で前に滑りやすくなるため、親指がつま先に押し込まれます。
その結果、親指が外反方向へ押され、親指の付け根への負担が増えます。
ハイヒールを履く機会がある方は、ヒールの高さ、つま先の形、足が前滑りしていないかを確認することが大切です。

幅広い靴を履いても痛い理由
外反母趾では、親指の付け根が痛むため、幅広い靴を選ぶ方が多くいます。
しかし、幅が広すぎる靴が必ずよいわけではありません。靴が大きすぎると、靴の中で足が前に滑り、つま先に足指が押し込まれます。
その結果、親指の付け根や爪、他の足指に負担がかかり、かえって痛みが強くなることがあります。
外反母趾に必要なのは、ただ広い靴ではなく、つま先には余裕があり、甲と踵でしっかり固定できる靴です。
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靴紐を結ばない履き方
靴紐のある靴でも、紐をゆるめたままスリッポンのように履いていると、足は靴の中で前に滑ります。
足が前に滑ると、親指や足指がつま先にぶつかり、外反母趾の痛みが出やすくなります。外反母趾の靴指導では、靴の種類だけでなく、履き方も重要です。
踵を靴の後ろにしっかり合わせ、靴紐やベルトで甲を固定することで、前滑りを防ぎやすくなります。

足指をうまく使えていない
外反母趾では、親指でしっかり踏みにくくなることがあります。
親指が使いにくくなると、足裏の体重のかかり方が乱れ、第2趾や第3趾の付け根に負担がかかりやすくなります。
その結果、足裏に胼胝ができたり、中足部に痛みが出たりします。
また、足指を使わない歩き方が続くと、足の内在筋が働きにくくなり、足のアーチを支える力も低下しやすくなります。

外反母趾は「ハイヒールだけ」が原因ではありません
外反母趾は、ハイヒールや先の細い靴だけが原因ではありません。
男性にも外反母趾は起こります。
また、スニーカーを履いていても、靴のサイズが合っていなかったり、靴の中で足が前滑りしていたり、足指が使えていなかったりすると、外反母趾の痛みが出ることがあります。
つまり、外反母趾は「靴」「足の形」「足指の機能」「歩き方」が重なって起こります。
外反母趾で確認すべきこと
外反母趾の原因を考えるときは、親指の曲がりだけを見るのでは不十分です。
次のような点を確認する必要があります。
- 親指がどの方向に曲がっているか
- 親指がねじれていないか
- 親指の付け根の関節が動くか
- 親指でしっかり踏めているか
- 足裏に胼胝がないか
- 扁平足や開張足がないか
- 靴のサイズが合っているか
- 靴の中で足が前に滑っていないか
- 巻き爪や爪の変形がないか
- 小指側にも痛みがないか
- 他の足指が曲がっていないか
このように、外反母趾は足全体と靴の状態を合わせて確認することが大切です。
外反母趾でお悩みの方へ
外反母趾の痛みは、親指の曲がりだけで起こるとは限りません。
靴の圧迫、歩くときの前滑り、足裏の荷重バランス、足指の使い方、巻き爪、ハンマー趾、内反小趾などが重なって痛みが出ることがあります。
そのため、外反母趾では「どこが痛いのか」「どの靴で痛いのか」「足裏にどのように体重がかかっているのか」を確認することが大切です。
当院の外反母趾外来では、親指の変形だけでなく、靴、インソール、足裏の胼胝、爪、他の足指の変形、歩き方まで含めて確認します。
手術はできれば避けたい、靴を履くと痛い、インソールを相談したい、巻き爪や足裏の痛みもあるという方は、外反母趾外来のページをご覧ください

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この記事を書いた人
アルコット接骨院院長
柔道整復師
フットケアトレーナーマスターライセンス、足爪補正士、テーピングマイスター、IASTMマニュアルセラピスト、FMS 、SFMA、FCS、BPL mentorship program修了、PRIマイオキネマティック・リストレーション、ポスチュラル・レスピレーション、ペルビス・リストレーション、インピンジメント&インスタビリティ修了、脚の長さコーディネーター

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