後十字靱帯ってなに?
膝の関節の中にあって太ももの骨とすねの骨を結ぶ靱帯です。
すねの骨が太ももの骨に対して後方にずれるのを防ぐストッパーの役割をしています。
後十字靱帯損傷とは
後十字靱帯に強い力が加わり、靱帯が損傷してしまうことをいいます。
損傷の形態には、完全断裂、部分断裂、弛緩(しかん)等があります。
後十字靱帯損傷の症状
他の靭帯損傷と比べて、膝の痛みや腫れは軽度であることが多く、自覚症状も少ない場合があります。
自覚症状としては、膝が抜ける、着地の際に力が入らないなど膝の不安定性や膝の皿の周りの痛みが特徴的です。
後十字靱帯損傷の原因
膝が約90°に曲がっている状態で、すねの骨に前方から衝撃がかかることにより損傷します。
後十字靱帯損傷の検査
後十字靭帯損傷では下記のサギング徴候、グラビティテスト、後方引き出しテスト、リバースジャークテスト、後外側回旋不安定テストが陽性になります。
後十字靱帯損傷の症状は非常に目立ちにくくわかりにくいことがあります。膝関節痛や不安定感につながったり、腫れが出たり引いたりすることもあります。
整形外科でレントゲン写真、関節穿刺(関節内出血の有無をみる)、MRIを行い診断がつきます。
後十字靱帯損傷の治療法
受傷直後は患部の安静やアイシングが大切です。超音波療法で痛みを軽減させます。
後縦靭帯損傷では手術になるケースは少なく、なるべく早期から可動域と筋力低下を防ぐ運動療法を開始します。
膝の不安定性がある場合は、テーピングやサポーターを着用します。
インソール療法もあわせて検討します。
軽症の場合は、手術せずに治療することができます。
完全断裂で日常生活に支障があるものは手術が必要になることもあります。