女性が歩いている様子

巻き爪は歩き方が原因?
足のタイプ別に見る原因や症状

「巻き爪の原因は歩き方が悪いからですか?」

巻き爪の相談を受けていると、よく聞かれる質問です。結論からいうと、悪い歩き方は巻き爪の原因の一つです。特に重要なのが、歩くときに足の指を使えているかです。

このページでは、巻き爪と歩き方の関係を、

  • タイプ① 関節が柔らかいタイプ
  • タイプ② ハイアーチタイプ
  • タイプ③ 拘縮タイプ
  • タイプ④ 筋力不足タイプ

の4タイプに分けて解説します。

歩き方と巻き爪の関係2

巻き爪と歩き方の関係は?

歩くとき、足には地面から力が加わります。

正常な歩行では、踵から前足部、最後に母趾へ体重が移り、足趾で地面を押して身体を前へ進めます。このとき足趾に加わる地面からの力が、爪が巻くのを抑える働きをします。

若者の歩行と爪への影響を示したイラスト

ところが、

  • 足趾が地面についていない
  • 母趾で蹴り出せていない
  • 足の外側に体重が偏っている
  • すり足になっている
  • 靴の中で足が動いている

といった歩き方では、足趾に十分な力が加わりません。

さらに、足趾をうまく使えないと、足を捻るように蹴り出し、床や靴から偏った力を受けることもあります。

そのため、足趾を正しく使えているかは、巻き爪を考えるうえで重要なポイントです。

高齢者の歩行と爪への影響を示したイラスト

巻き爪は「爪だけ」を見ない

巻き爪を見ると、どうしても爪の形だけに目が向きます。

しかし重要なのは、「なぜこの爪がこの形に巻いたのか」まで考えることです。

同じ巻き爪でも、

  • 足が内側へ大きく倒れている人
  • 足の外側ばかりで歩いている人
  • 足趾をほとんど使っていない人
  • 足関節や足趾の関節が硬い人

では、足にかかっている力が異なります。

足の裏にできたタコや魚の目も重要な情報です。角質ができている場所を見ることで、歩いたときにどこへ繰り返し圧力や摩擦が加わっているのかを推測できます。

当院でも巻き爪を確認するときは、爪だけではなく、足の形、足趾の動き、靴、立ち方、歩き方まで確認します。

足が内側へ大きく倒れている人足の外側ばかりで歩いている人足趾をほとんど使っていない人足関節や足趾の関節が硬い人のイラスト

足の柔軟性、アーチの高さ、関節の動き、筋力や足趾の使い方によって、歩き方は変わります。

ここでは巻き爪との関係を考えやすい4つのタイプに分けて説明します。

① 関節が柔らかいタイプ

足の形状

関節が柔らかく、立ったときや歩いたときに足が内側へ倒れやすいタイプです。踵の外反、外反母趾、扁平足などを伴う場合があります。歩くときに足が内側へ大きく倒れると、母趾にも偏った力が加わります。

踵骨外反、外反母趾、足の甲が低い、扁平足、快調速、ハンマートゥのイラスト

足のトラブル

蹴り出しの際に、母趾の指腹で正しく地面を押すのではなく、母趾球や母趾の内側で地面を蹴るため、母趾内側の胼胝、母趾球部の胼胝、第2・3趾MTP関節部の胼胝、第2趾先端部の胼胝や肥厚爪がみられるのが特徴です。

母趾内側・母趾球部・第2・3趾・第2趾の胼胝

巻き爪の特徴

このタイプでは、母趾の片側が強く巻くホチキス型の巻き爪がみられます。外反母趾があると母趾そのものの向きも変わります。さらに靴を履くことで、爪や爪の周囲へ横方向から圧迫が加わる場合もあります。

片側だけのホッチキス型の巻き爪の写真

このタイプの特徴

  • 踵が外側へ倒れている
  • 土踏まずが低くなる
  • 外反母趾がある
  • 内反小趾がある
  • 足の関節が柔らかい
  • 歩くと足が内側へ倒れる
  • 母趾の爪が片側だけ強く巻いている

② ハイアーチタイプ

足の形状

土踏まずが高く、足が外側へ傾きやすいタイプです。足の甲が高い凹足(ハイアーチ)傾向があり、関節や筋肉が硬い方にもみられます。

足が内側へ十分に動かず、歩くときに体重が小趾側へ偏ります。そのため、母趾への踏み込みが弱くなります。

踵骨内反、内反小趾、第4趾・小趾のハンマートゥ、ハイアーチ

足のトラブル

アーチが高く硬い足では、母趾球部の胼胝、小趾球部の胼胝、小趾中足骨基部の胼胝、第4・5趾間の鶏眼がみられます。

足が外側へ偏りやすく、足趾に十分に体重を乗せにくいため、特に小趾球部に胼胝ができやすいのが特徴です。

母趾球の胼胝、小趾球の胼胝、小趾中足骨底の胼胝、第4・5趾間の鶏眼のイラスト

巻き爪の特徴

このタイプでは、母趾の左右が内側へ巻き込むトランペット型の巻き爪がみられます。

トランペット状に巻いた爪の写真

このタイプの特徴

  • 土踏まずが高い
  • 足の甲が高い
  • 踵への荷重が強い
  • 足の外側で歩いている
  • 小趾側にタコや魚の目がある
  • 内反小趾がある
  • 母趾で地面を踏み込めていない

③ 拘縮タイプ

足の形状

足趾や足関節などの関節が硬くなり、足全体の動きが小さくなったタイプです。中高年以上の方に多く、ハンマートゥなどの足趾変形を伴う場合があります。歩くときは重心が後ろに残り、すり足になりやすく、歩行速度も低下します。足趾が十分に動かないため、正常な蹴り出しも行いにくくなります。

ハンマートゥ、IP外反母趾、強剛母趾のイラスト

足のトラブル

膝が外向きの、いわゆるがに股で歩くため、体重が足の外側へ流れやすいのが特徴です。

そのため、第3〜5趾先端の胼胝、母趾の付け根の胼胝、小趾球部の胼胝、小趾中足骨基部の胼胝がみられます。

第3~5趾先端の胼胝、母趾根元の胼胝、小趾球の胼胝、小趾中足骨底の胼胝のイラスト

巻き爪の特徴

このタイプでも母趾への踏み込みが弱くなり、トランペット型の巻き爪がみられます。また巻き爪だけではなく、肥厚爪や鉤状に変形した爪を伴う場合もあります。

トランペット状の巻き爪、肥厚爪、鉤状爪の写真

このタイプの特徴

  • 足趾の関節が曲がったまま硬い
  • ハンマートゥがある
  • 足首の動きが少ない
  • すり足で歩く
  • 歩く速度が遅い
  • 足趾の先端にタコや魚の目がある
  • 爪が厚くなっている

④ 筋力不足タイプ

足の特徴

運動不足や靴の選び方・履き方などによって、足趾をうまく使えていないタイプです。歩くときに足が十分に上がらず、地面をペタペタと踏むような歩き方や、引きずるような歩き方になります。足趾を使った蹴り出しも少なくなります。

浮き指やハンマートゥを伴う場合もあります。

タイプ④ 筋力不足タイプの特徴

足のトラブル

間違った靴の選び方や履き方、極端な運動不足によって、足指の働きが低下しているタイプです。

靴の中で足がずれる、足を引きずる、前足部から着地するといった歩き方により、胼胝や鶏眼ができやすいのが特徴です。また、全身の筋力をうまく使えていないため、足が上がらずペタペタと歩く、足を引きずる、腕をあまり振らないといった歩き方がみられます。

第2〜4 趾MP関節 の鶏眼・胼胝のイラスト

巻き爪の特徴

このような足趾を使わない歩き方では、トランペット型の巻き爪がみられます。母趾だけではなく、第2趾以降の爪が巻く場合もあります。

また、細い靴による持続的な圧迫でも爪が巻きます。この場合は爪が巻くだけでなく、厚くなる場合もあります。

第1〜5趾全ての指が巻き爪になっている写真

このタイプの特徴

  • 足の指が地面についていない
  • 浮き指がある
  • 歩くときに足を引きずる
  • ペタペタと足裏全体で着地する
  • 腕をあまり振らない
  • 第2〜4趾の付け根にタコや魚の目がある
  • 複数の足趾の爪が巻いている

4タイプと巻き爪の特徴

タイプ足の特徴歩き方・荷重の特徴みられやすい爪の特徴
タイプ① 関節が柔らかいタイプ足が内側へ倒れやすい。外反母趾・扁平足を伴いやすい歩行時に足が内側へ倒れ、母趾に偏った力がかかるホチキス型巻き爪
タイプ② ハイアーチタイプ土踏まずが高く、足が外側へ偏りやすい小趾側に荷重が偏り、母趾への踏み込みが弱いトランペット型・ホチキス型巻き爪
タイプ③ 拘縮タイプ足趾や足関節が硬く、ハンマートゥなどを伴いやすいすり足になりやすく、母趾での蹴り出しが弱いトランペット型巻き爪・肥厚爪・鉤状爪
タイプ④ 筋力不足タイプ足趾をうまく使えず、浮き指を伴いやすい足を引きずる、ペタペタ歩くなど足趾を使った蹴り出しが少ない全ての指のトランペット型巻き爪

※実際の足は、必ずどれか1つのタイプに分かれるわけではありません。「関節が柔らかい+筋力不足」など、複数のタイプの特徴が重なっている場合もあります。

巻き爪のタイプ

巻き爪は、その形から大きく2つに分けて考えることができます。

トランペット型巻き爪

爪の左右がほぼ均等に内側へ巻いていくタイプです。

母趾への踏み込みが弱い状態や、足趾を使わない歩き方でみられます。

特に、

  • タイプ② ハイアーチタイプ
  • タイプ③ 拘縮タイプ
  • タイプ④ 筋力不足タイプ

でみられます。母趾だけでなく、ほかの足趾の爪が巻いている場合もあります。

丸く巻いた巻き爪を正面から見た写真

ホッチキス型巻き爪

爪の片側、または左右がホチキスの針のように強く折れ曲がるタイプです。

足が内側へ倒れる場合でも、外側へ傾く場合でもみられます。

特に、

  • タイプ① 関節が柔らかいタイプ
  • タイプ② ハイアーチタイプ

でみられます。

爪の端が強く巻いた巻き爪の写真

歩幅が狭くなると母趾に体重が乗りにくくなる

歩行の後半では、股関節が伸びて身体が支持脚より前方へ移動し、最後に母趾や足趾へ体重が乗って蹴り出します。

しかし、歩行後半で股関節が十分に伸展せず、後ろの歩幅が小さくなると、身体を前方へ運ぶ動きが減り、母趾まで十分に体重を移しにくくなります。

その結果、母趾が地面から受ける力が少ない状態が続き、爪の左右が内側へ巻き込むトランペット型巻き爪につながる要因の一つになると考えられます。

高齢になると、股関節や足関節の動きの低下、筋力低下、すり足などによって歩幅が狭くなり、特に歩行後半の動きが小さくなります。さらに活動量が減ることで、母趾や足趾を使う機会も少なくなります。

このような「歩幅の低下 → 母趾への荷重低下 → 足趾を使わない歩行」が、高齢者で巻き爪がみられやすくなる背景の一つと考えられます。ただし、高齢者の巻き爪には歩き方だけでなく、爪の肥厚、靴による圧迫、足の変形、活動量の低下など複数の要因が関係します。

足趾を使わない歩行のイラスト

巻き爪は歩き方を変えれば治る?

  • 爪が「の」の字のように強く巻いている
  • 爪の端が大きく折れ込んでいる
  • 爪の角が皮膚に刺さっている
  • 歩くと強い痛みがある
  • 何度も同じ場所が痛くなる

といった場合は、歩き方だけではなく爪そのものへの対応が必要です。

巻き爪矯正を行ったあとも、同じ足の使い方や同じ靴を続けていれば、再び爪に負担がかかります。そのため当院では、必要に応じて爪だけでなく、足、靴、歩き方も確認しています。

歩き方だけでなく「靴」も確認

歩き方と靴は切り離して考えることができません。

どれだけ歩き方を意識しても、靴の中で足が前へ滑っていたり、つま先が強く圧迫されていたりすると、正常に足趾を使うことができません。

特に確認したいのが、

  • つま先が細すぎないか
  • 靴が小さすぎないか
  • 逆に大きすぎて足が前へ滑っていないか
  • 紐やベルトで足を固定できているか
  • 爪の上から靴が強く当たっていないか

という点です。

巻き爪を繰り返している場合は、歩き方だけではなく靴のサイズや履き方も見直してください。

足の使い方が足裏や爪に現れる

足裏や爪には普段の足の使い方が表れます

たとえば、

  • 小趾側にタコがある
  • 母趾の横に強い角質がある
  • 第2〜4趾の付け根に魚の目がある
  • 足趾の先端にタコがある
  • 爪の片側だけが強く巻いている
  • 複数の足趾が巻き爪になっている

といった変化は、どこに負担が集中しているかを考えるヒントになります。

巻き爪を繰り返している場合は、爪だけでなく、足の形や足趾の使い方、歩き方まで確認することが大切です。

まとめ

巻き爪には、歩き方や足の使い方も関係します。

特に、足が内側・外側へ偏る、母趾への踏み込みが弱い、足趾や足関節が硬い、足趾を使わず歩くといった状態は確認したいポイントです。

ただし、巻き爪の原因は歩き方だけではありません。爪の切り方、靴、足の形、関節の動きなども含めて考えることが重要です。

当院では巻き爪の形だけでなく、必要に応じて足の形、足趾の動き、靴、立ち方、歩き方まで確認しています。

巻き爪矯正の写真

施術方法、料金、症例、通院の目安については、巻き爪専門ページで詳しく説明しています。

よくある質問

Q
歩き方が悪いと巻き爪になりますか?

A

Q
巻き爪は歩き方を直せば治りますか?

A

Q
巻き爪予防のために親指で強く蹴って歩いた方がいいですか?

A

Q
浮き指と巻き爪は関係ありますか?

A

Q
巻き爪で歩くと痛いときも歩いた方がいいですか?

A

Q
巻き爪を繰り返しています。どうしたらいいですか?

A
麻多 聡史
院長

この記事を書いた人

アルコット接骨院院長
柔道整復師
フットケアトレーナー・足爪補正士として足・爪領域に19年間従事。テーピングマイスター、IASTMマニュアルセラピスト、FMS 、SFMA、FCS、BPL mentorship program修了、PRIマイオキネマティック・リストレーション、ポスチュラル・レスピレーション、ペルビス・リストレーション、インピンジメント&インスタビリティ修了、脚の長さコーディネーター

    金沢巻き爪専門外来アルコットプラスロゴ

    〒920-0942 石川県金沢市小立野3丁目24-12

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