足根洞とは
足根洞とは、足首の距骨と踵骨の間にあって骨間距踵靭帯と外側距踵靭帯との間にある洞くつのような穴のことです。
足首の長引く痛み 足根洞症候群とは
足根洞に炎症や痛みがあり、足首の不安定感を伴う疾患です。
足根洞症候群の原因
足首をねんざした後にしっかりと治療せずにいることが原因のほとんど(全体の約7割はねんざ後に治療せずに放置したもの)といわれています。
足根洞の近くには靭帯がいくつもあり、足首の外側にブレるのを防いでいます。強い足首のねんざをすると、足首の外側にある前距腓靱帯断裂を起こします。
断裂と同時に足根洞内に出血し、これがゆくゆくは瘢痕組織や線維組織に変わり関節近くの滑膜炎や浮腫を起こします。このようなメカニズムで運動時痛が発生します。
足根洞症候群の症状
- 足首の外側、特に足根洞部を押さえると痛みがある
- 足首を内側に捻ると痛みは強くなる
- 不整地を歩いた時の痛い
- 下肢全体に痛みやしびれ、だるさを感じることもある
ネンザを放置するとどうなるの?
前述のとおりひどいねんざをすると、足首の靭帯を損傷します。同時に足根洞周囲の組織も傷ついてしまいます。
ねんざを何度も繰り返すと慢性的に足根洞周辺に負荷がかかり微細な炎症が続いてしまいます。
慢性的な腫れや炎症により神経の働きが悪くなり、足からのフィードバックを伝える能力が衰えます。
そうするとまたねんざをしやすくなったり、不整地を歩くときに足首が不安定になったりします。
足根洞症候群の検査
問診や触診、関節の動きの範囲、足首のぐらつき、歩き方などを調べ、場合によっては病院でレントゲン検査を行います。
足根洞症候群の治療法
- 患部の安静
- 鎮痛処置:湿布や超音波治療など
- サポーター・テーピング
- ストレッチ・トレーニング
- インソール療法
足首のネンザ後のリハビリ
①ビー玉つまみ
足の指でビー玉をつまみます。足の固定後は足の感覚が落ちますので、この運動で足の感覚を取り戻していきます。
②タオルギャザー
足の指でタオルをたぐりよせます。足の裏の筋力強化をはかります。
③スネの筋肉のトレーニング
足の甲にゴムバンドをかけ、足首を起こしバンドを引っ張ります。
④ふくらはぎの筋肉のトレーニング
足の裏にゴムバンドをかけ、足首を伸ばすようにバンドを引っ張ります。
⑤腓骨筋のトレーニング
足首に8の字にゴムバンドをひっかけ、両方の踵をつけたままつま先を外側に開き、バンドを引っ張ります。
腓骨筋を鍛えることで捻挫しにくくします。
靴合わせ・インソール療法
ネンザを繰り返す人の多くは足に問題を抱えています。
その一つに「浮き趾」があります。
浮き趾とは立ったり歩いたりするときに足の指が地面につかない状態をいいます。
浮き指だと足裏の接地面が狭まり、体が安定しにくくなります。
指で踏ん張れず、転倒にもつながりやすくネンザを繰り返してしまいます。
いちばん大きな原因は「足に合わない靴えらび」と「間違った靴の履き方」にあります。
足に合った良い靴を履き、インソールを継続的に使用し、足と靴の環境を良くしていくと、
足の使い方が変化し、歩行バランスの崩れが改善されます。