骨端症は、主に成長期の子どもに発生する骨の一部が壊死する状態です。特に、長管骨の端の部分や、短い骨、骨の突起部分で起こります。原因としては血流の障害や繰り返される小さな外傷が関係していると考えられています。

骨端症は発生する場所によっていくつかの種類があり、それぞれ最初に報告した人の名前が付けられています。たとえば、足に発生する骨端症としては、Köhlerケーラー病、Freibergフライバーグ病、Severシーバー病などが知られています。特にFreiberg病は、Freibergが初めて報告した後、Köhlerが同様の症例を報告したため、「第2Köhler病」とも呼ばれることがあります。この場合、Köhler病は「第1Köhler病」とも呼ばれます。

第5中足骨（足の外側にある長い骨）の成長板（骨端部）に繰り返し負荷がかかることによって起こる疾患です。この部分はまだ成熟しきっていない骨のため柔らかく損傷や炎症が起きやすいところです。血流が悪くなったり、骨の成長がうまくいかなくなったりすることで痛みが生じます。

主に9歳から14歳の、特に運動が活発な子どもに見られます。サッカー、バスケットボール、体操、ダンスなどに多く発生します。

第5中足骨基部にくっついている筋肉や腱（短排骨筋腱や小趾屈筋，小趾外転筋，足底腱膜外側束）によって何度も引っ張られることで、骨に負担がかかり発症します。

特にダッシュや急な方向転換が多いスポーツをしている子どもに発症しやすいです。また、ケガや捻挫をきっかけに発症することもあります。

・足の外側に痛みがあり、特に運動中に痛みが増す。

・第5中足骨基部を押すと痛い。

・足首を強制的に内側に捻ると痛みが強くなる。

・足を外側に向ける動作を行うと痛みが出る。

・腫れや熱感はほとんどなく、あっても軽度。

レントゲン写真では、第5中足骨基部外側端の骨端核の形が不規則になっていたり分節化が見えることがあります。イズリン病は足を捻挫したことを契機に症状が出現することがあるため、第5中足骨の剥離骨折との区別が重要です。

第５中足骨基部に起こる骨折では、骨の割れ目が骨の軸に対して垂直になっています。これに対しイズリン病では骨端線が骨の軸に対して平行です。

また、稀にos vesalianumとの鑑別も必要です。短腓骨筋腱の内部に存在する余剰骨で、通常は無症状ですが痛みを伴うこともあります。

痛みがある場合は運動を中止し、足を休めることが最も大切です。必要に応じてアイシングを行います。症状が強い場合は、一時的にギプスやシーネで足を固定することがあります。

足関節や足部の安定性をサポートするインソールが有効です。

短排骨筋腱ストレッチを行います。痛みが減ってきたら、腓骨筋へのストレスを避けるため足関節の周囲の筋肉（特に後脛骨筋）の筋力強化を行い片脚でのバランス向上を図ります。

スポーツ活動を制限することで症状は軽減します。通常、治癒には4〜12週間かかります。

長期的な問題を引き起こすことはほとんどなく、手術が必要になることはありません。通常は中足骨の成長が終わるとともに症状が改善します。女の子で12歳頃、男の子で14歳頃です。