シンスプリントとは
「すねの内側に出る痛み」のことで、特にランニングやジャンプを繰り返す競技でよく見られます。
以前はシンスプリントは筋肉に引っ張られることで脛骨の内側に痛みが出ると考えられていましたが、骨膜炎、疲労性骨障害、筋肉の使いすぎや慢性的な疲労による障害、筋膜過負荷、疲労骨折、慢性労作性コンパートメント症候群などさまざまな病態が含まれると考えられています。

足首の動きの修正テーピング
テーピングの目的
足のアーチが過度に低下すると、脛骨が内側にねじれやすくなり、膝外反)状態が強くなります。
足にインソールやテーピングをすることで、脛骨の過剰な内旋(内ねじれ)を抑えることができます。これらのサポートにより、膝やすねへの負担を軽減し、正しい動きへ導くことができます。

アンダーラップ
足首を直角にした状態でアンダーラップを巻きます。

アンカーテープ
アンカーテープを下腿部に3本、前足部に1本巻きます。

ホースシュー
ホースシューを内側から外側に向かって2本巻きます。これはつま先が外を向く(toe out)を防ぎます。

踵骨内返しテーピング
踵骨が内側に倒れて(踵骨外返し)、アーチが低下するのを防ぎます。踵の外側から貼り始め、内側を通って下腿までテープをしっかりと貼った状態で貼ります。
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踵骨の外返し
- かかとの骨(踵骨)が内側に倒れる動き(外がえし)
- 距骨(足首の骨)が前に傾く動き(底屈)
- 中足部(足の中央部分)が外側に開く動き(外転)
これらの動きが組み合わさることで、土踏まずがつぶれた状態(アーチの低下)になります。

踵骨外返しテーピング
一方向にだけテープを巻くとバランスを崩してしまうため、反対方向にも巻いてバランスをとり踵骨を安定させます。
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仕上げのホースシューとアンカー
最後にホースシューとアンカーを同様に巻いて完成です。

キネシオテープを使ったシンスプリントのテーピング
足底テーピング①
キネシオテープ75mmを使って足底のアーチを保持するテーピングを貼ります。踵から足趾の付け根までの長さよりやや短めにテープをカットします。
足の裏にテープを引っ張りながら貼り、まずは小趾側の半分だけをしっかりとくっつけます。

足底テーピング②
土踏まず側を横方向に引っ張って貼付します。
キネシオテープは横方向にはほとんど伸びませんが、できる限り伸ばして貼ります。

土踏まず部のテーピング
キネシオテープ50mmで、土踏まずを2〜3周巻きます。土踏まずを持ち上げる方向にだけ引っ張って巻きます。
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筋肉のサポートテープ
脛骨の内側に沿ってテープを引っ張りながら巻きます。
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筋肉弛緩テープ
脛骨につく筋肉を引き寄せるように短めのテープを3本貼ります。

完成
足のアーチが低下するのを防ぐテープ、脛骨内側の筋肉をサポートするテープ、筋肉の牽引力を緩めるテープで構成されます。
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テーピングの目的
脛骨の内側には、長趾屈筋やヒラメ筋の一部がついています。
足のアーチが落ち込むと、これらの筋肉が引き伸ばされて骨膜を引っぱるようになり、それがシンスプリントの原因になることがあります。
このテーピング方法には、
① 足のアーチを支えること
② 筋肉が骨膜を引っぱる力をゆるめること
という2つの目的があり、痛みの軽減に効果的です。

扁平足とシンスプリント
シンスプリントでは、足の内側のアーチ(土踏まず)が低くなる傾向があります。また、扁平足の人では、歩くときに後脛骨筋という筋肉が通常よりもたくさん働いていることが分かっています。
このような過剰な筋肉の働き(筋活動)が、シンスプリントの発症メカニズムの一つである「筋による牽引(traction-induced)」と関係していると考えられています。
このメカニズムでは、以下の筋肉が関与します:
- 長趾屈筋
- 後脛骨筋
- ヒラメ筋
これらの筋肉が強く引っ張られることで、すねの内側の骨膜や骨そのものにストレスがかかり、痛みが発生するという考え方です。
さらに、過去にシンスプリントを経験した人は、後脛骨筋や長趾屈筋が硬くなっていることが多く、これらの筋肉の過度な緊張が痛みの原因のひとつになっている可能性があります。

使用するテーピング
ニトムズ製キノフィックスを使用します。このテープは縦・横どちらにも伸縮する「全方向伸縮性素材」のため、テープ1本でシンスプリントの痛みを軽減するテーピングを巻くことができます。

テーピングポジション①
足首の角度を90°にします。

テーピングの巻き始め
足の裏の中央部分の小指側からテープを巻き始めます。

アーチサポート
まずは内側縦アーチ(土踏まず)を引き上げる目的でテープを巻きます。アーチの部分のみテープを引っ張って巻きます。

同じ要領で3〜4周巻きます。

テーピングポジション②
足首を自然に下げた角度に変えます。

脛骨部のテーピング
スネの骨(脛骨)側だけ半分にテープを仮止めします。

筋肉を弛緩させるテーピング
キノフィックスは横方向にも伸びる特性があります。まだ貼り付けていない部分を横方向に引っ張り、貼付します。テープの縮もうとする力が筋肉を緩ませます。

完成
完成した状態です。

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この記事を書いた人
アルコット接骨院院長
柔道整復師
フットケアトレーナーマスターライセンス、足爪補正士、テーピングマイスター、IASTMマニュアルセラピスト、FMS 、SFMA、FCS、BPL mentorship program修了、マイオキネマティック・リストレーション、ポスチュラル・レスピレーション、ペルビス・リストレーション、インピンジメント&インスタビリティ修了