巻き爪のメカニズム
爪はもともとストロー状に丸まろうとする性質をもっています。
それに対して、歩いているときの地面からの反力が、丸まろうとする爪を押し返してくれます。
つまり、巻き爪にならないためには、足のゆびがしっかりと地面についていて蹴り出すことが必要です。

正常な爪では、爪が丸まろうとする力と地面から押し返す力が釣り合っています。巻き爪になるケースでは、爪が丸まろうとする力が押し返す力より大きくなる場合、または巻く力がそれほどではなくても押し返す力が弱くなってしまう場合があります。

爪が丸まろうとする力が押し返す力より大きくなる場合というのは、爪の乾燥、水虫などの爪疾患、靴による圧迫など爪に丸まろうとする力が大きく加わる場合をいいます。
押し返す力が弱くなってしまう場合というのは、浮き趾や外反母趾、大きすぎる靴、運動不足、寝たきりなどにより足趾に体重が乗りにくくなることで起こります。この場合、爪にそれほど外力がかからなくても起こるため自覚することが難しいことがあります。

巻き爪になると痛みが出ます。痛みをかばうために足への荷重を避けるぎこちない歩き方になってしまいます。大きめの靴を履くようになることもあります。大きめの靴を履くと、靴の中で足が前に滑ってしまい爪にダメージを与えたり体重がしっかりと乗らないこともあります。このようなことが巻き爪をさらに悪化させてしまいます。
こうして巻き爪による悪循環が起こってしまいどんどんと症状を進行させてしまいます。

なぜ巻き爪になるの?
では、巻き爪の原因となるものを一つ一つ掘り下げていきましょう。
足に合っていない窮屈な靴やつま先の細いヒール靴は爪が圧迫されて巻き爪の原因になります。逆に大きめの靴は、靴の中で足が前に滑ってしまい同じように爪が圧迫されてしまいます。


間違った爪切りの方法は、爪が皮膚の中に落ち込んでしまい巻き爪や陥入爪の原因になります。

爪白癬(爪の水虫)になると、爪は分厚くなり巻いてくる傾向にあります。爪白癬は痛みがないので気づくのが遅れて巻き爪が進行してしまいます。
肥満や妊娠が原因で体重が急激に増加すると、指先に無理な圧迫が加わり巻き爪や陥入爪の原因になります。
肥満や妊娠でお腹が出てくると後方重心になりやすく、かかとに体重が乗り足のゆびが浮いてしまう(浮きゆび)ことも原因として考えられます。

妊娠・出産と巻き爪の関係
妊娠中や出産後に急増する巻き爪。そのメカニズムについて解説します。

爪が割れたり剥がれたりすると巻き爪や陥入爪になりやすくなります。また、サッカーなどで指先に激しい負荷をかけすぎると爪の周囲で炎症が起こり巻き爪の原因になります。

爪の形状そのものが原因になることもあります。爪が薄くて柔らかい方も巻き爪になりやすくなります。家族で巻き爪の方がいる場合は注意が必要です。
爪は肌と同様に年をとるごとに乾燥し厚く硬くなります。乾燥すると爪自体が縮み丸まってしまうため、巻き爪のリスクが高まります。また、高齢になると変形性膝関節症や外反母趾の方も増え、正しく足のゆびに体重がかからないため巻き爪を助長してしまいます。
