外側型野球肘の症状と治療法:離断性骨軟骨炎を中心に
金沢市のアルコット接骨院の疾患コラム
離断性骨軟骨炎を中心に外側型野球肘の原因、症状、そして効果的な対処法を詳しく解説します。プロフェッショナルなアドバイスを活用して、痛みを軽減し、早期回復を目指しましょう。
外側型野球肘の症状と治療法:離断性骨軟骨炎を中心に
金沢市のアルコット接骨院の疾患コラム
離断性骨軟骨炎を中心に外側型野球肘の原因、症状、そして効果的な対処法を詳しく解説します。プロフェッショナルなアドバイスを活用して、痛みを軽減し、早期回復を目指しましょう。
外側型野球肘とは
外側型野球肘は、野球の投球動作で肘の外側に繰り返し負担がかかることで起こる障害です。具体的には、投球時に外反ストレス(肘が外側に捻る力が加わること)が肘にかかり続けることで、上腕骨と橈骨(前腕の骨)が衝突し、骨や軟骨が剥がれることがあります。
・離断性骨軟骨炎:骨や軟骨の一部が剥がれ落ちる状態。特に小学生の頃に多く見られます。
・滑膜ヒダ障害:成人期になると、肘の滑膜ヒダ(関節内の柔らかい組織)が傷つくことがあります。
外側型野球肘とは
外側型野球肘は、野球の投球動作で肘の外側に繰り返し負担がかかることで起こる障害です。具体的には、投球時に外反ストレス(肘が外側に捻る力が加わること)が肘にかかり続けることで、上腕骨と橈骨(前腕の骨)が衝突し、骨や軟骨が剥がれることがあります。
・離断性骨軟骨炎:骨や軟骨の一部が剥がれ落ちる状態。特に小学生の頃に多く見られます。
・滑膜ヒダ障害:成人期になると、肘の滑膜ヒダ(関節内の柔らかい組織)が傷つくことがあります。
離断性骨軟骨炎とは
上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(肘OCD)は、12歳から15歳の成長期の子供に発症する肘の障害です。肘の関節面の一部が軟骨とその下の骨から分離し、遊離体(関節内で自由に動く小さな骨片)を生じる進行性の疾患です。成長期の野球をしている子供によく見られます(発症率約2%)。投球動作などで肘に繰り返し負担がかかることが主な原因です。
離断性骨軟骨炎とは
上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(肘OCD)は、12歳から15歳の成長期の子供に発症する肘の障害です。肘の関節面の一部が軟骨とその下の骨から分離し、遊離体(関節内で自由に動く小さな骨片)を生じる進行性の疾患です。成長期の野球をしている子供によく見られます(発症率約2%)。投球動作などで肘に繰り返し負担がかかることが主な原因です。
初期の段階では症状が出ないことが多いです。しかし、早期に発見し治療を始めれば、後遺症を残さずに完治することができます。
・圧痛:上腕骨小頭(肘の外側部分)に押すと痛みが出ます。
・運動時の痛み:肘を動かすときに痛みが生じます。
・関節炎:肘に炎症が起こり、関節が腫れて痛みます。
・可動域の制限:関節炎が進行すると、肘の動きが制限されます。
・引っかかりやロッキング:進行すると、肘の中で引っかかる感覚やロックする状態が起こり、さらに進むと変形性関節症になることがあります。
初期の段階では症状が出ないことが多いです。しかし、早期に発見し治療を始めれば、後遺症を残さずに完治することができます。
・圧痛:上腕骨小頭(肘の外側部分)に押すと痛みが出ます。
・運動時の痛み:肘を動かすときに痛みが生じます。
・関節炎:肘に炎症が起こり、関節が腫れて痛みます。
・可動域の制限:関節炎が進行すると、肘の動きが制限されます。
・引っかかりやロッキング:進行すると、肘の中で引っかかる感覚やロックする状態が起こり、さらに進むと変形性関節症になることがあります。
発生メカニズムはまだ完全にはわかっていませんが、上腕骨小頭の血流障害が関係していると考えられています。また、肘への次のような力(特に上腕骨小頭への圧迫ストレス)が悪化の原因とされています。
・肘外反ストレス:肘が外側に引っ張られる力がかかります。
・圧迫力:この外反ストレスは、肘の外側にある腕橈関節(前腕の橈骨と上腕骨の接合部)に圧迫力として作用します。
・剪断力:前腕を回す動きによって、剪断力(滑らせるような力)が加わります。
このような圧迫力と剪断力が繰り返し肘にかかることで、関節面に損傷が生じ、肘OCDが発生します。
発生メカニズムはまだ完全にはわかっていませんが、上腕骨小頭の血流障害が関係していると考えられています。また、肘への次のような力(特に上腕骨小頭への圧迫ストレス)が悪化の原因とされています。
・肘外反ストレス:肘が外側に引っ張られる力がかかります。
・圧迫力:この外反ストレスは、肘の外側にある腕橈関節(前腕の橈骨と上腕骨の接合部)に圧迫力として作用します。
・剪断力:前腕を回す動きによって、剪断力(滑らせるような力)が加わります。
このような圧迫力と剪断力が繰り返し肘にかかることで、関節面に損傷が生じ、肘OCDが発生します。
投球動作と肘への負担
投球動作は全身の動きを使ってボールに力を伝えるものです。下半身や体幹(お腹や背中)、そして肩、肘、腕、手首、指が連動して動きます。投球は一般的に5つの段階に分けられます(ワインドアップ期、早期コッキング期、後期コッキング期、加速期、フォロースルー期)。
投球の動作中には、肘が外側に曲がる力(外反ストレス)が働きます。特に後期コッキング期では、肩が最大限に回る直前に外反ストレスが最も強くなります。この強い力が肘にかかることで、上腕骨小頭に圧力がかかり肘OCDを悪化させます。また、加速期からフォロースルー期にかけては、肘が伸びて腕が内側に回る動きが急激に起こり、この動きも上腕骨小頭にさらに圧力を加えてしまいます。
これにより、投球動作が繰り返されることで肘に大きな負担がかかり、肘OCDが悪化するリスクが高まります。
投球動作と肘への負担
投球動作は全身の動きを使ってボールに力を伝えるものです。下半身や体幹(お腹や背中)、そして肩、肘、腕、手首、指が連動して動きます。投球は一般的に5つの段階に分けられます(ワインドアップ期、早期コッキング期、後期コッキング期、加速期、フォロースルー期)。
投球の動作中には、肘が外側に曲がる力(外反ストレス)が働きます。特に後期コッキング期では、肩が最大限に回る直前に外反ストレスが最も強くなります。この強い力が肘にかかることで、上腕骨小頭に圧力がかかり肘OCDを悪化させます。また、加速期からフォロースルー期にかけては、肘が伸びて腕が内側に回る動きが急激に起こり、この動きも上腕骨小頭にさらに圧力を加えてしまいます。
これにより、投球動作が繰り返されることで肘に大きな負担がかかり、肘OCDが悪化するリスクが高まります。
1.肩の動きの問題
コッキング期から加速期にかけて、肩が十分に持ち上がらない、または逆に持ち上がりすぎると、肘にかかるねじれの力が増えます。
2.体の傾きの問題
コッキング期から加速期にかけて、体が非投球側に傾くと、肘への負担が増えます。
1.肩の動きの問題
コッキング期から加速期にかけて、肩が十分に持ち上がらない、または逆に持ち上がりすぎると、肘にかかるねじれの力が増えます。
2.体の傾きの問題
コッキング期から加速期にかけて、体が非投球側に傾くと、肘への負担が増えます。
3.胸と肩甲骨の動きの問題
コッキング期に、胸をしっかりと反らせず、肩甲骨を後ろに傾けないと、肘にかかる力が強くなります。
3.胸と肩甲骨の動きの問題
コッキング期に、胸をしっかりと反らせず、肩甲骨を後ろに傾けないと、肘にかかる力が強くなります。
4.肘の突き出し
コッキング期から加速期にかけて、腕が前に出すぎる(いわゆる肘の突き出し)と、肘への圧迫が増えます。特に、肘に問題を抱える選手にこの動作が多く見られます。
4.肘の突き出し
コッキング期から加速期にかけて、腕が前に出すぎる(いわゆる肘の突き出し)と、肘への圧迫が増えます。特に、肘に問題を抱える選手にこの動作が多く見られます。
5.胸の開きが早い
野球のピッチングフォームで「胸の開きが早い」とは、体を回転させて投げるときに、胸や肩が早く前に出てしまうことを指します。胸が早く開いてしまうと、力をうまく伝えられず肩や肘に過剰な負担がかかります。
5.胸の開きが早い
野球のピッチングフォームで「胸の開きが早い」とは、体を回転させて投げるときに、胸や肩が早く前に出てしまうことを指します。胸が早く開いてしまうと、力をうまく伝えられず肩や肘に過剰な負担がかかります。
6.手投げ
・重心移動の不足: リリース後、体重を非投球側(投げない方の脚)に移動させることが大切です。この動作が不足すると、体のバランスが崩れてしまいます。
・股関節の動きの不足: 投げない方の股関節に十分な可動域がないと、体全体の動きがスムーズにいかず、手投げになってしまいます。
上記の動作が不足すると、急に肘を伸ばしたり、前腕を回す動きが生じます。これは、力がボールに伝わらず肘や前腕に過剰な負担がかかります。
6.手投げ
・重心移動の不足: リリース後、体重を非投球側(投げない方の脚)に移動させることが大切です。この動作が不足すると、体のバランスが崩れてしまいます。
・股関節の動きの不足: 投げない方の股関節に十分な可動域がないと、体全体の動きがスムーズにいかず、手投げになってしまいます。
上記の動作が不足すると、急に肘を伸ばしたり、前腕を回す動きが生じます。これは、力がボールに伝わらず肘や前腕に過剰な負担がかかります。
上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(肘OCD)は、進行に応じて以下の3つの病期に分けられます。
1.透亮期
・この段階では、肘の関節面にわずかな異常が見られるだけで、軟骨と骨がまだ分離していません。
・レントゲンで、上腕骨小頭に透明な部分(透亮帯)が見えることがあります。この透亮帯は骨の密度が低下している部分を示します。
・通常、無症状であることが多く、痛みや違和感がほとんどありません。早期に発見されることが少ないため、しばしば見逃されます。
・主に保存治療(安静、アイシング、リハビリテーション)が推奨されます。スポーツ活動の制限が必要です。
2. 分離期
・この段階では、軟骨とその下の骨が部分的に分離し始めます。
・レントゲンやMRIで、分離した骨片や軟骨の部分が確認できます。
・特に投球動作など肘に負担がかかる動きで痛みが増します。
・肘の可動域が制限されることがあります。
・引き続き保存治療が行われることが多いですが、症状が改善しない場合は手術が検討されます。
3. 遊離体期
・分離した骨片や軟骨片が完全に関節内で遊離し、自由に動く状態になります。
・レントゲンやMRIで、関節内の遊離体が確認できます。
・強い痛みや引っかかり感があり、肘の動きが著しく制限されます。
・関節がロッキングすることがあり、通常の動作が困難になります。
・遊離体の除去や損傷部分の修復する手術が必要になります。
上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(肘OCD)は、進行に応じて以下の3つの病期に分けられます。
1.透亮期
・この段階では、肘の関節面にわずかな異常が見られるだけで、軟骨と骨がまだ分離していません。
・レントゲンで、上腕骨小頭に透明な部分(透亮帯)が見えることがあります。この透亮帯は骨の密度が低下している部分を示します。
・通常、無症状であることが多く、痛みや違和感がほとんどありません。早期に発見されることが少ないため、しばしば見逃されます。
・主に保存治療(安静、アイシング、リハビリテーション)が推奨されます。スポーツ活動の制限が必要です。
2. 分離期
・この段階では、軟骨とその下の骨が部分的に分離し始めます。
・レントゲンやMRIで、分離した骨片や軟骨の部分が確認できます。
・特に投球動作など肘に負担がかかる動きで痛みが増します。
・肘の可動域が制限されることがあります。
・引き続き保存治療が行われることが多いですが、症状が改善しない場合は手術が検討されます。
3. 遊離体期
・分離した骨片や軟骨片が完全に関節内で遊離し、自由に動く状態になります。
・レントゲンやMRIで、関節内の遊離体が確認できます。
・強い痛みや引っかかり感があり、肘の動きが著しく制限されます。
・関節がロッキングすることがあり、通常の動作が困難になります。
・遊離体の除去や損傷部分の修復する手術が必要になります。
肘OCDは、初期の段階では症状がほとんどないため、見逃されがちです。
MRIやレントゲン、エコーなどを用いた画像検査は、早期に発見するために非常に役立ちます。
肘OCDは、初期の段階では症状がほとんどないため、見逃されがちです。
MRIやレントゲン、エコーなどを用いた画像検査は、早期に発見するために非常に役立ちます。
治療法
肘OCDの治療には、保存治療と手術治療の2つの方法があります。
早期に適切な治療を受けることで、症状の進行を防ぎ、肘の機能を維持することができます。
保存治療
・対象:骨がまだ成長している段階(骨端線閉鎖前)で、肘の可動域が20度未満しか制限されていない場合に行われます。
・方法:スポーツ活動を制限し、肘にかかる負担を軽減します。この治療は数ヶ月から1年以上続けることが必要です。
手術治療
・対象:保存治療で改善が見られない場合に行われます。
・方法:病気の進行状況に応じて手術法を選択します。手術では、遊離した骨や軟骨を取り除いたり、損傷部分を修復したりします。
治療法
肘OCDの治療には、保存治療と手術治療の2つの方法があります。
早期に適切な治療を受けることで、症状の進行を防ぎ、肘の機能を維持することができます。
保存治療
・対象:骨がまだ成長している段階(骨端線閉鎖前)で、肘の可動域が20度未満しか制限されていない場合に行われます。
・方法:スポーツ活動を制限し、肘にかかる負担を軽減します。この治療は数ヶ月から1年以上続けることが必要です。
手術治療
・対象:保存治療で改善が見られない場合に行われます。
・方法:病気の進行状況に応じて手術法を選択します。手術では、遊離した骨や軟骨を取り除いたり、損傷部分を修復したりします。
滑膜ヒダ障害とは
滑膜ヒダは、胎児の発生段階で作られた組織が、大人になっても残っているものです。
滑膜ヒダそのものは通常問題を起こしませんが、野球やゴルフなど肘を多く使うスポーツによって炎症を起こすことがあります。炎症が起きると滑膜ヒダが腫れたり、引っかかったりして痛みや不快感を生じます。特に、肘の後ろ側にある滑膜ヒダが影響を受けやすく、肘を伸ばすときに関節の間に挟まることで、痛みが生じます。
滑膜ヒダ障害とは
滑膜ヒダは、胎児の発生段階で作られた組織が、大人になっても残っているものです。
滑膜ヒダそのものは通常問題を起こしませんが、野球やゴルフなど肘を多く使うスポーツによって炎症を起こすことがあります。炎症が起きると滑膜ヒダが腫れたり、引っかかったりして痛みや不快感を生じます。特に、肘の後ろ側にある滑膜ヒダが影響を受けやすく、肘を伸ばすときに関節の間に挟まることで、痛みが生じます。
症状
・弾発現象:肘を動かしたときに引っかかりを感じること。
・ばね現象:肘が引っかかり、その後突然に動くような感覚。
・ロッキング:肘関節が一時的に動かなくなる状態。
症状
・弾発現象:肘を動かしたときに引っかかりを感じること。
・ばね現象:肘が引っかかり、その後突然に動くような感覚。
・ロッキング:肘関節が一時的に動かなくなる状態。
治療法
まずは、保存的治療(休息やリハビリ)を3か月以上行います。これで効果がない場合は、手術が検討されます。滑膜ヒダ障害は、早期に適切な治療を受けることで、肘の機能を回復させることができます。
治療法
まずは、保存的治療(休息やリハビリ)を3か月以上行います。これで効果がない場合は、手術が検討されます。滑膜ヒダ障害は、早期に適切な治療を受けることで、肘の機能を回復させることができます。
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内側型野球肘
内側上顆炎、内側側副靱帯損傷、尺骨神経障害など
外側型野球肘
離断性骨軟骨炎、滑膜ヒダ障害など
後方型野球肘
肘頭疲労骨折、後方インピンジメント障害など