足の裏にある神経（総足底趾神経そうそくていししんけい）が、靱帯と骨でできたトンネル内で圧迫を受けて痛みやしびれを起こす疾患です。刺激に弱い神経なので、少しの力で圧迫されてしまいます。
中年以降の女性に好発し（女性が男性の約5倍）、中腰の作業をする人やハイヒールをよく履く人に多くみられます。

中足骨の骨頭と骨頭の間での深横中足靭帯しんおうちゅうそくじんたいにより足底趾神経が圧迫されることが原因です。
神経が圧迫される原因として考えられるのは、足のサイズに合っていない靴を履くことで、足が締め付けられ神経が圧迫されることです。幅の狭い靴やハイヒールなどを履くことで引き起こされます。
また外反母趾や扁平足へんぺいそく、開帳足かいちょうそくなどの足が変形している方も足のアーチのバランスが崩れるため発生しやすい傾向にあります。

・足に体重をかけた時の足の指の間に放散する痛みやほてり
・足の前部分が何となく痛い、またはしびれる
・しばしば安静にしていても痛みがある
・足の指の間の感覚が鈍くなることもある

第３～４趾間に多くみられますが、第２～３、４～５趾間のこともあります。

その理由として、次の３つが挙げられます。
①狭い指の間: 第2趾と第3趾の間のスペース（webspace）は、他の指の間と比較して狭くなっています。これにより、神経が圧迫されやすくなります。
②第4中足骨の可動性: 第3中足骨と比較して第4中足骨は動きが大きいです。この動きにより、剪断力（滑るような力）が第3趾間に働き、神経に負担がかかります。
③神経の大きさ: 第3趾間では、足底趾神経が内側および外側足底神経の分枝が合わさっているため、神経が他の部分よりも少し大きくなります。これにより、神経が圧迫されやすくなります。

方法: 指で足の背側から、親指で足の底側から指の間（web space）を圧迫します。

効果: 症状が誘発されるかどうかを確認します。病変部の大きさに関わらず感度は96％と高い効果があります。

方法: 中足骨頭間を足の内側と外側から圧迫します。

効果: 症状が誘発されるかを確認します。病変部が大きいほど誘発されやすく、感度は61％です。

病変部の大きさを評価するのに有効です。正常な足底趾神経は中足骨頭間で直径約1mmで、筋肉よりも低エコー（黒っぽく）に描出されます。病変部の長さが20mm以上の場合、他の疾患の可能性も考慮する必要があります。

中足骨間ちゅうそくこつかんのチネル徴候ちょうこうや圧痛あっつう、足の裏の知覚検査ちかくけんさ、フットプリントなどを行います。

ヒトの足にはドーム状の3つの「アーチ」があります。「内側縦ないそくたてアーチ」「外側縦がいそくたてアーチ」「横アーチ」です。

足のアーチの役割は
1.地面の凹凸や傾斜に足を適合させる
2.衝撃を吸収する
3.地面を蹴る力を高める
4.足の裏の筋肉、腱、神経、血管を圧迫から守る

などの役割をしています。

かかとの骨が内側に倒れてしまうと、足のアーチが崩れてきていわゆる扁平足へんぺいそくの状態になってしまいます。
それと同時に横アーチも崩れてしまい、足の指の間が開いてしまいます。これを開帳足かいちょうそくといいます。
足の裏の神経は、足の骨の間のトンネルを通り指先まで至ります。
横アーチが低下した状態ではトンネルの中が狭くなり神経が圧迫されてしまいます。
さらに、この状態で指を反らすと神経が引っぱられ強い痛みが生じます。

・体外衝撃波
・インソール
・テーピング
・患部の保護、ハイヒールの調整
・足の裏の筋肉のトレーニング
・鎮痛処置：湿布や超音波治療など

足の指を最大に曲げて、グーの状態を作ります。

母趾の甲側にキネシオテープ50mmの端を貼付します。

横アーチ部分を手で押し上げます。

小指側から手で横アーチを作ります。

テープを小指の甲側に回し止めます。テープの端は引っ張らずに貼ります。

指を起こした際に横アーチ部分にしわが寄っていれば成功です。

拡散型体外衝撃波療法は、強い衝撃波を患部に照射する新しい治療方法です。手術のような切開は必要ありません。

1.痛みの軽減:衝撃波が神経に直接作用し、痛みを感じる神経終末を鈍くすることで、痛みを和らげます。

2.血流の促進: 血流が増加し傷ついた組織が修復されることで痛みが和らぎます。

3.炎症の軽減: 衝撃波には炎症を抑える効果があり、神経周囲の腫れや痛みを軽減します。

4.新しい血管の生成: 衝撃波は新しい血管の生成を促し、患部への酸素や栄養の供給が増え治癒が促進されます。

・非侵襲的: 切開が必要ないためリスクがほとんどありません。
・短時間で済む: 治療が短時間で済むため、忙しい方にも適しています。
・早い回復: 多くの人が数回の治療で症状の改善を実感しています。

オーダーメイドインソールは、あなたの足の形や歩き方に合わせて特別に作られた靴の中敷きです。モートン病の治療には、適切な靴や足底挿板（インソール）の使用が非常に効果的です。

1.踵の低い靴: 足にかかる圧力を均等に分散し、前足部への負担を軽減します。

2.広いつま先部分（toebox）: つま先部分が広い靴は、足の指が自由に動けるスペースを確保し、神経の圧迫を減らします。

メタターサルサポート: 柔らかいメタターサルサポート（中足骨頭サポート）は、中足骨頭の圧力を広げやすくし、負担を軽減します。

インソールは副作用や症状の悪化を心配する必要がほとんどなく、約48%の症例で有効とされています。