昨日ご来院いただいたお客さまは、遠方より福井県からお越しくださいました。

最近は能登や富山県、福井県など県外からのお客さまも増えてきました。

 

さて、今回の症例を少しご紹介します。

 

60歳代女性の方で、立ち仕事を1日9時間されています。

半年ほど前より左足首の内側に痛みやツッパリ感、腫れを感じていらっしゃいました。

これまでに整形外科で湿布やリハビリを受けましたが、大きな改善が見られず当院にご来院いただきました。

 

症状としては、

  • 左足関節の内側の痛みおよび腫脹
  • 後脛骨筋腱に沿った圧痛
  • しゃがんだときに左足の内くるぶし後方でツッパリ感
  • 歩行中の荷重時痛と蹴り出しの時の痛み

がありました。

  • too many toes sign
  • single heel rise test


などから、後脛骨筋腱機能不全症が疑われました。

(詳しくは、コチラのページに記載してあります)

後脛骨筋というのは足の土踏まずを下から支える大切な筋肉です。

その筋肉の腱が加齢や使い過ぎによってうまく機能しなくなる疾患です。

足のサイズ計測をしてみると

ウィズ ウイズ
足長 235mm 246mm
足囲(荷重位) 240mm 3E 237mm E
足囲(非荷重位) 216mm C 214mm A
足幅(荷重位) 101mm 4E 97mm E
足幅(非荷重位) 87mm A 86mm A

足の長さ(足長)が、左(痛い側)と右で1cm以上の差があることがわかります。

また、左側は足の幅(足幅)や太さ(足囲)が体重をかけていないとき(非荷重位)と体重をかけたとき(荷重位)で大きく変化します。

今回の症例では後脛骨筋という、足の土踏まず(内側縦アーチ)を支える筋が機能しないため、

アーチの頂点の骨(舟状骨)が内側に落ち込み、足は崩れ足首が内側に折れ曲がります。

普段は25cmの靴をお履きになるそうで、

幅広の靴が足に良いと思い、幅広の靴を好んで履かれていたそうです。

さらに25cmの靴はなかなかレディスで見つけるのは難しく

メンズの25cmを履かれていたそうです。

このあたりが靴選びの難しいところで、

仮にレディスの25cmがあったとして

レディスの25cmとメンズの25cmは太さや幅は全く異なります。

女性がメンズの靴を履くと大抵の場合、長さは合いますが横幅はブカブカになってしまいます。

「当たらない靴足に良い靴」というのは、誤った常識で、

ある程度のフィット感と窮屈さが必要な場合があります。

今回の場合は、足の長さが左右で異なるため

大きい方に合わせてサイズを選ばなければならないことになります。

今回のケースでは、おおざっぱに

右側は24.5cm

左側は23.5cm

の靴が必要になるわけですが、

例えば24.5cmの3Eと23.5cmの3Eでは、同じ3Eではありますが、内寸は異なります。

当然、24.5cmの3Eの方が幅広です。靴の中の空間は24.5cmの靴の方が広いわけです。

つまり、長い間、大きい方の足に合わせて靴を履いていたため、

小さい方の足はその間常に幅の広いブカブカの靴の中で生活していたのです。

入れ物(靴)が大きく、支えがないわけですから、足は広がり放題・崩れ放題ですね。

 

加えて、靴ひもをほとんど結び直す習慣がなかったようです。

靴ひもは靴を足の甲の部分にフィットさせる唯一の調整具です。

今回の症例のように、足首が内側に倒れてきてしまう足では、靴ひもの役割はとても重要です。

 

今回の症例の痛みの原因として、

  • 左右の足の長さに差があるため大きめの靴を履かざるを得なかった
  • メンズを選んでしまった
  • 幅広の靴は足に良いという誤った常識
  • 靴ひもを結び直していなかった

が挙げられます。

 

今回のお客様は、何一つ悪いことはしていません。

長さに左右差があるため、大きい方に合わせて靴を選ぶのは当然です。仕方ありません。

メンズを選ぶのも当然です。レディスには25cmのものなんて売り場にはほとんどありませんから。

日本では、幅広の靴が足に良いなんて常識がいまだに存在します。

靴ひもの結び方など学校では教えてくれません。当然誰も知りません。

靴の先進国ドイツでは、身体測定のときに身長・体重・足のサイズ(長さ・太さ・幅)を必ず計測し、その結果を元に、靴の履き方・選び方を教えるそうです。

日本の靴文化の未熟さが今回の症例を生み出したといっても過言ではありません。

私たちは、足と靴の専門家として、この誤った靴文化を正せるように活動していかなければならないと強く感じた症例でした。

 

足の痛みを抱え、どうしたらよいかわからず悩む患者さまを救いたい

歩くことをもっと好きになってほしい

これが私たちのミッションです。

 

追伸:お忙しい中、遠方より当院にお越しいただきありがとうございました。
またお会いできることを楽しみにしております。