脊柱管狭窄症でやってはいけないこと!

✔ 腰を反らせる動作

✔ 肥満

✔ 歩きすぎる

脊柱管せきちゅうかんとは

腰は5つの骨から出来ています。その骨を重ねていくと縦にトンネルが形成されます。それが「脊柱管」です。
脊柱管のトンネルの中を神経が通っています。
体を動かす命令を出したり、痛みなどの情報を脳に伝達する「脊髄神経せきずいしんけい」が収まっています。

脊柱管とは
脊柱管とは

足の痛みやしびれの原因になる腰部脊柱管狭窄せきちゅうかんきょうさくしょう)とは

腰の脊柱管が狭くなって、馬尾神経ばびしんけい神経根しんけいこんが圧迫されてさまざまな症状がでる病気です。

  • 高齢の方
  • 若いときに重労働や重いものを持つ職業をした方
  • 腰を痛めたことがある方
  • 長時間運転する方に起こりやすいことがわかっています。
脊柱管狭窄症画像
腰部脊柱管狭窄症とは

脊柱管狭窄症の症状

  • 足の痛み(両側または片側)
  • 足の感覚障害、しびれ
  • 足の筋力低下
  • 歩行すると足の痛みのために歩行が困難になるが、安静にすると痛みは消えて再び歩行が可能になる間欠性跛行かんけつせいはこう
  • 進行すると、排尿障害はいにょうしょうがい会陰部えいんぶ異常感いじょうかんかくなどが出現

脊柱管狭窄症で起こる間歇性跛行とは

安静にしているときは症状がないのに歩き続けていると、足の痛みやしびれが強くなり、力が入りにくくなったり、歩くのが辛くなったりします。
しかし、しばらく前かがみになって休むと、痛みやしびれが楽になりまた歩けるようになります。
こういった症状を「間欠性跛行」といいます。
症状が進むと、歩ける距離がだんだん短くなって、立っているだけで症状が出てくることもあります。

脊柱管狭窄症間欠性跛行画像
腰部脊柱管狭窄症の間欠性跛行

歩きはじめは症状がない

脊柱管狭窄症間欠性跛行画像
腰部脊柱管狭窄症の間欠性跛行

しばらく歩くと足にしびれや痛みが出現。歩くことが困難になる。

脊柱管狭窄症座ると軽減画像
腰部脊柱管狭窄症の間欠性跛行

座って前かがみになると症状が軽減する

脊柱管狭窄症と似たような症状に注意!

高齢者の間欠性跛行は、腰部脊柱管狭窄(症)によるものが最も多いのですが、慢性動脈閉塞症まんせいどうみゃくへいそくしょうでもみられます。脊柱管狭窄(症)も慢性動脈閉塞症も、60歳以上の男性に多く、間欠性跛行が特徴であるため非常によく似ています。
この2つの疾患の違いは、脊柱管狭窄(症)の場合は立ち止っただけでは症状が治まりません。座るか前かがみにならなければならないのが特徴です。
慢性動脈閉塞症の場合は立ち止ると速やかに症状が消失します。脊柱管狭窄(症)はカートを押したり自転車に乗ったりすれば、症状が出ないのも特徴です。

  • 症状の現れ方

1.脊柱管狭窄症では

脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い画像
脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い


自転車では症状が現れない

脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い画像
脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い

前かがみ歩行では症状が現れない

2.慢性動脈閉塞症では

脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い画像
脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い


自転車でも症状が現れる

脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い画像
脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い

前かがみ歩行でも症状が現れる

  • 症状の治まり方

1.脊柱管狭窄症では

脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い
脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い
脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い
脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い

立ち止まっても軽減しない

脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い
脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い

座るか前かがみになると軽減する

2.慢性動脈閉塞症では

脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い
脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い
脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い
脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い

立ち止まると治まる

脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い
脊柱管狭窄症と慢性動脈閉塞症の間欠性跛行の違い

立っていても治まる

脊柱管狭窄症の原因

加齢、外傷による椎骨ついこつにトゲが出来たり、脊柱管周辺の組織が分厚くなることが原因となります。
また、背骨がズレてしまうすべり症や、背骨を支える靱帯じんたいである黄色靭帯おうしょくじんたいが分厚くなったりや石灰化せっかいかが起こることも原因となります。

脊柱管狭窄症の原因画像
脊柱管狭窄症の原因

脊柱管狭窄症の検査

問診と身体所見、腱反射けんはんしゃ知覚異常ちかくいじょうの有無、筋力などを調べることで疑われます。
最終的には病院でレントゲン検査やMRI検査で、脊柱管が狭くなり、神経の圧迫が認められると脊柱管狭窄(症)と診断されます。

脊柱管狭窄症の治療

  1. 姿勢矯正
  2. ストレッチ・マッサージ
  3. 筋力トレーニング
  4. 電気治療・温熱治療
  5. インソール療法
  6. 症状が強い場合は、病院で神経の血流を回復する内服薬や点滴など。場合によっては手術。

脊柱管狭窄症の姿勢矯正

腰部脊柱管狭窄(症)の方の姿勢として、

  1. スウェイバック姿勢
  2. 反り腰姿勢

が多くみられます。

両方の姿勢とも、上半身重心の後方化と骨盤が前方に移動しているのが特徴です。
両方の姿勢とも脊柱管狭窄(症)にとっては悪い姿勢です。
ストレッチやインソールにより姿勢を改善していきましょう。

緊急を要する症状

  • 足にマヒが出る場合
  • 痛みが強く日常生活に支障をきたすような場合
  • 尿や便に関する症状がでている場合

これらの場合は、基本的には手術が適応されます。
このような症状が出ている場合には早急に専門医の診察をおすすめします。