シンスプリントとは
シンスプリントの正式名称は、過労性脛骨骨膜炎、過労性脛部痛、脛骨内側症候群などといいます。
スネの骨の内側に付着する筋肉が疲労することによる柔軟性低下を起こします。特にヒラメ筋、後脛骨筋、長趾屈筋はスネの骨に付着するため、骨の表面を覆う骨膜を刺激して微細損傷(骨膜炎)をきたし、スネの内側に痛みを発生させると考えられます。
シンスプリントの原因
使いすぎ症候群の1つであり、ランニングやジャンプを繰り返し行うスポーツによくみられる疾患です。
運動量が急激に増える新入部員などに多く見られます。
次の要因がみられる場合は、さらに発症する危険性があります。
- 多すぎる運動量
- 運動内容、運動量、フォームの変更
- 路面が硬い
- 薄いシューズ
- O脚、回内足、扁平足など
- ふくらはぎの筋肉の柔軟性低下
- 足首が硬い
- 股関節や膝関節、足関節がうまく使えていない
2つのタイプのシンスプリント
シンスプリントは2つのタイプに分けられます。
すねの内側が痛くなる「後内側型」が一般的ですが、すねの前側が痛くなる「前外側型」もあります。
それぞれ痛みを引き起こしている筋肉が異なるため、治療方法も変わってきます。
後内側型シンスプリントについて
内側型シンスプリントの症状
- 初期のものはスポーツ後の違和感(スネの内側)
- 進行すると、スポーツ中にも痛みが出る
- 重度になると安静にしていてもうずくようになる
後内側型シンスプリントの検査
片脚でジャンプし片脚で着地すると踏切時または着地時にいつもと同じ痛みが再現された場合、
後内側型シンスプリントが疑われます。
また、痛みの部位を正確に特定します。通常は、長さ5㎝以上の線状に認められます。

前外側型シンスプリントについて
前外側型シンスプリントの症状
- 痛みやだるさ、つっぱり感(スネの外側)
- 和しゃがむ姿勢を継続すると痛い
- ランニング・ウォーキング、スキー、柔道などでみられる
前外側型シンスプリントの検査
和式トイレに座っているような姿勢でしゃがんでいるといつもと同じ痛みが再現された場合、前外側型シンスプリントが疑われます。

シンスプリントの治療法
- 患部の安静・アイシング
- 体外衝撃波(圧力波)治療
- 鎮痛処置:湿布や超音波治療など
- テーピング
- ストレッチ
- 筋膜リリース
- 靴合わせ・インソール療法
シンスプリントに対する体外衝撃波(圧力波)治療
拡散型体外衝撃波(圧力波)療法とは、日本ではまだ導入の少ない治療法ですが、近年、欧米を中心に注目されており、骨膜や筋・筋付着部に痛みのあるタイプのシンスプリントに有用といわれています。
圧力波(強い振動)を脛骨の圧痛部位へ当てることで、痛み(知覚神経)を麻痺させます。特に筋肉に痛みがある場合に高い効果が期待できます。組織の再生・治癒以外にも筋肉の緊張を和らげる効果もあるためオーバーユースの症例には効果を発揮します。
痛みを抱えながらも競技を続行したい選手にはおすすめの治療法です。

シンスプリントに対するストレッチ

(図;IDストレッチ 第2版より引用)
シンスプリントに対する超音波療法
シンスプリントの引き金となる筋肉はふくらはぎやすねの深層に位置することが多く、従来の電気治療ではなかなか刺激が到達できずにいました。超音波療法では1秒間に100万回(1MHz)または300万回(3MHz)の高速度振動であるため、深部の筋にまで刺激を与えることができます。
患部の筋肉の柔軟性の改善や血流の改善による痛みを軽減、筋肉のスパズムの改善、炎症の治癒を早めるなどの効果があります。

シンスプリントに対する靴合わせ・インソール療法
シンスプリントの原因の一つにかかとの骨が内側や外側に倒れてしまうことがあげられます。
かかとの骨が内側に倒れると、土踏まずが落ち込み扁平足になります。
それを防ごうとネに付く筋肉が引っぱられたり過剰に収縮したりして痛みを引き起こします。
一方、かかとの骨が外側に倒れると、スネの骨の中で捻れが発生します。
ちょうど捻れが交差する部位で痛みが出ます。インソールを使い、これを是正することが有効です。

シンスプリントに対する筋膜リリース
すねの骨(脛骨)の内側や後面には、たくさんの筋肉が付着するため組織が炎症を起こすと、癒着や滑走障害が発生してしまいます。
特に後面の筋肉は何層にも重なっているため、丁寧なリリースが必要です。
これらの筋や筋膜の障害には、IASTM toolsが有効です。
