オスグッド病とは
ひざの皿の下の骨が徐々に突出してきて、痛みが出ます。
正式名称はオスグッド・シュラッター病(Osgood-Schlatter disease)といいます。
発育期のスポーツ少年(大半が10〜16歳の男子)に起こりやすい疾患です。
オスグッド病の症状
- ひざの皿の下の骨がでっぱってくる
- 出っ張った部分を押さえると痛い
- 腫れたり、熱をもったりする
- 休むと痛みはなくなるが、スポーツをすると再び痛くなる
- ダッシュやジャンプをすると痛い
オスグッド病の原因
成長期の骨は急激に成長しますが、筋肉や腱などはその急激な成長に追いつきません。
そのため、骨に対して筋肉の長さが足らず、一時的に硬い身体になってしまう時期でもあります。
その結果生じる大腿四頭筋の柔軟性低下をきっかけに、ジャンプやダッシュなどの繰り返しの動作による引っぱり力がひざの皿の下の骨に加わります。
成長期のひざの皿の下には骨が成長するために必要な骨端核が存在していますが、
大腿四頭筋による強い牽引力が負担となり、骨端核の発育が阻害されます。
オスグッド病はどんなスポーツに多いの?
陸上競技、サッカー、バレーボール、バスケットボール、バドミントンなどに多くみられ、
動作ではジャンプ、ダッシュ、キック、フルスクワットなどで好発します。
オスグッド病の検査
スポーツで増悪するひざの皿の下の骨の痛み、圧痛、骨のでっぱりがあるとオスグッド病を疑います。当院では、超音波エコーを使った検査で軟骨の不正などを観察します。
場合によっては、病院でレントゲン検査を行い膝の骨の突出、不整、分離、小骨片などが認められることで診断されます。
オスグッド病の治療法
- 患部の安静・アイシング
- 体外衝撃波(圧力波)
- 鎮痛処置:湿布や超音波治療など
- オスグッドバンド
- テーピング
- インソール療法
オスグッド病に対する体外衝撃波(圧力波)
拡散型体外衝撃波(圧力波)療法とは、日本ではまだ導入の少ない治療法ですが、機器により強い圧力波を生み出し患部に照射する新しい治療法です。近年、欧米を中心に注目されています。
収束型の体外衝撃波は成長期の骨端線部に照射することは禁忌とされていますが、拡散型の衝撃波(圧力波)では推奨されています。
圧力波を脛骨粗面部分に当てることで、血管新生や骨形成などの組織再生を誘導し、痛み神経を麻痺させることから強い除痛効果があります。
難治性のオスグッド病や早期の競技復帰を望む例では非常に有効です。
オスグッド病に対するストレッチ
スタート姿勢
反対側の膝(図では右足)をしっかりと抱え込み動かないようにします。
ストレッチする側の足(図では左足)の膝は完全に曲げます。
ストレッチ姿勢
ストレッチする側の足を後ろに引っ張ります。
体幹と足が一直線になることが目標です。
横から見た姿勢
足が上に上がらないように注意してください。
太ももの前だけじゃなく後ろも硬い
ジャックナイフストレッチ
- 足を肩幅に広げてしゃがみ込み、膝と胸をつけた体勢になります。
- 足首をつかみ、膝と胸が離れないように注意しながら足を伸ばします。
- これ以上足が伸びないポイントで10秒間保持します。
- 上記①~③の動作を3セットから5セットおこないます。
オスグッド病に対するテーピング
大腿四頭筋の走行に沿ってキネシオテープを貼付します。
テープを引っ張らずに貼るのがコツです。