巻き爪が全身に影響を及ぼす理由
爪は小さなパーツですが、なくてはならない存在です。
爪の主な働きは次の通りです。
- 指を保護する
- 指の力を強くする
- 指の感覚を鋭くする
- 指の動きのバランスをとる

さらにバランスも崩れて転倒の原因にもなります。
巻き爪とは
巻き爪とは、爪の端が内側に巻き込んでしまった状態のことです。爪が巻いてゆびの肉に食い込み、場合によっては炎症を起こします。足の先は非常に敏感な場所なので激しい痛みを伴います。巻き爪の方は約10人に1人の割合とされています。
巻き爪の種類

弯曲爪(いわゆる巻き爪)
爪が横方向に丸まってきた状態で、いわゆる巻き爪とはこのことをいいます。
軽度の場合は、痛みを伴わないこともありますが、重症化するにしたがって、巻いてきた爪が皮膚に刺さり炎症を起こし出血や化膿、痛みを伴うようになります。
重症化する前にケアすることで、痛みを未然に防ぐことが大切です。

陥入爪(いわゆる深爪)
爪が周囲の肉にくい込んでいる状態のことです。いわゆる深爪です。
爪の角やトゲが皮膚に突き刺さり、多くは炎症を伴います。

巻き爪の症状

爪の形の変形
ストロー状に巻いてくる
爪の周りの肉が盛り上がる
爪の両サイドや先端の肉が盛り上がってしまい、爪が陥入してしまいます。
爪が伸びない
盛り上がった肉が邪魔になり、爪の成長を阻害してしまいます。そうすると爪が分厚くなってしまいます。(肥厚爪)
炎症を起こす
爪が皮膚に食い込んで炎症が起こります。徐々に爪の周りの皮膚が赤く腫れ、痛みを伴います。
腫れや痛みの程度は、巻き爪の進行と共にひどくなっていきます。
化膿する
巻き爪が皮膚に食い込んで炎症を起こし、その傷口から菌が入ってしまうと化膿してしまいます。
化膿するとさらに皮膚が大きく腫れ上がり、その腫れが爪をもっと内側に巻き込ませるという悪循環に陥ってしまいます。
肉芽形成
炎症や化膿が増悪すると、「肉芽」という赤い肉のかたまりができます。肉芽は少しの衝撃でも出血し、悪臭を放ちます。
巻き爪になるメカニズム
爪はもともとストロー状に丸まろうとする性質をもっています。
それに対して、歩いているときの地面からの反力が、丸まろうとする爪を押し返してくれます。
つまり、巻き爪にならないためには、足のゆびがしっかりと地面についていて蹴り出すことが必要です。

巻き爪の原因

間違ったサイズの靴
足に合っていない窮屈な靴やつま先の細いヒール靴は爪が圧迫されて巻き爪の原因になります。逆に大きめの靴は、靴の中で足が前に滑ってしまい同じように爪が圧迫されてしまいます。
間違った爪切り
間違った爪切りの方法は、爪が皮膚の中に落ち込んでしまい巻き爪や陥入爪の原因になります。
爪疾患
爪白癬(爪の水虫)になると、爪は分厚くなり巻いてくる傾向にあります。爪白癬は痛みがないので気づくのが遅れて巻き爪が進行してしまいます。
体重増加
肥満や妊娠が原因で体重が急激に増加すると、指先に無理な圧迫が加わり巻き爪や陥入爪の原因になります。
肥満や妊娠でお腹が出てくると後方重心になりやすく、かかとに体重が乗り足のゆびが浮いてしまう(浮きゆび)ことも原因として考えられます。
怪我
爪が割れたり剥がれたりすると巻き爪や陥入爪になりやすくなります。また、サッカーなどで指先に激しい負荷をかけすぎると爪の周囲で炎症が起こり巻き爪の原因になります。
遺伝
爪の形状そのものが原因になることもあります。爪が薄くて柔らかい方も巻き爪になりやすくなります。家族で巻き爪の方がいる場合は注意が必要です。
加齢
爪は肌と同じで年をとるごとに乾燥し厚く硬くなります。乾燥すると爪自体が縮み丸まってしまうため、巻き爪のリスクが高まります。
また、高齢になると変形性膝関節症や外反母趾の方も増え、正しく足のゆびに体重がかからないため巻き爪を助長してしまいます。

上記の原因に当てはまる方は、日頃から注意しておきましょう。
巻き爪予防法

- 足をきれいに洗う
足を清潔に保つことはあらゆる足のトラブルを防ぐことにつながります。また、ちょっとした足の変化にも気づくことができ、トラブルを早い段階で対処できることになります。
- しっかりと水分を拭き取る
水分が皮膚に残ったままでは、水分が蒸発するときに熱を奪い、皮膚が乾燥しやすくなります。指の間に水分が残っていると不衛生になり、感染症や湿疹の原因になります。指の間、爪の周りなども1本1本丁寧に拭き取ってください。
- 足と爪を保湿する
お風呂上りに皮膚がしっとりしているうちにクリームなどで足の裏から指先、爪までまんべんなく保湿してください。乾燥がひどい場合は、ワセリン入りや尿素入りのクリームが適しています。ビタミンE配合のものやヒルドイド軟膏なども保湿力が高く乾燥肌の方にはお勧めです。クリームを塗った後は靴下を履いて冷えや感想を防いでください。

巻き爪予防(保湿)

巻き爪予防(保湿)
- 爪を正しく切る
爪の正しい切り方はあまり知られていません。「爪は短く切りそろえる」「爪は爪の形に沿って丸く切る」と学校で指導されることも多いと思いますが、これは間違いです。爪は「丸く」ではなく、「四角く」切るのが正解です。これを「スクエアカット」といいます。爪を指の先端か、それより少し長めの位置でまっすぐ横に切ります。両端の角をヤスリでやや丸く整えます。
爪を深く切る「深爪」と、爪の角を斜めに切る「バイアスカット」は、絶対にしてはいけません。深爪すると、指の先の肉が盛り上がって爪が埋もれてしまい、爪がまっすぐに伸びなくなります。

正しい爪の切り方
- 自分に合った靴を選ぶ
靴選びの際に大切になってくるのは、ご自身の足の形の特徴を知ることです。足は、長さ・幅・太さ・高さ・土踏まずの形・つま先の形などお一人お一人でさまざまです。同じ形のあしはありません。また、メーカーによって規格がまちまちなため、靴を選ぶときはサイズだけでなくよく試し履きしてフィット感を念入りに確かめてください。

巻き爪と靴の関係

巻き爪の原因(靴との衝突)
- インソールや靴を活用し正しい歩き方や姿勢を身につける
足にトラブルを抱えた方は、足の形がゆがみ、さらにカラダ全体が歪んでいます。歪んだ足で、柔らかいフニャフニャな靴や大きくてブカブカな靴を履くとさらにゆがみが酷くなります。しっかりとした靴を履き、インソールでゆがみを改善することで、正しい歩き方や姿勢を身につけることができます。
巻き爪は予防するのが一番です。
しかし、一度巻き爪になってしまうと放っておいても自然に治癒することはありません。
爪の構造

巻き爪治療(爪の構造)

巻き爪治療(爪の構造)
①爪甲(nail plate)
爪の本体のことです。髪の毛と同じでハードケラチンで出来ています。
②爪溝(nail grooves)
爪の根本と両側には溝があり、これを爪溝といいます。根本の溝は深く、両側の溝は浅くなっています。
③後爪郭(posterior nail fold)
根本の爪甲を囲んでいる皮膚のことです。
④側爪郭(lateral nail fold)
爪甲の両側を囲んでいる皮膚のことです。爪甲を指の背面に固定する役割があります。
陥入爪(深爪)では、側爪郭に炎症が起こっています。
⑤爪上皮(cuticle)
甘皮とよばれる部位のことです。爪甲と後爪郭の隙間を閉じる役割があります。
⑥爪根(nail root)
爪甲の根元部分をいいます。実際には後爪郭に覆われていて表層からは見えません。
⑦爪母(nail matrix)
爪を作り出す部分です。
大部分は後爪郭に覆われていて見えません。
この爪母になんらかのトラブルがあると、病的な爪甲を形成することがあります。
⑧爪床(nail bed)
爪甲の下にある軟部組織のことです。
正常な状態ではほとんど角化しませんが、病的な状態では角質が爪甲下に形成されます。
⑨爪半月(lunula)
爪の根元の半月状の形をした乳白色の部分です。
皮膚に覆われていない爪母ともいえます。
⑩黄線(yellow line)
爪甲が爪床から離れる部位で、0.5~1.5mmの黄白色の横線のことです。
爪の成分はなに?1か月にどれくらい伸びるの?

巻き爪治療(爪母の範囲)
爪の大部分は爪母のケラチノサイトというところで作られます。爪床でも作られているとの説もありますが、病的な状態に限られるのではないかといわれています。
爪は髪の毛と同じタンパク質の一種のハードケラチンから出来ています。
足の爪は1日に約0.05mm伸び、1ヶ月で約1.5mm伸びます。
母趾の爪が最も速く伸び、小趾の爪は最も遅いとされており、加齢とともに伸長速度は遅くなります。
爪の水分
爪甲は12~16%が水分とされています。その水分は爪床から供給されています。
爪が伸びてくると白くなるのは、爪床からの水分の供給がなくなり水分の含有量が低下するためです。


VHO式爪矯正法
VHO式爪矯正法とは



陥入爪や巻き爪に対して特殊なワイヤーを用いた治療法です。
治療法


それを爪の両側にひっかけ、フックを巻き上げ爪の両側を持ち上げます。
余分なワイヤーをカットした後、ジェルネイルで固定します。

巻き爪治療VHO式爪矯正法




また、ワイヤーを1年近く爪の表面につけっぱなしにするため、見た目も気になります。
履ける靴や靴下に制限がありますね。
爪先がないと施術できないのもデメリットの一つです。
その他の矯正ワイヤー


これについては後程述べます。
あとは、
ワイヤー付きのプレートを接着剤で爪に固定して矯正するポドフィックス(podo fix®)、
ワイヤー付き樹脂を爪の縁にひっかけて矯正するコンビペド(COMBI ped®)、
バネ加工されたワイヤーを使用して矯正する3TOプラス(3TO PLUS+®)などがあります。
マチワイヤ
マチワイヤとは



超弾性を有していて、曲げても元に戻る性質を持っています。


その穴にワイヤーを通して、ワイヤーがまっすぐに戻る力を利用して爪を平らにします。

マチワイヤによる巻き爪治療
治療方法


2つの穴にワイヤーを通して、余ったワイヤーをカットし、接着剤で固定します。
その後、徐々に爪の形が改善していきます。

マチワイヤによる巻き爪治療

マチワイヤによる巻き爪治療


利点と欠点


また、1ヶ月~1ヶ月半に1度の通院ですみますから患者さんにとっては楽でいいですね。


薄い爪や硬い爪に穴を開けると割れてしまうことがあります。
また、爪が欠けワイヤーが外れるとワイヤーがピンと立ってしまい危険です。


施術できる病院やクリニックが限られているのが実際のところです。
爪のテーピング法






爪のまわりを囲むように爪の上から側面の皮膚にテープを貼り、爪から皮膚を引き離すようにテープを引っ張ります。
反対側のテープの端をらせん状に貼り付けます。
その上からサージカルテープをさらに引っ張りながら貼って完成です。

巻き爪治療テーピング法

巻き爪治療テーピング法 サージカルテープ貼付


手術療法

フェノール法





巻き爪の手術(フェノール法)

巻き爪の手術(フェノール法)
鬼塚法



巻き爪の手術(鬼塚法)

その後、爪母、爪床、爪のサイドの皮膚、側骨間靭帯を一塊にして切除してしまう方法です。
手術療法の問題点

すごく痛そう...

手術による治療はすごく痛いんです。
もちろん麻酔をするのですが、この麻酔をするときがまた痛いんです。


組織を切開し出血を伴うわけですから、術後の炎症や腫れ、痛みなどは当然起こります。


術後十数年たって爪の変形や痛み、歩行困難が起こる可能性があるといわれています。

巻き爪治療 フェノール法の術後

巻き爪治療 鬼塚法の術後




これには医師が手術治療以外の方法にあまり関心がないためともいわれています。
そのため患者さん自身が巻き爪治療に対して正しい知識を持つことが必要です。
世界特許の痛くない巻き爪補正
当院の巻き爪治療は痛みを伴いません


巻き爪補正例
ストロー状巻き爪補正例
陥入爪補正例


専用の特殊な器具を爪に取り付けることで、巻き爪を補正する技術です。
爪の先がない状態や深爪の状態、根元が巻いている爪に対しても施術可能です。
施術時間は両側で30~40分ほどです。
痛みを感じることはほとんどなく、ウトウト眠ってしまうほどです。


ワイヤーを使わないため目立たないのも人気の理由の一つです。


そのためワイヤーのように靴や靴下に引っかかることもなく、靴に制限はありません。


他の治療法は爪先が伸びていないと施術できないものも多く、他院で断られて当院に来院される方が多くいらっしゃいます。
当院の巻き爪補正は陥入爪(いわゆる深爪)による痛みにも対応可能です。
また、ペディグラステクノロジーには根元上げという施術方法があり、これにより再発率を大きく下げることができます。


治癒までにどのくらいの期間が必要かというと、巻きの程度や爪の厚さなどによって異なりますが、おおむね3~6ヶ月ほどです。
巻き爪補正利用者さまの感想

次のような症状の方は病院での治療が必要です

・化膿している方
・糖尿病で治療中の方
・爪の感染症がある方
・傷口があったり、化膿している場合は、当院での補正はできません。まずは、病院で傷口や化膿の治療を受けてください。
大切なのは、血が出たり化膿したりする前にきちんとケアをして巻き爪を悪化させないようにすることです。

ペディグラステクノロジーは、皮膚を傷つけるなどのリスクが伴わないと判断した陥入爪や巻き爪の状態を補正しています。
しかしリスクが高いと思われる場合には、医療機関への診察を常にご案内しています。