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半月板損傷とは

ACL損傷後の不安定感や「膝崩れ」を軽減するためには、脛骨(すねの骨)の前方偏位や下腿の回旋動作を適切に制御することが重要です。

ここでは、ACL損傷に対する実践的なテーピング方法を解説します。

ACL損傷のテーピング

ACL損傷のテーピング

アンカーテープ

テーピングの土台となるアンカーは、

  • 大腿部のほぼ中央
  • 下腿周径の最大部
    に巻きます。

このとき筋肉がリラックスしすぎず、かつ締め付けすぎないよう注意します。

ACL損傷のテーピング①
ACL損傷のテーピング②

②スパイラルサポート(下腿の内旋・外旋の制限)

ACL損傷では、過度な下腿回旋(内旋・外旋)は不安定性を増大させるため、これを制御する目的でスパイラルテープを使用します。

  • 内旋の制限
    下腿内側 → 膝窩(膝裏) → 大腿外側へらせん状に巻く
  • 外旋の制限
    下腿外側 → 膝窩 → 大腿内側へらせん状に巻く
    このとき 膝窩部でしっかり交差させる のがポイントです。
ACL損傷のテーピング③
ACL損傷のテーピング④

Xサポート(脛骨前方偏位の制御)

脛骨の前方移動を防ぐために、脛骨粗面(すねの前の出っ張り)を通るライン にテープを貼ります。

  • 内側下腿 → 脛骨粗面 → 外側大腿部
    貼付時は「脛骨を後方へ押し込む」イメージで圧をかける。
  • 外側下腿 → 脛骨粗面 → 内側大腿部
    左右対称になるよう同様に貼付。
  • さらに補強が必要であれば、もう1セットややずらして貼付します。

④スプリットテープ

膝窩(膝裏)の中央にテープを軽く当て、外側・内側が同じ長さ(約15cm) になるように引き出す。

外側のスプリット

  • テープの外側端に切り込みを入れる。
  • 切り込みを膝蓋骨外側縁の“少し外側”まで割く。
  • 割いた2本を均等に上下へ開く
  • 上端は大腿部アンカーへ下端は下腿アンカーへ貼り付ける。

内側のスプリット

  • 内側端に切り込みを入れる。
  • 膝蓋骨内側縁の少し外側まで割く。
  • 2本を均等に上下へ開く。
  • 上端・下端をそれぞれ近位(大腿側)・遠位(下腿側)のアンカーへ貼付する。
ACL損傷のテーピング⑤
ACL損傷のテーピング⑤

⑤アンカー

仕上げとして、大腿部・下腿部にアンカーテープを巻き、
これまでに貼ったテープがはがれないよう全体をカバーします。

麻多 聡史
院長

この記事を書いた人

アルコット接骨院院長
柔道整復師
フットケアトレーナーマスターライセンス、足爪補正士、テーピングマイスター、IASTMマニュアルセラピスト、FMS 、SFMA、FCS、BPL mentorship program修了、マイオキネマティック・リストレーション、ポスチュラル・レスピレーション、ペルビス・リストレーション、インピンジメント&インスタビリティ修了