リトルリーガーズショルダーの原因と治療法
金沢市のアルコット接骨院の疾患コラム
小学生高学年〜中学生に起こりやすいリトルリーガーズショルダー。正式名称は上腕骨近位骨端線離開といいます。その原因や投球フォームのポイント、テーピングなどを紹介します。
リトルリーガーズショルダーの原因と治療法
金沢市のアルコット接骨院の疾患コラム
小学生高学年〜中学生に起こりやすいリトルリーガーズショルダー。正式名称は上腕骨近位骨端線離開といいます。その原因や投球フォームのポイント、テーピングなどを紹介します。
骨の成長
子供の骨は、大人の骨とは全くの別物です。子供の骨はまだ完全な骨ではなく、軟骨の部分が残されています。
この軟骨部分は骨端軟骨(骨端線)といわれ、この部分で骨は成長します。成長期が過ぎると軟骨は完全な骨になり、これ以上骨は伸びなくなります。
骨の成長
子供の骨は、大人の骨とは全くの別物です。子供の骨はまだ完全な骨ではなく、軟骨の部分が残されています。
この軟骨部分は骨端軟骨(骨端線)といわれ、この部分で骨は成長します。成長期が過ぎると軟骨は完全な骨になり、これ以上骨は伸びなくなります。
リトルリーガーズショルダーとは
成長期に、腕の骨(上腕骨)が完全な骨になる以前に軟骨に繰り返しストレスが加わることで、骨端軟骨(骨端線)が損傷される疾患です。
正式名称は上腕骨近位骨端線離開といいます。
リトルリーガーズショルダーとは
成長期に、腕の骨(上腕骨)が完全な骨になる以前に軟骨に繰り返しストレスが加わることで、骨端軟骨(骨端線)が損傷される疾患です。
正式名称は上腕骨近位骨端線離開といいます。
投球時に肩が痛い
肩の付け根を触ると痛い
肩のだるさ
肩が動きづらい
投球時に肩が痛い
肩の付け根を触ると痛い
肩のだるさ
肩が動きづらい
力学的な問題
野球の投球、バレーボールのアタックなど、腕を高く挙げてから力いっぱい振り下ろす動作を繰り返すことでよく発生します。
例えば投球動作でボールをリリースした直後からの腕の振り下ろし(フォロースルー)では、腕の遠心力により上腕骨自体が強く引っ張られます。
特にカーブボールを投げると肩にねじれの力も加わります。そのため、軟骨が少しずつ傷つき、だんだんと炎症を起こし、最終的には軟骨がずれた状態になります。
力学的な問題
野球の投球、バレーボールのアタックなど、腕を高く挙げてから力いっぱい振り下ろす動作を繰り返すことでよく発生します。
例えば投球動作でボールをリリースした直後からの腕の振り下ろし(フォロースルー)では、腕の遠心力により上腕骨自体が強く引っ張られます。
特にカーブボールを投げると肩にねじれの力も加わります。そのため、軟骨が少しずつ傷つき、だんだんと炎症を起こし、最終的には軟骨がずれた状態になります。
成長期の特徴
骨端線が閉じる頃の10〜15歳は骨が急速に成長します。
男子では小学校高学年〜中学生にかけて、女子では小学校高学年にかけて身長の伸びがピークに達し、急激な身体的変化が生じます。この時期はパワー系能力、バランス系能力、スプリント能力が向上する一方で、骨の成長に筋腱の伸張性が追いつけず、相対的に柔軟性が低下する時期でもあります。
この成長に伴う筋のアンバランスにより小学校高学年〜中学生では姿勢変化が強くなります。悪い姿勢で運動を繰り返すことで投球障害を引き起こすと考えられています。
成長期の特徴
骨端線が閉じる頃の10〜15歳は骨が急速に成長します。
男子では小学校高学年〜中学生にかけて、女子では小学校高学年にかけて身長の伸びがピークに達し、急激な身体的変化が生じます。この時期はパワー系能力、バランス系能力、スプリント能力が向上する一方で、骨の成長に筋腱の伸張性が追いつけず、相対的に柔軟性が低下する時期でもあります。
この成長に伴う筋のアンバランスにより小学校高学年〜中学生では姿勢変化が強くなります。悪い姿勢で運動を繰り返すことで投球障害を引き起こすと考えられています。
問診や触診、関節の動きの範囲、体幹の柔軟性などを調べます。
リトルリーガーズ・ショルダーでは、上腕骨の骨端軟骨(骨端線)の部分に一致して強い圧痛(押さえると痛い)があります。
リトルリーガーズ・ショルダーが疑われる場合は病院でレントゲン検査やエコー検査を行います。
問診や触診、関節の動きの範囲、体幹の柔軟性などを調べます。
リトルリーガーズ・ショルダーでは、上腕骨の骨端軟骨(骨端線)の部分に一致して強い圧痛(押さえると痛い)があります。
リトルリーガーズ・ショルダーが疑われる場合は病院でレントゲン検査やエコー検査を行います。
当院では問診、触診に加え、エコー検査を実施します。超音波エコーを用いて患部を観察することで、詳細な病態を把握することができます。
当院では問診、触診に加え、エコー検査を実施します。超音波エコーを用いて患部を観察することで、詳細な病態を把握することができます。
超音波エコーで肩関節を投球側と反対側を比較して観察すると、投球側は軟骨部の不整や骨端線部分が隙間が開いたように描出されます。
エコー検査は侵襲がなく安全であり、骨端線離開の早期発見に役立ちます。
超音波エコーで肩関節を投球側と反対側を比較して観察すると、投球側は軟骨部の不整や骨端線部分が隙間が開いたように描出されます。
エコー検査は侵襲がなく安全であり、骨端線離開の早期発見に役立ちます。
・患部の安静(投球制限)
・LIPUS
・ストレッチ
・筋力トレーニング
・投球フォームの修正
・患部の安静(投球制限)
・LIPUS
・ストレッチ
・筋力トレーニング
・投球フォームの修正
使用するテープ
Leukotape(ロイコテープ)とCover Roll stretch(カバーロール)の2種類のテープを用います。
ロイコテープは伸縮性が全くなく、粘着力の強いテープです。カバーロールは薄い素材でストレッチが効いたテープです。カバーロールはロイコテープより幅があります。
使用するテープ
Leukotape(ロイコテープ)とCover Roll stretch(カバーロール)の2種類のテープを用います。
ロイコテープは伸縮性が全くなく、粘着力の強いテープです。カバーロールは薄い素材でストレッチが効いたテープです。カバーロールはロイコテープより幅があります。
誘導したい肩甲骨の動き
投球時に腕を挙上する際に肩甲骨は大きく動きます。とくに肩甲骨の受け皿が上を向く「上方回旋」の動きは重要です。
誘導したい肩甲骨の動き
投球時に腕を挙上する際に肩甲骨は大きく動きます。とくに肩甲骨の受け皿が上を向く「上方回旋」の動きは重要です。
テーピングポジション
腕を120°に挙上し、胸を張り良い姿勢をとります。
テーピングポジション
腕を120°に挙上し、胸を張り良い姿勢をとります。
ターゲットの筋肉
テープは僧帽筋下部線維と中部線維をアシストするように筋肉の走行に沿って貼付します。
ターゲットの筋肉
テープは僧帽筋下部線維と中部線維をアシストするように筋肉の走行に沿って貼付します。
カバーロール貼付
僧帽筋中部・下部線維に沿ってカバーロールを貼付します。この後貼るロイコテープの下地になります。
カバーロール貼付
僧帽筋中部・下部線維に沿ってカバーロールを貼付します。この後貼るロイコテープの下地になります。
ロイコテープ貼付
肩甲骨を良いポジションに保持した状態でロイコテープを引っ張りながら貼付します。
ロイコテープ貼付
肩甲骨を良いポジションに保持した状態でロイコテープを引っ張りながら貼付します。
1枚で効果が薄い場合は、ロイコテープをわずかにずらして2枚重ねて貼付します。
1枚で効果が薄い場合は、ロイコテープをわずかにずらして2枚重ねて貼付します。肩甲骨を良いポジションに保持した状態でロイコテープを引っ張りながら貼付します。
従来の骨端線離開の治療は、骨の炎症が治るまでに時間がかかり投球禁止期間が長くかかっていました。近年では骨端線部に微弱な超音波を照射する事で炎症緩和にかかる期間を約40%短縮できることがわかってきました。
当院では選手に早く復帰に向かっていただくために、低出力パルス超音波治療を積極的に行っています。
従来の骨端線離開の治療は、骨の炎症が治るまでに時間がかかり投球禁止期間が長くかかっていました。近年では骨端線部に微弱な超音波を照射する事で炎症緩和にかかる期間を約40%短縮できることがわかってきました。
当院では選手に早く復帰に向かっていただくために、低出力パルス超音波治療を積極的に行っています
不良フォームの原因は、次の3点が考えられます。
・痛みをかばうためにその投げ方しかできない
・投球に必要なコンディションが整っていない
・根本的に投球フォームが悪い(良好なフォームを知らない)
不良フォームの原因は、次の3点が考えられます。
・痛みをかばうためにその投げ方しかできない
・投球に必要なコンディションが整っていない
・根本的に投球フォームが悪い(良好なフォームを知らない)
不良フォームの特徴として、次の項目が挙げられます。
・肘が下がっている
・体の開きが早い
・投球方向への体幹の回旋が少ない
・体幹の非投球側へ体を傾ける
これらの要因として、肩まわり、股関節、胸部の筋肉の硬さが考えられます。
不良フォームの特徴として、次の項目が挙げられます。
・肘が下がっている
・体の開きが早い
・投球方向への体幹の回旋が少ない
・体幹の非投球側へ体を傾ける
これらの要因として、肩まわり、股関節、胸部の筋肉の硬さが考えられます。
リトルリーガーズ・ショルダーでは、
・肩まわりの筋肉のアンバランス
・肩甲骨の動きが悪い
・体幹の柔軟性がない
などの理由で、肩甲骨の向いた方向で腕をねじることが出来ていない症例が多くみられます。
肩甲骨の向いた方向で腕をねじれないと、骨端軟骨(骨端線)に過剰な負担がかかってしまいます。
リトルリーガーズ・ショルダーでは、
・肩まわりの筋肉のアンバランス
・肩甲骨の動きが悪い
・体幹の柔軟性がない
などの理由で、肩甲骨の向いた方向で腕をねじることが出来ていない症例が多くみられます。
肩甲骨の向いた方向で腕をねじれないと、骨端軟骨(骨端線)に過剰な負担がかかってしまいます。
無理して投げ続けていたらどうなりますか?
痛みを我慢して投球を続けていると、炎症がひどくなり投球が困難になります。骨端線は骨の成長に大切なところですから無理していると骨の変形や成長障害につながります。
リトルリーガーズショルダーは投球を制限してリハビリテーションを行うことで、比較的予後が良好な疾患です。レントゲン上、骨端線の幅が左右差がなくなるまで投球を制限し、投球制限中は再発を防ぐために積極的にリハビリテーションを行うことが重要です。
投球禁止(ノースロー)はどのくらいの期間必要ですか?
肩関節の圧痛と運動時痛が消失するまでの一定期間は投球を禁止する必要があります。通常は2週間〜1ヶ月程度の投球制限とリハビリテーションにより投球再開が可能で、2〜3ヶ月で競技への完全復帰が可能であることが多いです。
少しでも早く復帰したいのですがどうしたらいいですか?
LIPUS(低出力パルス超音波療法)をおすすめします。骨の炎症をおさえるのに大変有効です。骨端線部分に1日1回20分を2週間続けて照射します。
投球禁止(ノースロー)中にできることはありますか?
患部周囲のコンディショニングとして三角筋、広背筋、大胸筋、上腕二頭筋などの持続的ストレッチを行います。
患部外のコンディショニングとして下腿三頭筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、腸腰筋のストレッチと並行して、バランスエクササイズやモーターコントロールエクササイズなどを行います。
リトルリーガーズショルダーは再発しますか?
骨端線が閉鎖して成人の骨になってしまうと骨端線部分での障害はなくなります。小学校高学年〜中学生の成長期特有の疾患といっていいでしょう。この期間は再発するリスクはあります。まれに高校生でも骨の成長があるうちは再発することがあります。
この期間が過ぎた後は、関節唇損傷や筋腱の炎症などが主になります。