足関節前方インピンジメント症候群は、足首の前側で距骨きょこつと脛骨けいこつの間で、骨や軟部組織なんぶそしきがぶつかったり、挟まったりして痛みや制限を引き起こす状態です。

「フットボーラーズ・アンクル」とも呼ばれることがありますが、サッカーやフットボールだけでなく、バスケットボール、ダンスなどさまざまなスポーツで発生する可能性があります。

底屈ていくつ：つま先を床の方に向ける動きです。例えば、つま先立ちをするときに行う動きです。

背屈はいくつ：足首を自分の方に起こす動きです。つま先を持ち上げるような動きになります。足関節前方インピンジメント症候群が起こるのはこの動きです。

関節内で骨が少しずつ突き出すように変化し、足首を動かすと骨が当たって痛みが出るものをいいます。

捻挫ねんざ などの怪我の後に靱帯じんたい や関節の内側の膜（滑膜かつまく ）が肥厚ひこう し、関節内でこすれたり圧迫されたりすることで痛みが出ます。

足首の捻挫などで靱帯損傷した後、足首が不安定になり、その結果、異常組織（滑膜や瘢痕組織など）が増殖し挟まれたり、炎症を引き起こしたりします。

足首を繰り返し強く背屈したり、ボールを蹴るような直接的な衝撃が骨の成長を引き起こし、それが痛みを生じさせることがあります。

骨と軟部組織の両方が原因となる場合もありますが、必ずしも痛みが出るわけではなく、レントゲン画像やMRIだけではわからないことも多いため、実際の症状をよく確認する必要があります。

足首の前側を押さえたまま曲げて痛みが出る場合は(Molloy-Bendall test)、足関節前方インピンジメントの可能性があります。

明確に骨によるインピンジメントが疑われる場合は、レントゲンやMRIによる検査が必要になります。

また足首が不安定な場合もありますので、不安定性を確認するテストも行います。不安定性がある場合は、足首のリハビリを行います。

拡散型体外衝撃波治療は、足関節周囲の組織に強力な衝撃波を与えることで、修復過程を促進し痛みの元となる異常な組織の改善させます。

また、衝撃波は神経終末を刺激するため、痛みの軽減にもつながります。この治療法は手術を行わずに症状を和らげる効果があり、通常の治療と組み合わせることで早期の回復が見込めます。

使用するテープは幅50mmのハード伸縮テープです。

足首の前面からくるぶしの前方を通って、さらに踵の後方を通って元の位置に戻る長さにテープをカットします。

テープの端に２箇所スリットを入れ、テープの中央に10cmほど残して２叉に裂きます。

２又に裂いたテープの上の２本を、くるぶしの上を通って足首の後ろでテープを交叉させます。この時、テープを引っ張る必要はありません。

距骨を後方に押し込むようにテープを強めに引っ張りながら踵の後方まで巻きます。同じ工程を外くるぶし側でも行って、踵の後方でテープを交叉させます。

テープの張力で距骨を後方に押し込まれます。これにより脛骨と距骨の衝突を防ぐことができます。

※わかりやすく黒のテープで巻いてあります。

※わかりやすく黒のテープで巻いてあります。