弾発股とは
股関節を曲げたり伸ばしたりする運動をすると、その周辺で「ボキッ」「ゴリッ」と音がなったり、腱がはじかれるような現象を起こしている状態のことをいいます。
これを「弾発股」といい、股関節のそばにある筋肉や腱が太ももの骨に引っかかって音が鳴ることにより起こります。
弾発股には2つのタイプがあり、股関節の外側で起こる「外側型」と、内側で起こる「内側型」があります。
弾発股の症状
- 股関節外側の痛み
- 曲げ伸ばしの際の弾発現象
- 曲げ伸ばしの際に音がする
- 足の付け根の外側の骨のでっぱりを押さえると痛い
- 股関節が外れるような感覚がある
- 股関節の違和感
弾発股外側型の原因
太ももの骨の上端に外側に出っ張ったでっぱりがあります。そのでっぱりを「大転子」といいます。
大転子の上を筋肉や腱が走っているのですが、直接骨と筋肉が触れてしまうと筋肉が傷んでしまいます。
それを防ぐために、大転子と筋肉の間には滑液包 というゼリー状の袋が介在します。
スポーツなどにより滑液包に繰り返し摩擦が加わり炎症を起こすと、滑液包が腫れることがあります。
この腫れた部分に筋肉や靱帯が引っかかることにより弾発現象と痛みを生じます。
弾発股内側型の原因
股関節の曲げ伸ばし動作で腸恥隆起という股関節の前方にある骨のでっぱり、もしくは、大腿骨頭部で腸腰筋という筋肉が引っ掛かることが原因といわれています。
弾発股の検査
問診や触診、関節の動きの範囲、押さえて痛い場所、股関節周囲の筋肉の硬さなどを確認します。
弾発股の治療法
- 患部の安静
- 超音波療法
- ストレッチ
- 筋力トレーニング
- 筋膜リリース
- キネシオテーピング
- インソール療法
弾発股に対するストレッチ
使いすぎて硬くなった筋肉は弾発股の原因となるため、ストレッチで伸ばしておくことが大切です。
弾発股に対するテーピング
キネシオテープという特殊なテープを用いてテーピングを貼ることで、皮膚を持ち上げ筋肉との間に隙間を作りリンパの滞りを改善し筋肉の正しい収縮をサポートします。
弾発股に対する筋膜リリース
弾発͡股では、大転子周囲で腱が摩擦を繰り返すため、組織が分厚くなってしまいます。
また、炎症を繰り返すとまわりの筋肉や靭帯とくっついてしまう癒着障害が起こります。
これらの癒着障害を取り除く画期的なツールとして海外ではIASTM Tools(Instrument-Assisted Soft-Tissue Mobilization)が台頭してきました。
IASTMは皮膚や脂肪組織も含めた筋膜をリリースすることができる全く新しい治療ツールです。
弾発股に対する超音波療法
弾発股の改善には大腿筋膜張筋や大殿筋の柔軟性改善が鍵となります。
大腿筋膜張筋や大殿筋に対して、超音波による微細な振動を与え、深部温熱効果により柔軟性を高めます。
ストレッチの前段階として行うとより効果的です。