槌指(マレットフィンガー)とは
スポーツや転倒時に突き指したときに生じる、DIP関節屈曲変形です。末節骨基部背側の裂離骨折を骨性マレット、指を伸ばす腱の断裂によるものを腱性マレットといいます。
DIP関節ってなに?
遠位指節間関節を英語で略したもので、いわゆる第1関節のことです。
マレットフィンガーの原因
2つの受傷原因が考えられます。DIP関節が過度に曲げられた際には、腱の断裂をもたらします。小さな裂離骨折を伴うこともあります(下図①)。
一方、DIP関節が過剰に反って受傷した場合は関節面の1/3以上の大きな骨折を伴います(下図②)。
マレットフィンガーの症状
- DIP関節が曲がったままになる
- DIP関節の痛み、腫れ、発赤、熱感
- 自力では指が伸ばせない
マレットフィンガーの検査
突き指をしてDIP関節部に特徴的な変形が見られた場合、病院でレントゲン検査をして骨性マレットか腱性マレットかを見極めます。骨折があるかないかで治療方針が異なります。
マレットフィンガーの治療法
1.腱性マレットに対しては、原則的に手術をせずに治療できます。
マレットフィンガースプリントを用いて6~8週間固定します。
2.骨性マレットに対しては、骨のズレがなければマレットフィンガースプリントで固定を、ズレがある場合は手術療法を行います。
突き指を甘く見てはダメ!
たかが突き指と甘く見てはいけません。放置していて自然に治るものではありません。
次のような症状がある場合は整形外科を受診してレントゲン検査を受けましょう。
- 指の形が変形
- 関節ではない方向に指が動く
- 関節が全然動かなくなる
- 腫れがひどく皮膚の下で変色(内出血)もひどい場合