偽痛風とは
「偽痛風」は、「痛風」と症状は似ていますが、異なる疾患です。
「痛風」は尿酸塩の結晶が関節に沈着し炎症を起こします。
それに対して「偽痛風」はピロリン酸カルシウムの結晶によって起こる炎症です。
とくに膝に多くみられます。60歳以降に多く認められ、男女差はありません。
偽痛風とは
痛風とはどう違う?
痛風と偽痛風は次のような違いがあります。
偽痛風の症状
- 関節の炎症症状(はれ、痛み、発赤、熱感など)
- 前兆なく、関節または関節周囲が赤く腫れる
- 半数以上が膝に症状が出る(手や足首に症状がでることもある)
- 発熱、体重減少などの全身症状を伴うこともある
偽痛風の原因
ピロリン酸カルシウムの結晶が関節のなかの軟骨に沈着し、炎症が起こるとされています。
ほとんどが原因は不明です。
加齢によって軟骨の傷んだ部分に結晶が沈着しやすいことも関係があるといわれています。
偽痛風の検査
病院で血液検査をして、炎症反応がみられます。
レントゲン検査で軟骨や半月板に石灰化が認められますが、骨自体は破壊されません。
関節のなかの水を抜いて検査して、ピロリン酸カルシウムの結晶があると、偽痛風と診断されます。
偽痛風の経過
命を左右する疾患ではありません。ほとんどの場合、予後は良好です。
しかし、高齢者の発症が多いため、高齢者特有の骨のもろさが影響して関節が破壊されたり、軟骨が傷んだりします。(変形性関節症)
偽痛風の治療法
- 患部の安静(体重をかけない)、杖の使用、減量
- 超音波療法
- 温熱療法
- ストレッチ
- 筋力トレーニング
- インソール療法
- 病院で薬や注射、場合によっては手術
筋力トレーニング
こちらのページに詳しく記載してあります。
詳しくは、変形性膝関節症のページをご覧ください。
特徴的な歩き方
こちらのページに詳しく記載してあります。
詳しくは、変形性膝関節症のページをご覧ください。
靴合わせ・インソール療法
歩いているときの膝の痛みは、膝の外側へのぐらつきが原因で起こります。
膝の軟骨がいたんでしまうと、骨と骨のかみ合わせが悪くなり、さらに外側へのぐらつきがひどくなります。
靴とインソールで悪い動きを修正すると、痛みの軽減も早く、進行予防にも効果的です。