子供の巻き爪
原因・症状・治し方と正しい爪の切り方

「子供なのに巻き爪になるの?」
「足の親指の横が赤くなって痛がっている」
「爪を短く切ってから、なかなか伸びてこない」

このようなご相談は決して珍しくありません。

巻き爪は大人だけに起こるものではなく、小学生や中学生、高校生にもみられる爪のトラブルです。特に子供では、間違った爪切りによる深爪、スポーツによる爪への衝撃、サイズの合っていない靴、爪をむしる癖などが関係します。

当院に巻き爪や爪のトラブルで来院される方のうち、約12%が19歳以下です。およそ8人に1人が子供ということになります。

子供の爪は大人とは特徴が異なるため、大人と同じように考えることはできません。このページでは、子供の巻き爪がなぜ起こるのか、どのような状態に注意すればよいのか、正しい対処法や予防法について詳しく解説します。

巻き爪の痛いところに爪のトゲがある様子

 爪が強く巻いている

 爪の横を痛がる

 爪の周りが赤く腫れている

 深爪を繰り返している

 爪がなかなか伸びてこない

 爪が割れたり欠けたりしている

 スポーツをすると爪が痛くなる

 爪が以前より小さくなっている

子供にも巻き爪は起こる

「巻き爪は年齢を重ねてからなるもの」というイメージを持っている方も多いと思います。

しかし、実際には子供にも巻き爪や陥入爪は起こります。特に陥入爪は若年者にも多く、近年の小児を対象としたレビューでも、子供、とくに思春期ではよくみられる爪トラブルとして扱われています。

当院に巻き爪や爪のトラブルで来院された方を年齢別にみると、19歳以下が約12%を占めています。つまり、当院ではおよそ8人に1人が子供の爪トラブルです。

大人に比べると軽い巻き爪だけでなく、

  • 深爪
  • 割れ爪
  • スポーツによる爪の損傷
  • 爪をむしる癖
  • 爪が皮膚に埋もれて伸びにくくなった状態

など、さまざまな爪の問題がみられます。

年齢別巻き爪患者数のグラフ

「巻き爪」と「陥入爪」は少し違う

一般には、爪の横が痛くなる症状をまとめて「巻き爪」と呼ぶことがあります。

しかし、正確には巻き爪と陥入爪は同じものではありません。

巻き爪

爪が内側へ強く湾曲している状態です。

爪が巻いていても、皮膚に当たっていなければ痛みがない場合もあります。

陥入爪

爪の端や角が周囲の皮膚を刺激し、

  • 痛み
  • 赤み
  • 腫れ
  • 出血
  • 化膿
  • 肉芽

などを起こしている状態です。

陥入爪は、爪そのものが強く巻いていなくても起こります。特に子供では、深爪によって残った爪の角が皮膚に刺さるタイプが少なくありません。

「爪が巻いているか」だけではなく、どこが痛いのか、爪の角がどうなっているのか、皮膚に炎症がないかを確認することが重要です。

巻き爪を正面から見たイラストと陥入爪を正面から見たイラスト

子供の巻き爪の5つの原因

子供の巻き爪や陥入爪には、主に次のような原因があります。

  • 子供特有の薄く柔らかい爪
  • スポーツによる割れ爪や爪への衝撃
  • 間違った爪切りによる深爪
  • 爪をむしる・噛む癖
  • サイズや形が合っていない靴

一つずつ詳しく説明します。

原因① 子供特有の薄く柔らかい爪

子供の爪は、成長とともに少しずつ厚くなっていきます。

特に乳幼児の爪は成人よりも薄く柔らかく、爪の厚みは成長とともに増加することが知られています。

薄く柔らかい爪は変形しやすいため、

  • 靴の圧迫
  • スポーツによる衝撃
  • 足趾への繰り返す負担
  • 爪をぶつける

といった外力の影響を受けます。

大人では問題にならない程度の力でも、子供の薄い爪では変形や割れにつながることがあります。

「まだ子供だから爪のトラブルは起こらない」と考えず、爪の形が変わっていないか定期的に確認することが大切です。

子供の爪と大人の爪のそれぞれの外観を比較した写真

原因② スポーツによる割れ爪・爪への衝撃

スポーツをしている子供は、爪への負担が大きくなります。

特に注意したいのが、

  • サッカー
  • 野球
  • 陸上
  • バスケットボール
  • テニス
  • バレエ

など、爪先に繰り返し力が加わる競技です。

走る、蹴る、踏ん張る、急停止するといった動作では、靴の中で足が前方へ動き、爪先がシューズに繰り返し当たります。

ランニングやキックなどによる反復的な外傷も、陥入爪のリスク因子として挙げられています。

爪が外力によって割れて欠けた様子の写真

子供の爪は割れやすい

子供の爪は薄いため、強い衝撃が加わると、

  • 爪の角が欠ける
  • 爪が縦に割れる
  • 爪が浮く
  • 爪の下に出血する

といったトラブルが起こります。

問題になるのは、割れた爪をそのままにしておくことです。

割れた爪の端が鋭くなると、周囲の皮膚を刺激します。そのまま運動を続けることで、赤みや腫れ、出血につながります。

割れた部分をさらに短く切ってしまい、深爪から陥入爪へ移行するケースもあります。

母趾の外側に衝撃を受けて爪が割れている様子の写真

原因③ 間違った爪切りによる深爪

子供の爪トラブルで特に注意したいのが深爪です。

小学校中学年くらいになると、自分で爪を切る子も増えてきます。しかし、正しい足の爪の切り方を教わる機会はほとんどありません。

「白い部分が残っていると長い気がする」「角まできれいに丸く切りたい」このような理由から、爪を必要以上に短く切ってしまう子供は少なくありません。

爪の角を深く切るのが特に危険

足の爪を丸く切ろうとして両端を深く切り込むと、爪の角に小さなトゲのような部分が残ることがあります。

爪が伸びると、その角が皮膚に刺さります。

陥入爪では、不適切な爪切りや爪の角を深く切り込むことが代表的な原因の一つとされています。

痛くなると、

痛い

↓

爪をさらに短く切る

↓

一時的に楽になる

↓

爪が伸びると再び皮膚に刺さる

↓

また深く切る

という悪循環に入ります。

爪の両サイドを深爪した様子の写真

深爪を繰り返すと爪が伸びれなくなる

深爪を繰り返すと、爪の先端が皮膚の中に埋もれ、前方へ伸びにくくなることがあります。

当院には痛みだけではなく、

  • 「以前より爪が小さくなった」
  • 「いつまで待っても爪が前に伸びてこない」
  • 「見た目が気になる」

というご相談で来院されるお子さんもいます。

痛くない深爪だから問題ないとは限りません。

爪が極端に短くなっている場合は、それ以上切らずに一度状態を確認しましょう。

爪を短く切りすぎて爪が伸びなくなった様子の写真

原因④ 爪をむしる・噛む癖

爪切りを使わずに、爪を指でむしる子供もいます。

爪をむしると切断面が不規則になり、爪の角が皮膚の中に残りやすくなります。

また、

  • 爪を噛む
  • 爪をむしる
  • 爪の横の皮膚を触り続ける

といった行動が繰り返されると、爪や周囲の皮膚を傷つけます。

癖として行っている場合もあれば、心理的なストレスが関係している場合もあります。無理に叱ってやめさせるのではなく、いつ、どのような場面で爪を触っているのかを確認することも大切です。

爪が極端に短くなっている場合や、周囲の皮膚まで傷ついている場合は注意してください。

爪をむしる癖による深爪の写真

原因⑤ サイズや形が合っていない靴

子供の巻き爪では、靴も重要です。注意したいのは、小さすぎる靴だけではありません。

「すぐ足が大きくなるから」と、大きめの靴を選んでいるケースも多くみられます。

小さすぎる靴

靴の爪先に余裕がないと、足趾や爪が靴に直接圧迫されます。

特にスポーツでは、走る、止まる、踏ん張る動作を繰り返すため、爪に大きな負担がかかります。

小さすぎる靴を履くと巻き爪になる理由を図示したイラスト

大きすぎる靴

靴が大きすぎると、歩くたびに足が靴の中で前方へ滑ります。

前滑りすると爪先が靴に繰り返し当たり、

  • 爪が割れる
  • 爪下出血を起こす
  • 爪が剥がれる
  • 爪の周囲が痛くなる

原因になります。

また、靴の中で足が安定しないため、足趾を曲げて靴をつかむように歩く子もいます。「大きめを買っておけば安心」とは限りません。成長期は足のサイズが変化するため、定期的に靴のサイズを確認しましょう。

大きい靴を履いて足が前に滑っている様子のイラスト

症状が悪化するまで気づかないことも

子供は多少の痛みがあっても、そのまま走ったり運動したりします。

特に部活動やスポーツをしている子の場合、

「少し赤いだけだから」

「試合があるから休みたくない」

と我慢してしまうことがあります。

また、自分の足の爪を毎日じっくり見る子供は多くありません。

親御さんが気づいたときには、

  • 爪の横が真っ赤になっている
  • 大きく腫れている
  • 出血している
  • 膿が出ている
  • 肉芽ができている

という状態まで進んでいるケースもあります。症状が強くなってから対処するのではなく、早い段階で爪の変化に気づくことが大切です。

爪の横が真っ赤になっている様子の写真大きく腫れている様子の写真出血している様子の写真膿が出ている様子の写真肉芽ができている様子の写真

こんな状態になっていませんか?

  • 爪の横が赤く腫れている
  • 爪の横を押すと痛がる
  • 爪を極端に短く切っている
  • 爪の端が皮膚に食い込んでいる
  • 爪が割れている
  • 爪がなかなか伸びてこない
  • 出血や膿、肉芽がみられる

お子さんの足の爪に、次のような変化がないか確認してみてください。

特に、赤み・腫れ・出血・膿・肉芽がある場合は、炎症を伴う陥入爪の可能性があります。

爪の横が赤く腫れている様子の写真 爪の横を押すと痛がる様子の写真 爪を極端に短く切っている様子の写真 爪の端が皮膚に食い込んでいる様子の写真 爪が割れている様子の写真 爪がなかなか伸びてこない様子の写真 出血や膿、肉芽がみられる様子の写真

子供の爪トラブルへの対処法

巻き爪の対処法

子供の爪は大人に比べて薄いため、強い力をかけて矯正する必要はありません。

当院では、子供の爪の厚みや硬さに合わせて薄い巻き爪矯正プレートを選択します。特殊な樹脂製プレートを爪の表面に装着し、巻いている爪を少しずつ持ち上げます。

金属製のワイヤーを爪に通す方法ではないため、爪に穴を開ける必要もありません。子供では比較的軽い巻き爪も多いため、爪の状態を確認しながら必要な期間だけ矯正を行います。

割れ爪の対処法

割れた爪は、さらに深く切ってしまうと状態を悪化させることがあります。

特に爪の根元方向まで亀裂が伸びている場合、そのままスポーツを続けると割れが大きくなる可能性があります。

当院では、割れた部分に補強用の器具を装着し、割れが広がらないように保護しながら爪が伸びるのを待つ方法を行っています。傷んだ部分が爪の先端まで伸び切れば終了です。

割れ爪をプレートにて修復した様子の写真

深爪の対処法

深爪になった爪をさらに短く切ることは避けます。まず必要なのは、爪を切らずに前方へ伸ばすことです。

しかし、爪の先端が皮膚に埋もれていると、伸びてきた爪が再び皮膚に当たり、痛みが出ることがあります。当院では必要に応じて深爪補正用の器具を使用し、爪が皮膚に食い込みにくい環境を作りながら伸ばしていきます。

深爪を繰り返して爪が小さく見えるようになったケースもご相談ください。

深爪をプレートを使って補修した様子

出血・膿・肉芽がある場合

爪の横に、

  • 強い赤み
  • 強い腫れ
  • 膿
  • 出血
  • 肉芽
  • 強い痛み

がある場合は、陥入爪による強い炎症や感染を伴っている可能性があります。

このような場合は、巻き爪矯正を優先するのではなく、皮膚科などの医療機関で炎症や感染の状態を確認してもらうことが大切です。

陥入爪は症状の程度によって保存的治療と外科的治療が使い分けられます。子供についても、年齢と重症度を考慮して治療法を選択することが推奨されています。

特に膿や肉芽がある場合は、ご家庭で爪の角を無理やり切るような対処はしないでください。

子供の巻き爪が悪化した様子の写真

子供の巻き爪を予防する方法

巻き爪や陥入爪を繰り返さないためには、矯正だけではなく、爪に負担がかかる原因を見直すことも大切です。

特に確認したいのが、

  • 爪の切り方
  • 靴のサイズ
  • スポーツによる爪への負担

の3つです。

正しい爪切り

足の爪は、手の爪と同じように丸く切らないことが重要です。

基本は、爪の先端をほぼまっすぐに切ることです。

爪の角を丸く切り落とすのではなく、角を残したスクエアに近い形に整えます。

陥入爪の予防でも、爪の先端をまっすぐ切り、角を丸く切り込まない方法が推奨されています。お子さんが自分で爪を切り始めたら、一度切り方を確認してみてください。

爪を一直線に切ったイラスト角を爪やすりで整えたイラスト爪の正しい切り方の完成図

足の爪を切るときのポイント

  • 爪を短く切りすぎない
  • 爪の両端を深く切り込まない
  • 爪の角を残す
  • 尖った部分だけをやすりで軽く整える
  • 爪を手でむしらない
爪を短く切りすぎたイラスト 爪が長すぎるイラスト 爪の角を切りすぎているイラスト

靴のサイズを定期的に確認する

成長期の子供は足のサイズが変わります。「半年前に買ったから、まだ大丈夫」とは限りません。

靴を選ぶときはサイズ表記だけを見るのではなく、

  • 爪先に適切な余裕があるか
  • 足幅が合っているか
  • 甲の高さが合っているか
  • かかとが大きく浮いていないか
  • 歩いたときに足が前滑りしていないか

まで確認します。小さすぎても、大きすぎても爪に負担がかかります。

スポーツシューズ外来(足の計測)

スパイクを履くスポーツは特に注意

野球やサッカーなど、スパイクを使用するスポーツでは爪のトラブルが多くなります。

一般的な運動靴より爪先部分が狭く、足が靴の中で動きにくいためです。

野球

特にピッチャーは、投球時に軸足で強く地面を押します。

スパイクのサイズや爪先の形が足に合っていないと、母趾の爪に繰り返し負担がかかります。

爪下出血や割れ爪、陥入爪につながることがあります。

サッカー

サッカーでは、

  • ボールを蹴る
  • ダッシュする
  • 急停止する
  • 切り返す

といった動作で爪先に大きな力が加わります。

スパイクが小さすぎる場合はもちろん、大きすぎて足が前滑りしている場合も爪への負担が増えます。

スポーツ後に爪を見る習慣を

スポーツをしているお子さんでは、定期的に足の爪を確認しましょう。

特に、

  • 爪の横が赤い
  • 爪の下が黒くなっている
  • 爪が割れている
  • 靴を履いたときだけ痛い

という変化は、爪に繰り返し負担が加わっているサインです。

爪の下に血腫があるイラスト爪が割れているイラスト爪が厚くなっているイラスト

子供の巻き爪矯正について

当院では、厚さ1mm以下の薄い矯正器具を使用しています。

子供の薄く柔らかい爪にも負担が少なく、器具も目立ちにくいため、日常生活やスポーツを続けながら矯正できます。

巻き爪矯正前後の比較写真

実際の巻き爪矯正を動画で見る

子供の巻き爪矯正

巻き爪矯正の流れ

1
爪の状態を確認

巻き爪の程度や爪の形、皮膚への食い込み、爪棘などを確認します。
爪の角が直角に曲がっている様子の写真

2
器具の装着

施術可能な状態であれば補正器具を装着します。
※肉芽組織がある場合は施術を行わず、医療機関への受診をご案内します。
子供の爪に巻き爪矯正の器具を取り付ける様子の写真

3
研磨

余分な部分はマシンで削り目立たなくします。
子供の巻き爪矯正(削り)

4
仕上げ

人工爪が外れないようにコーティングして完了です。
巻き爪矯正の仕上げをしている様子の写真

5
完成

厚さは1mm以下の器具を使うため目立ちません。
巻き爪矯正の工程の仕上がった様子

よくある質問

Q
子供でも巻き爪になりますか?

A

Q
子供の巻き爪は自然に治りますか?

A

Q
痛くなければ放っておいても大丈夫ですか?

A

Q
深爪している場合は、伸びるまで待てばよいですか?

A

Q
矯正中はスポーツは続けられますか?

A

Q
何歳から巻き爪矯正できますか?

A

子供の巻き爪は「早く気づくこと」が大切です

子供の巻き爪や陥入爪では、本人が痛みを我慢してしまい、親御さんが気づくまで時間がかかることがあります。

特に注意したいのは、深爪・スポーツ・靴です。

痛くなってから爪をさらに短く切ると、一時的に楽になっても、伸びてきた爪が再び皮膚に刺さることがあります。

巻き爪だけでなく、

  • 「深爪してしまった」
  • 「爪が伸びてこない」
  • 「爪が割れた」
  • 「爪が小さくなった」

といった状態も、早い段階で対処することが大切です。

麻多 聡史
院長

この記事を書いた人

アルコット接骨院院長
柔道整復師
フットケアトレーナーマスターライセンス、足爪補正士、テーピングマイスター、IASTMマニュアルセラピスト、FMS 、SFMA、FCS、BPL mentorship program修了、PRIマイオキネマティック・リストレーション、ポスチュラル・レスピレーション、ペルビス・リストレーション、インピンジメント&インスタビリティ修了、脚の長さコーディネーター

    金沢巻き爪専門外来アルコットプラスロゴ

    〒920-0942 石川県金沢市小立野3丁目24-12

    受付時間月火水木金土日
    8:30 – 20:00○○ー○○○ー
    ※祝日は営業します