症例紹介FV(スマホ)

足関節捻挫のメカニズム

内反捻挫(多くの捻挫のパターン)

方向転換や着地動作、不整地での踏み外し、他者の足を踏む、接触プレーなどで、足首が内側にひねられることで起こります。特に人の足を踏んだり、地面のデコボコに足を取られたりすると発生しやすく、足首の外側の靱帯を損傷します。

外反捻挫(比較的まれなパターン)

足先が地面に固定された状態で下腿への衝突や捻り動作が加わることで起こります。例えば、ふくらはぎやすねの外側にぶつかられたときに生じやすく、足首の内側の靱帯を傷めます。

足関節捻挫のタイプ
捻挫の動体

足関節外側側副靱帯損傷は、つま先が内側を向く「内転」とともに足が内側に傾く「内返し」が起こることで発生します。第5中足骨が外にねじれる → 踵立方関節が開く → 距骨が前外方へずれる、という順に進行し、最終的に靱帯の損傷へ至ります。
つまり、靱帯が損傷する前段階として足部の外側の構造が崩れていくのです。
そのため、テーピングでは足首そのものを固定するだけでなく、こうした一連の「悪い動き」を防ぐことが重要になります。

足関節捻挫のテーピング

足関節捻挫の機能的テーピング

アンダーラップ

アンダーラップを巻きます。なるべく皺にならないように注意します。

足関節捻挫のテーピング(アンダーラップ)

アンカー

下腿側にアンカーを2〜3本、前足部側に1〜2本アンカーを巻きます。アンダーラップをややはみ出して少しだけ皮膚に触れるように巻きます。

ホースシュー

ホースシューを2本巻きます。つま先が内側を向く動き(足部の内転)を防ぐため、小趾側から巻き始めます。

足関節捻挫のテーピング(ホースシュー)
足関節捻挫のテーピング(踵骨内反制動テープ1)

踵骨内反制動テープ①

ハードタイプの伸縮テープを使います。しっかりと固定したいので、テープをあらかじめ最大限引き延ばしておきます。

足関節を下垂した肢位にします。踵骨に対して45°の角度で貼り始めます。手で踵骨を回内させテープで固定します。

踵骨内反制動テープ

同じくテープをあらかじめ最大限引き延ばしておきます。

足関節を中間位にします。踵骨に対して60°の角度で貼り始めます。同じく手で踵骨を回内させテープで固定します。

足関節捻挫のテーピング(踵骨内反制動テープ2)
足関節捻挫のテーピング(踵骨内反制動テープ3)

踵骨内反制動テープ

テープをあらかじめ最大限引き延ばしておきます。

足関節を背屈位(足首を起こした状態)にします。踵骨に対して90°の角度で貼り始めます。手で踵骨を回内させテープで固定します。

踵骨アライメント調整テープ

踵骨内反制動テープ3本だけだと、踵骨が内側に倒れすぎるため、調整のために反対方向に向かって貼ります。

足関節中間位で踵骨内反制動テープ②と正反対に貼ります。

足関節捻挫のテーピング(踵骨アライメント調整テープ)
足関節捻挫のテーピング(立方骨挙上&踵立方関節離開制動テープ)

立方骨挙上&踵立方関節離開制動テープ

足底から第5中足骨底、立方骨、踵骨にまたがるようにテープを巻きます。手で立方骨を挙上する方向に誘導しながらテープを貼るのがポイントです。

距骨前方偏位制動テープ

足底から舟状骨を通って踵骨後方に向かってテンションをかけてテープを貼ります。

足関節捻挫のテーピング(距骨前方偏位制動テープ)
足関節捻挫のテーピング(アンカー)

アンカー

同じくホースシュー、下腿部のアンカー、前足部のアンカーを巻いて完成です。

麻多 聡史
院長

この記事を書いた人

アルコット接骨院院長
柔道整復師
フットケアトレーナーマスターライセンス、足爪補正士、テーピングマイスター、IASTMマニュアルセラピスト、FMS 、SFMA、FCS、BPL mentorship program修了、マイオキネマティック・リストレーション、ポスチュラル・レスピレーション、ペルビス・リストレーション、インピンジメント&インスタビリティ修了