内側側副靱帯ってなに?
膝の内側を支える主要な靱帯です。
長さ10cm、幅3cmほどの組織で、膝のぐらつきをおさえる役割をしてます。
膝が内側に入りながらすねの骨が外にねじれるのを強力に制動しています。
内側側副靱帯損傷とは
内側側副靱帯損傷はスポーツ中に多発し、膝の靱帯損傷のなかでは最も頻度が高い疾患です。
損傷の程度によってグレードⅠ~Ⅲに分類されます。軽度の損傷では初期に適切な固定をすれば修復しやすいといわれてます。
内側側副靭帯損傷は次のように分類されます。
- グレードⅠ:動揺性はなく、靭帯部の圧痛や腫脹が主であるもの
- グレードⅡ:膝を伸ばした状態では外反動揺性なし、30°曲げた状態では外反動揺性あり
- グレードⅢ:膝を伸ばした状態でも、30°曲げた状態でも外反動揺性あり
内側側副靱帯損傷の症状
典型的な例では、膝の内側の痛み、腫れ、熱感がみられます。損傷がひどいと膝のぐらつきや不安定感が現れます。急性期では関節の中に血がたまったり、慢性期になると水がたまることもあります。
内側側副靱帯損傷の原因
コンタクトスポーツ(ラグビーやアメフトなど)では、膝外側から内側へのタックルされるなどにより、膝の内側に外力がかかり内側に膝が入ったり、またはすねの骨が外側にねじれるように強制されたときに損傷されます。
直接外力が加わらないとき(ノンコンタクト)でも、スキーでの転倒時、ジャンプ着地時などでも発生します。
内側側副靱帯損傷の検査
内側側副靱帯損傷の有無を確認するには、外反(がいはん)ストレステストを行います。
膝を曲げた状態と30゜だけ曲げた状態とで2通り行うことが重要です。膝を伸ばした状態でも動揺が認められる場合は、より重症度が高く他の靱帯の損傷も合併していると考えられます。
内側側副靱帯損傷の治療法
受傷直後は適切なグレード分類の後、患部の安静・固定・アイシングを行います。急性期であっても超音波療法は可能ですので、疼痛・浮腫軽減を目的に施行します。
急性期の疼痛が治まったら、運動療法・リハビリを開始します。軽度のものであればサポーターやテーピングをして徐々にスポーツ動作を始めていきます。膝が内側に入らないようなインソール療法も効果的です。他の靭帯の損傷や半月板などの合併損傷の場合は手術が必要となります。
内側側副靱帯損傷のテーピング
①膝の上下アンカーテープ(黒)を巻きます。
②らせん状にスパイラルテープ(赤)を巻きます。
③反対方向にスパイラルテープ(青)を巻きます。
④膝の内側に縦サポート、Xサポート(緑)を貼ります。
⑤アンカーテープ(黒)を巻いて完成です。
インソール療法
内側側副靱帯を損傷しやすい方は、knee in – toe outといって膝が内側に入りやすい特徴的な歩き方や走り方をしています。
インソールでバランスを整えることで、悪い動きを良い動きに変えていきます。
詳しくは、オーダーメイドインソールの作製のページをご覧ください。