ペルテス病とは

子どものころに、大腿骨頭部だいたいこっとうぶ成長軟骨せいちょうなんこつが障害される病気です。

発症する年齢は6歳が最も多く、4歳から7歳ころに見られます。

男女比は6:1の割合で、男の子に多くみられます。

ペルテス病とは
ペルテス病とは

ペルテス病の症状

  • 股関節の痛み(しばらく休むと痛みが楽になることもある)
  • 特に太ももを外側に倒したり、内側にひねるときに痛い
  • 可動域の制限(あぐらをかけない等)
  • 跛行(びっこをひく、歩き方がおかしい、足を引きずる等)
  • 初期には膝に痛みを訴えることもある

ペルテス病の原因

大腿骨頭の成長部の血行不良と考えられていますが、血行不良をまねく原因はわかっていません。

ペルテス病骨頭の血流
ペルテス病の原因

早期発見、早期治療を

この病気は早期発見できれば時間はかかりますが元通りに治っていきます。

発見が遅れ股関節に体重をかけていると、変形を残したままになってしまうので、変形を残さないために早期発見・早期治療が大切です。

ペルテス病の経過

子どもの病気であるペルテス病は、血行の再開通がおこり修復することが大きな特徴です。
発症から修復が終了するまで、約3~5年かかります。これを大きく4つの病期にわけます。

  1. 滑膜炎期
    極めて初期でレントゲンではわずかな変化しかない時期です。
    この時期にも壊死は進行しつつあり、MRI、超音波診断などではその変化をとらえることができます。
  2. 壊死期
    レントゲンでは骨頭部は壊死により、平らになり白くうつります。
    この時期がもっとも骨がもろくつぶれやすい時期です。
  3. 分節期
    血行の再開により、壊死した骨が新しい骨に置き換わる時期です。
    この時期は1〜2年続きます。
  4. 修復期
    修復が完了するまでの時期です。
    もうつぶれる危険性はありません。
    逆にこの時期に治療を開始しても効果はありません。
ペルテス病の進行
ペルテス病の進行

ペルテス病の検査

問診や触診、股関節の動きの範囲、歩き方、足の長さの違いなどを調べ、ペルテス病が疑われる場合は早急に病院でレントゲン検査を行います。

股関節の痛みはさほどではなく、膝が痛いと訴えることも多いため、この年代の膝痛には股関節疾患を頭において検査をすすめることが重要です。

ペルテス病の治療法

ペルテス病は、骨頭がつぶれてしまうとつぶれたままの形で新しい骨ができ、変形した骨頭となってしまいます。

将来的には変形性股関節症となり、大人になってから痛み歩行の異常が生じます。

いかにつぶれやすい時期に骨頭をそのままの形に保つかがペルテス病の治療となります。

次のような治療があります。

  1. 経過観察
  2. 装具療法
  3. 手術療法

こんな症状に注意

2~10歳前後の子供(とくに男の子)で、最近歩き方がおかしく、次のような症状がある場合はペルテス病の恐れがあります。すぐに検査を受けましょう。

ペルテス病の特徴
ペルテス病の特徴