
外反母趾とハンマートゥ
ハンマートゥは、足指が曲がったままになり、指の関節が浮き上がったり、足指の先が地面や靴に押しつけられたりする変形です。
外反母趾とハンマートゥは、別々の症状に見えます。
しかし、実際には足の横幅の広がり、足裏の荷重バランス、靴の圧迫、足指の使い方によって深く関係しています。
ハンマートゥ・クロウトゥ・マレットトゥとは
親指以外の第2趾から第5趾の変形には、ハンマートゥ、クロウトゥ、マレットトゥがあります。
どの関節が曲がっているかによって、変形の呼び方が変わります。
ハンマー趾は、足指の第2関節が曲がり、足指がハンマーのような形になる変形です。
クロウトゥは、足指の第2関節と第3関節の両方が曲がり、鉤爪のような形になる変形です。
マレットトゥは、足指の先端の関節だけが曲がる変形です。

足指の筋肉バランスが崩れると変形につながります
足指は、足の中にある小さな筋肉(内在筋)と、ふくらはぎから足指につながる大きな筋肉(外在筋)が協調して動いています。この筋肉のバランスが崩れると、足指が曲がった位置で使われ、ハンマー趾やクロウトゥ、マレットトゥにつながります。
原因の一つに、内在筋の機能低下があります。内在筋がうまく働かないと、足指の付け根を安定させる力が低下します。さらに外在筋だけが強く緊張している場合も、足指が過剰に曲がります。
また、サイズの合わない靴を履き続けると、靴の中で足指が曲げられた状態になります。

外反母趾とハンマートゥの関係
外反母趾とハンマートゥは別々の変形ではありません。
外反母趾では、親指でしっかり踏み込みにくくなります。親指で支えられない分、第2趾や第3趾の付け根に荷重が集中します。その結果、第2趾から第5趾が踏ん張るように曲がり、ハンマートゥにつながります。
また、外反母趾では前足部が横に広がる開張足を伴います。横アーチが低下すると、足指の付け根が不安定になります。この不安定性を補うために足指を強く曲げて使うと、ハンマートゥやクロウトゥの変形を進行させます。

ハンマートゥで起こる症状
①足趾の曲がった部分の胼胝
ハンマートゥやクロウトゥでは、足指の曲がった部分が靴に当たります。その結果、足指の上側に痛みや胼胝ができます。
③足指の先端の胼胝
足指の先端が靴底や地面に押しつけられると、足指の先にも胼胝ができます。
③足裏の胼胝
第2趾や第3趾の付け根に荷重が集中すると、足裏に痛みや胼胝ができます。
④爪甲肥厚
爪に圧迫が続くと、爪が厚く硬くなります。これが爪甲肥厚の原因になります。
⑤脱臼・亜脱臼
足指の変形が進むと、足指の付け根の関節を支える組織が弱くなります。その結果、MTP関節の亜脱臼や脱臼につながります。

糖尿病がある方は特に注意が必要
ハンマートゥやクロウトゥは、糖尿病がある方では特に注意が必要です。
足指が曲がることで、靴や地面との圧迫が特定の場所に集中します。そこに感覚低下や血流障害が加わると、皮膚トラブルや足部潰瘍につながります。
糖尿病がある方で、足指の変形、胼胝、爪の肥厚がある場合は、早めに足全体の状態を確認することが重要です。

靴の圧迫が足指の変形を進めます
サイズの合わない靴は、足指の曲がりが強くなり、ハンマー趾、クロウトゥ、マレットトゥにつながります。
小さすぎる靴では、足指が曲げられた状態になります。大きすぎる靴では、靴の中で足が前へ滑ります。足が前へ滑ると、足指が靴の先に押し込まれます。
靴選びでは、つま先のゆとりだけでなく、踵の安定性と甲の固定が重要です。足が靴の中で前へ滑らない状態を作ることが、足指への負担を減らします。

変形が固定する前の対応が重要
ハンマートゥ、クロウトゥ、マレットトゥは、初期であれば足指がまだ動きます。
この段階では、靴の見直し、インソール、メタタルザルパッド、除圧パッド、足指の運動によって負担を減らすことが重要です。
一方で、変形が固定されると、足指を手で伸ばしても戻りにくくなります。固定された変形では、保存的な対応だけでは改善が難しくなります。
足指の痛み、胼胝、爪の肥厚、足裏の痛みをくり返す方は、早めに足と靴の状態を確認することが大切です。
シリコン足趾間保護パッド
オトーゼとは
オトーゼとは、足指の変形や足指同士の圧迫から皮膚や爪を守るためのシリコン製保護パッドです。
外反母趾、内反小趾、ハンマートゥ、クロウトゥなどがあると、足指同士がぶつかりやすくなります。
足指が擦れたり、圧迫されたりすると、胼胝、鶏眼、巻き爪、爪甲肥厚、爪の変形につながります。
オトーゼは、足指と足指の間に入れることで、接触や圧迫を減らし、痛みの軽減と再発予防を目的に使用します。

一人ひとりの足指に合わせて作製
オトーゼは、市販の既製品パッドとは異なります。
足指の形、変形の程度、圧迫されている場所、胼胝や鶏眼の位置、靴を履いたときの当たり方を確認し、その方の足に合わせて作製します。
素材には、足指にやさしくフィットする特殊なシリコンを使用します。
硬すぎるパッドは、かえって圧迫を強めます。柔らかすぎるパッドは、足指を保護する力が不足します。そのため、足指の状態に合わせて、厚み、硬さ、形を調整することが重要です。

靴を大きくするだけでは解決しない
ハンマー趾や爪甲肥厚がある方は、痛みを避けるために大きめの靴を選ぶことがあります。
しかし、大きすぎる靴は解決になりません。
靴の中で足が前へ滑ると、足指が靴の先に押し込まれます。その結果、足指の曲がりが強くなり、爪や胼胝への負担が増えます。
必要なのは、大きい靴ではなく、足に合った靴です。踵をしっかり支え、甲を固定し、つま先に適度な余裕がある靴を選ぶことが大切です。

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この記事を書いた人
アルコット接骨院院長
柔道整復師
フットケアトレーナーマスターライセンス、足爪補正士、テーピングマイスター、IASTMマニュアルセラピスト、FMS 、SFMA、FCS、BPL mentorship program修了、PRIマイオキネマティック・リストレーション、ポスチュラル・レスピレーション、ペルビス・リストレーション、インピンジメント&インスタビリティ修了、脚の長さコーディネーター

外反母趾外来について






