✔ 前かがみ動作
✔ 重い荷物を持ち上げる
✔ 長時間の座位
椎間板ってなに?
人間の背骨は、24個の骨で構成されています。そして、その骨と骨の間には、「椎間板」とよばれる軟骨があり、クッションの役割をしています。
さらに、椎間板は、繊維輪(まわりの硬い部分)と、髄核(中心部分)で構成されています。
椎間板ヘルニアの症状
- 最初は腰痛が現れ、その後片側の足の痛み・しびれが出てくる
- 重い物を持ったときなど、急に腰痛が出現する場合や徐々に腰痛が起きる場合がある
- 太ももからふくらはぎ、すね、足にかけて電気の走るような痛みやしびれ
- ほとんどは片側
- 咳やくしゃみで増悪する
- 筋力低下(膝折れやスリッパが脱げるなど)
- 排尿・排便の感覚がわからなくなる(緊急に対処しなければならない)
椎間板ヘルニアの原因
椎間板が年齢とともに変性すると、水分の含有量が減少してきます。
水分を失い弾力性の低下した椎間板にひねりなどが繰り返し加わることで線維輪に亀裂が入ると考えられています。
椎間板ヘルニアは、あるひとつの原因で起きるわけではなく、いろいろな因子が影響して発症します。
重労働・喫煙などの環境因子や遺伝的因子の影響があると考えられています。
椎間板ヘルニアで腰痛はなぜ起こるの?
線維輪表面は椎骨洞神経という神経が支配しています。
椎間板に何らかの刺激が加わった場合、背中方向へ向かう神経を通じて腰の周辺の筋肉や皮膚に痛みを送ります。
また、傷んでいない椎間板の内部は神経の分布はありません。
しかし椎間板が損傷を受けると、修復される過程で誤って血管と神経が椎間板の中に入り込んでしまいます。
そうすると椎間板内の炎症を感知して、慢性腰痛の原因となってしまいます。
腰痛の現れ方
椎間板の神経支配
椎間板ヘルニアの検査
問診で痛みの出方や程度を確認します。
筋肉の萎縮や筋力低下の有無、腱反射やSLRテスト、FNSテストという特殊な検査をして腰椎のどの骨と骨の間で神経が圧迫されているかを調べます。
足に力が入らない、排尿・排便障害があるなどの症状の場合は、早急に病院でMRIなどの精密検査が必要となります。
椎間板ヘルニアの症状が出る部位はさまざま
腰椎は5つの骨で構成されます。
どの骨と骨の間の椎間板がヘルニアを起こしていて、どの神経を圧迫しているかによって現れる症状が異なります。
最も多いのは、腰椎の4番目と5番目の間のヘルニアです。
感覚麻痺の部位
椎間板ヘルニアの治療
- ぎっくり腰のような急性のものは安静が必要、コルセットなど
- 愛護的なストレッチ・マッサージ
- 筋力トレーニング
- 坐骨神経の滑走エクササイズ
- 電気治療・温熱治療
- 筋膜リリース
- キネシオテーピング
- 症状が強い場合は病院で内服治療、ブロック注射など、場合によっては手術
椎間板ヘルニアは手術しないと治らないの?
結論から言いますと、手術しなくても症状が自然に消える場合がほとんどです。
椎間板ヘルニアだと診断されて、手術せずに5年後に症状が残っていたのは10%以下だという報告もあります。
ヘルニアのでっぱりを人間が元々もっている免疫細胞であるマクロファージが取り除いてくれるからです。
椎間板ヘルニアでは安静にしないといけないの?
安静にしなければならない期間はせいぜい3日ほどです。安静にすることはむしろ害があるとされています。
実際には、2~3日の急性期を過ぎたら少しずつ動き始めることが薦められています。
そのほうが回復しやすいことも分かっています。
ただし、前かがみ姿勢で作業を継続すると椎間板の中の圧が上がってしまうので避けたほうがよいでしょう。