患者さまよりご質問いただいた「花粉症と腰痛の関係」について。
私なりに調べてみました。
花粉症のなどのアレルギー症状として腰痛が現れるなどの文献はありませんでした。
花粉症の症状として「くしゃみ」が挙げられます。
ぎっくり腰の患者さまは「咳やくしゃみが辛い」とおっしゃいますので、くしゃみと腰痛の関係について調べてみました。
『Biomechanical analysis of low back load when sneezing』
(2014 Sep;40(4):670-5. 2014 Sep; 40(4):670-5。 doi: 10.1016/j.gaitpost.2014.07.020. doi:10.1016 / j.gaitpost.2014.07.020。 Epub 2014 Aug 1. Epub 2014 Aug 1。 )
海外の雑誌『Gait posture』に掲載された文献です。
訳してみると、14名の若年男性がくしゃみをする際の負荷を表面筋電図を使って調べたそうです。
くしゃみをする際の姿勢を次の3パターンに分けました。
①normal群;くしゃみをする際に体幹を前かがみにする(普通のくしゃみ)
②stand群;くしゃみをする際に意図的に体を直立に起こす
③table群;くしゃみをする際にテーブルに両手をついて体を支える
結果は、くしゃみをした際に椎間板にかかる圧縮力と床反力は①の普通のくしゃみに比べて②と③が有意に低かったそうです。
まぁ、当然といえば当然の結果なんですが、
「くしゃみをするときは何かにもたれかかるか、または直立姿勢でくしゃみをすると腰への負担は減りますよ」という解釈です。
(出典;https://www.nof.org/patients/fracturesfall-prevention/exercisesafe-movement/proper-body-alignment/)
この図の左2つは正しい(Right)くしゃみや咳の仕方です。右は悪い(Wrong)例です。
「咳やくしゃみをするたびに片手で背中を支える習慣を身につけましょう。手を背中や太ももの上に置くことで、急激に体を丸めることによる怪我から腰を保護することができます。」と述べられています。
「花粉症と腰痛の関係」から「くしゃみと腰痛の関係」になってしまいましたが、くしゃみの際に急激にかかる椎間板への圧縮力や筋肉への負荷が腰痛を引き起こすのではないかというのが今のところの見解です。
くしゃみをする機会が増えるこれからの季節、正しいくしゃみの仕方で腰痛から身を守りましょう!!