10年来の坐骨神経痛に悩まされている患者様。
症状は、右の殿部痛(お尻の痛み)と下肢痛(足の痛み)。
腰痛は軽度。
脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、変形性腰椎症による神経根障害、梨状筋症候群などを疑いましたが、
間欠性跛行もなく、SLRテストでは再現は得られず、梨状筋に圧痛もありませんでした。
右を上にして側臥位(横向き)で寝ていると
殿部痛、下肢痛が増悪しますが、痛みの部位が梨状筋より少し上に訴えます。
そこで、中殿筋と小殿筋を探ってみたところ
小殿筋に2か所のトリガーポイント。
飛び上がるような痛みと、下肢への関連痛を認めました。
左が中殿筋、右が小殿筋です。
小殿筋に2mm弱の硬結がありそこを圧迫すると
いつもの下肢の痛みが再現されました。
治療としては、
持続圧迫
スプレー&ストレッチ
ポジショナルリリース
IASTMを行い、
最後にテニスボールによるセルフマッサージを指導しました。
10年来の坐骨神経痛が短時間で改善しました。
ただし、
小殿筋は痛みの原因にはなりえますが
犯人ではありません。
小殿筋はあくまでも被害者です。
小殿筋に負担や微細な損傷が起こるため
筋肉の中にトリガーポイントとよばれる
痛みの引き金を作ってしまいます。
小殿筋に負担がかかる理由を探らなければなりません。
小殿筋に負担がかかる理由としては、
筋のバランスが悪かったり、歩き方や姿勢などいろいろと考えられます。
これらの真の原因を見つけ出しそこに対してもアプローチしていくことで
トリガーポイントによる痛みの再発の予防が期待できます。