アキレス腱下滑液包炎とは
アキレス腱とかかとの骨の間には、滑液包(かつえきほう)とよばれるものがあります。
ここに繰り返し摩擦が加わり炎症を生じる疾患です。
滑液包とは、アキレス腱周囲の滑液包には、皮下組織(ひかそしき)とアキレス腱との間にあるアキレス腱皮下滑液包(ひかかつえきほう)とアキレス腱とかかとの骨の間にある踵骨後部滑液包(しょうこつこうぶかつえきほう)などが存在します。
もともとはアキレス腱周囲の摩擦によるストレスを軽減するための組織です。
アキレス腱下滑液包炎はこの滑液包の一方もしくは両方が炎症を起こし引き起こされます。
ハグルンド変形とは
パンプスを履くとかかとが腫れることがあります。その正体は、かかとの骨のハグルンド変形または「pump bump(パンプス瘤)」と呼ばれる骨のトゲです。
アキレス腱下滑液包炎と関係しています。
ハグルント変形は、かかとの骨が出っ張って靴に当たることで起こります。pump-bump(パンプ・バンプ)とは、パンプスによりかかとが押されて刺激され骨がでっぱってきます。
アキレス腱下滑液包炎の症状
アキレス腱がかかとの骨に付着する部位が腫れたり赤くなったりします。アキレス腱付着部だけでなくその周囲も痛くなることもあります。腫れた部分を押さえると痛いのも特徴です。
パンプスが原因の場合は、アキレス腱付着部のやや外側にコブのような腫れと発赤が起こります。(pump bump)足先を上に起こすとアキレス腱が伸張され痛みが強くなります。
アキレス腱下滑液包炎の原因
かかとの骨の形や大きさは個人差があるため、下図のように靴のかかと部分の形状と自分の踵の骨の形が合わない場合に多く発症します。
かかとの骨が大きく出っ張っている人やハイアーチ(アーチが通常よりも高い)、あるいは内反足(ないはんそく)の人は、圧迫や摩擦を受けやすいため、発生頻度が高いといわれます。
アキレス腱下滑液包炎の治療法
靴による圧迫など外的なストレスにより炎症を起こしているわけですから、まずは患部の保護とアイシングなどの消炎処置が必要です。
湿布を貼って炎症を抑えることや、超音波で患部の血流を改善するのも効果的です。
アキレス腱下滑液包炎に対する靴合わせ・インソール療法
そもそも靴が合わないケースは、靴のヒールの形状と、患者さんの踵の骨の形がフィットしていないケースが、アキレス腱下滑液包炎・ハグルンド変形の患者さんによく見られます。
靴のヒール部分を特殊な加工をすることにより、靴のヒールを患者さまの踵の骨の形に合わせフィットさせます。