
巻き爪のテーピングの方法
痛みを和らげる貼り方と注意点

巻き爪で爪の端が皮膚に食い込み、歩くと痛い。靴を履くと痛い。
このようなときに、自宅でできる応急処置のひとつが巻き爪のテーピングです。
テーピングでは、爪そのものを持ち上げるのではなく、爪に当たっている皮膚をテープで引き離します。
爪と皮膚の間にスペースを作ることで、爪が皮膚を圧迫する力を減らし、痛みを軽減する方法です。

テーピングを試してもいい症状
歩いても痛くないが爪の横を押したら痛い
靴を履いたときだけ爪の横が痛む
数日前から痛い(長期の痛みではない)
爪の端に軽い違和感がある
爪の湾曲が軽度で、皮膚を引き下げると痛みが減る
出血・化膿・肉芽がなく、強い炎症もない
巻き爪のテーピングとは?
巻き爪のテーピングは、爪の横にある皮膚を爪から引き離す方法です。
巻き爪や陥入爪では、爪の端と皮膚が強く接触すると、歩行や靴の圧迫によって痛みが出ます。そこでテープを使って皮膚を爪から離し、接触を減らします。
日本創傷外科学会でも、テーピング法は爪が皮膚に食い込まないようにする「保護法」のひとつとして紹介されています。
一方、プレート法やワイヤー法などは、巻いている爪の弯曲を平らにする「爪矯正法」に分類されています。
つまり、
テーピング:皮膚を爪から離す
巻き爪矯正:爪を皮膚から持ち上げる
という違いがあります。

巻き爪テーピングが向いている状態
テーピングは、次のような比較的軽い症状に適しています。
- 爪の横が皮膚に当たって痛い
- 爪の横を押すと痛い
- 靴を履いたときに痛い
- 長時間歩くと痛い
- 爪の端に軽い違和感がある
- 巻き爪矯正を受けるまで一時的に痛みを軽減したい
特に、爪と皮膚が接触したときに痛みが出るタイプでは、皮膚を爪から離すことで負担を減らせます。
ただし、強い炎症や化膿がある状態には適していません。

テーピングをせず医療機関を受診した方がよい状態
次のような症状がある場合は、自分でテーピングを続けず、皮膚科や形成外科などの医療機関を受診してください。
- 出血している
- 膿が出ている
- 強く赤く腫れている
- ジュクジュクしている
- 肉芽ができている
- 何もしていなくても強く痛む
- 炎症が広がっている

巻き爪テーピングに必要なもの
巻き爪のテーピングには、皮膚にしっかり密着するテープを使用します。当院では、ニチバンの防水絆創膏「シアテープ」を使っています。テープが剥がれやすいと、皮膚を十分に引き下げることができません。貼る前に足を洗い、皮膚の汗や水分をしっかり拭き取ってください。

汗をかく、蒸れるなどテープが剥がれやすい場合にはアルケアの粘着性伸縮包帯「シルキーテックス(1号)」をおすすめします。ただし粘着力が少し強いので、テープを剥がす時はお気をつけください。


ニチバン シアテープは、伸縮性のあるやわらかなフィルムが指先の動きにしなやかにフィットし、防水性があるため水仕事にも使用できる、目立ちにくい半透明ベージュカラーのテープです。

アルケア シルキーテックス・Hは、屈曲部位にもフィットする伸縮性と安定した粘着力を備え、長時間貼っても剥がれやズレが少なく、粘着面全体のミクロな通気口によって高い通気性を確保したテープです。
巻き爪テーピングの方法
ここから実際の貼り方を説明します。
テープは強く締め付けるために使用するものではありません。
爪の横の皮膚を、爪から離す方向へ動かすことがポイントです。
① 爪の横ぎりぎりにテープを貼る
まず、痛みがある側の爪のすぐ横の皮膚にテープの端を貼ります。
爪の上ではなく、爪に接している皮膚に貼ってください。
最初の部分が剥がれると十分に皮膚を引くことができないため、テープの端を皮膚にしっかり密着させます。

② 皮膚を爪から離す方向へ引く
テープを貼ったら、テープを引きながら爪の横の皮膚を外側・下方向へ引きます。
皮膚を爪から離すことが目的です。
爪と皮膚の間に少しスペースができれば十分です。必要以上に強く引っ張る必要はありません。

③ 指の腹側でテープを固定する
皮膚を引き下げた状態で、テープを指の腹側まで貼ります。
皮膚を引くためにテンションをかけるのはここまでです。
その先は強く引っ張らず、皮膚の上に沿わせるように貼ります。

④ 反対側にも同じように貼る
反対側の爪も皮膚に当たっている場合は、同じ方法でテープを貼ります。
片側だけが痛い場合は、症状のある側だけに行います。


⑤ 爪の先端が皮膚に当たる場合
爪の先端が皮膚に食い込んでいる場合は、指先の皮膚を下方向へ引く方法もあります。

テープを指先にU字状に当て、指先の皮膚を爪から離す方向へ引き下げます。このときも、強く締め付ける必要はありません。爪の先端と皮膚の接触を減らすことが目的です。

⑥ 仕上げ
最後は、1〜3本目のテープが剥がれないようにするテープです。ゆびの根元に1周巻きます。これをしておかないと歩いているうちに靴下などと擦れてテープが剥がれてきてしまいます。

巻き爪テーピングの注意点
テープをきつく巻かない
テープを剥がれにくくするために固定する場合でも、指を強く締め付けないでください。
強く巻くと血流を妨げる原因になります。
貼った後に、
- 指先が白くなる
- 紫色になる
- しびれる
- 脈打つように痛む
- 締め付け感が強い
といった変化があれば、すぐにテープを外してください。

強く引っ張りすぎない
強く引けば効果が高くなるわけではありません。
必要なのは、爪と皮膚の接触を減らす程度の力です。

皮膚に赤みやかゆみが出たら外す
テープの粘着剤によって、皮膚がかぶれる場合があります。
赤み、かゆみ、湿疹、ヒリヒリ感が出た場合は使用を中止してください。

濡れたり汚れたりしたテープを貼り続けない
汗や水分でテープが浮くと、皮膚を引く力が弱くなります。
濡れたり、汚れたり、剥がれてきた場合は交換してください。

化膿や肉芽がある場所に貼らない
膿、出血、肉芽がある場合はテープが十分に密着しません。
傷口にテープを貼ることで皮膚を刺激する場合もあります。
このような状態ではセルフケアを続けず、医療機関を受診してください。

テーピングの限界
「の」の字のように強く巻いている巻き爪、爪の先端が内側へ折り返している巻き爪、爪の先が先細るように高度に巻いている巻き爪では、テーピングだけでは十分な効果が得られません。

テーピングで変えているのは皮膚の位置です。皮膚を爪から引き離すことで、爪と皮膚の接触を減らします。
一方、強く巻いた爪そのものを平らにしているわけではありません。
そのため、
- テープを貼っているときだけ楽になる
- テープを外すとまた痛くなる
- 毎日のようにテーピングが必要になる
- 爪の湾曲が強く、皮膚を引き下げても爪が当たる
という場合は、テーピングだけで対応を続けるのではなく、巻いている爪そのものを持ち上げる巻き爪矯正を検討した方がよいでしょう。
テーピングだけでは改善しない場合
テーピングは、爪と皮膚の接触を減らすための応急処置です。テープを外すと痛みが戻る場合は、巻いている爪の形が残っています。
当院では、透明なプレートを爪に装着し、巻いている爪を持ち上げる巻き爪矯正を行っています。金属やワイヤーは使用しません。

深爪が原因の場合は爪をさらに短く切らない
「爪が刺さって痛いから」と、痛い部分をさらに短く切るのは避けてください。
深く切ると一時的に爪が皮膚から離れ、痛みが軽くなる場合があります。しかし、爪が伸びてくると短く切った爪の角が再び皮膚に当たり、痛みを繰り返す原因になります。
特に、爪の角だけを斜めに深く切ると、爪の端に鋭い「爪棘」が残る場合があります。巻き爪や陥入爪では、痛いから切ることを繰り返さないことが重要です。

靴による圧迫も確認
テーピングをしても、靴の中で爪が強く圧迫されていれば痛みは続きます。
次のような靴は、爪や指先への負担を増やします。
- つま先が細い靴
- サイズが小さい靴
- 足が前に滑る大きすぎる靴
- 指先に余裕がないパンプス
- 爪の上を強く押さえる靴
巻き爪の痛みを繰り返す場合は、爪だけでなく靴のサイズや履き方も確認してください。

テーピングをしても痛みを繰り返す方へ
巻き爪テーピングは、自分でできる便利な方法です。しかし、テーピングの役割は爪と皮膚の接触を一時的に減らすことです。巻いている爪そのものを矯正する方法ではありません。
次のような状態であれば、一度爪の状態を確認することをおすすめします。
- テープを外すとすぐ痛くなる
- 毎日のようにテーピングしている
- 数か月以上痛みを繰り返している
- 爪の湾曲が強くなってきた
- 爪が切りにくい
- 靴を履くたびに痛い
- 深爪を繰り返している
当院の巻き爪専門外来では、透明なプレートを使用した巻き爪矯正を行っています。
金属やワイヤーを使用せず、爪の表面に透明なプレートを装着して巻いている爪を持ち上げます。
巻き爪だけでなく、深爪による陥入爪、親指以外の巻き爪などにも対応しています。

施術方法、料金、症例、通院の目安については、巻き爪専門ページで詳しく説明しています。

よくある質問
Qテーピングをすれば巻き爪は治りますか?
テーピングは巻いている爪そのものを平らにする方法ではありません。
爪に当たっている皮膚を引き離し、爪と皮膚の接触を減らすために行います。
爪の湾曲を改善する場合は、プレート法やワイヤー法など爪そのものに対する矯正方法が必要です。
Qテーピングをするとすぐに痛みは軽くなりますか?
痛みの原因が爪と皮膚の接触であれば、皮膚を爪から離した時点で負担が軽くなる場合があります。
痛みが変わらない場合や強くなる場合は、無理に続けないでください。
Qテープはどのくらい強く引っ張ればいいですか?
爪の横の皮膚が爪から離れる程度で十分です。
強く引っ張ったり、指全体を締め付けたりする必要はありません。
Q毎日テーピングしてもいいですか?
皮膚に赤み、かゆみ、傷などがなければ使用できます。
ただし、毎日のようにテーピングをしなければ痛みが出る状態では、巻いている爪そのものへの対応を検討してください。
Q化膿していてもテーピングできますか?
化膿、出血、肉芽、強い腫れがある場合はテーピングを行わず、皮膚科や形成外科などの医療機関を受診してください。
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この記事を書いた人
アルコット接骨院院長
柔道整復師
フットケアトレーナーマスターライセンス、足爪補正士、テーピングマイスター、IASTMマニュアルセラピスト、FMS 、SFMA、FCS、BPL mentorship program修了、PRIマイオキネマティック・リストレーション、ポスチュラル・レスピレーション、ペルビス・リストレーション、インピンジメント&インスタビリティ修了、脚の長さコーディネーター






