前回の記事で、巻き爪が進行すると巻き爪の「度数」が進んでいくことを書きました。
あわせて痛みの程度と巻き爪の進行度は必ずしも一致しないことを記載しました。
では、巻き爪が悪化していくとどうなるのでしょうか?
爪の形の変形
前述した通り、巻き爪が進行すると爪の変形が強くなっていきます。
自分で爪が切りにくくなってきたら要注意です。
爪は意識を持っていませんから、皮膚が硬かったり靴による圧迫や歩き方など圧のかかり方によって、柔らかい部分にどんどん爪が侵入して変形していきます。
爪の周りの皮膚が盛り上がる
爪のサイドの皮膚が盛り上がり、爪は皮膚に潜り込む格好で喰い込みが強くなっていきます。
炎症を繰り返すと皮膚が硬くなり盛り上がりが強くなります。
爪が伸びにくくなる
盛り上がった肉が邪魔になり、爪の成長を阻害してしまいます。そうすると爪が分厚くなってしまいます。(肥厚爪)
爪を短く切り過ぎてしまうなど、間違った爪切りによっても起こります。
炎症が起こる
爪が皮膚に食い込んで炎症が起こります。徐々に爪の周りの皮膚が赤く腫れ、痛みを伴います。靴とぶつかることで、長く歩いた日に急に激痛を起こすこともあります。
一度、炎症がおさまり痛みがひいても、炎症を起こす頻度は徐々に増していきます。
化膿する
巻き爪が皮膚に食い込んで炎症を起こし、その傷口から菌が入ってしまうと化膿してしまいます。
化膿するとさらに皮膚が大きく腫れ上がり、その腫れが爪をもっと内側に巻き込ませるという悪循環に陥ってしまいます。
肉芽組織の形成
巻き爪が増悪すると、「肉芽」という赤い肉のかたまりができます。肉芽は少しの衝撃でも出血し、悪臭を放ちます。
肉芽組織はなぜできる?
皮膚に爪が刺さり傷ができることに対し、傷を治そうとする機序が体内で起こります。滲出液が産生されグチュグチャとした湿った状態になります。この滲出液は、細菌感染による「膿」ではないため、抗菌薬は効かないことが多いです。細菌感染が原因ではないため、爪の喰い込みそのものが原因であるため、これを解除しない限り滲出液が出続けます。この滲出液が肉芽組織を形成させます。
ひどくなる前に相談を
皮膚の喰い込みや、出血、化膿、肉芽組織などにより爪が湿った状態が続くと、爪が傷んでしまいどんどん爪の変形が進みます。
まだそれほど痛みがないからと安易に考えて放置せず、お早めに相談してください。
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